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魔法


これで街でやらなきゃいけないことは全部済んだかな?


「他に何か用事って有るか?」


「もう十分買って貰ったから大丈夫。」


「そっか。」


「ね、ねぇ、あんなにお金使っちゃったけど本当に大丈夫なの?」


「さっきも言ったけど、他に使うことも無いからな、気にすんな。」


「うん。ありがとう。」


「おう。」


「でも、あれだけのお金、どうやって稼いだのよ。」


「全部ダンジョンのドロップ品を売っただけだぞ?」


「へぇ~、ダンジョンって儲かるのね。」


「他の人は分からないけど、俺は結構儲かってるのは確かだな。

 どうする、お金稼ぎに行ってみるか?」


俺がそう言うと、メイは少し考えている。


「そうね、折角魔法も覚えたことだし、行ってみたいかな。」


「おう、それじゃ行くか。」


「うん。」


俺達はダンジョンへと向かうことにした。

中に入り探索をする。


「お、居た居た。」


スケルトンがこちらに向かって走ってきた。

メイを見るとブツブツと何かを唱えているみたいだ。


「ファイヤーボール!」


メイが叫ぶと、野球のボール大の火の玉がスケルトンへと飛んでいき、当たったと同時に爆発した。


ドーン!


後には魔石が残っているだけだった。


「すげー!」


「ふふん、ま~ね♪」


メイの機嫌はとっても良さそうだ。確かにあれだけ派手な魔法を使った後は気分もさぞかし良いことだろう。

メイは魔石を拾うと、俺に渡してきた。


「はい、どうぞ。」


「折角の初戦利品だろ? 自分で食べたら良いんじゃないか?」


俺がそう言うと、メイは顔を真っ赤にしてモジモジしながら言ってきた。


「い、色々買ってくれたお礼よ! そう、これはお礼なの!

 だ、だから、決してシュウに初めての魔石を食べて欲しくて言った訳じゃないの! 分かった?」


「お、おう。」


メイの勢いに押されながら俺は魔石を受け取ってしまった。

折角メイがくれるって言うんだし、有難く頂くことにした。


ぱくり…


「旨いな。」


「そ、良かった。」


何故か分からないが、この魔石は甘酸っぱい味がした…


くぅ~! うらやましいぜ!

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