表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

24/69

魔導書


本屋は武器屋のすぐそばに有ったので、さっそく入ってみた。


「こんにちは~」


「おや、見ない顔だね、ここは初めてかい?」


「ええ、その通りなのですが、ここって本屋で合ってますか?」


俺が疑問に思うのも仕方が無いと思う。

だって、店の中にはカウンターにおばあさんが座っている以外は何も置いてないからだ。


「そりゃあ、本は高価な物だからね。盗まれない様に管理しておるんじゃよ。」


「なるほど。」


「それで、何の本を探しているんだい?」


「えっと、魔導書が欲しいのですが、有りますか?」


「あるよ。各属性の魔導書なら、それぞれが金貨15枚、4属性の魔導書なら金貨50枚だ。何が欲しい?」


「じゃあ、4属性で。」


俺は白金貨を1枚出して支払った。


「何の迷いも無く白金貨を出すとは…随分と稼いでいるみたいじゃな。」


「まぁな。でも、必要な物にお金をかけないのも駄目じゃね?」


「それが出来ないのも多いんじゃよ、そしてみんな死んでいくのさ…」


そういう物か。


「ほれ、お釣りの金貨50枚と、4属性の魔導書だ。大事に使いな。」


「魔法を覚えるにはどうするんだ?」


「適性の有る人が持てば使えるぞい。勝手に理解するじゃろうて。」


「そういう物?」


「そういう物じゃ。」


俺はおつりと一緒に魔導書を受け取ったのだが、何も起こらなかった。


「どうやら、お前さんは適性が無いみたいじゃの。」


使えないのはどうしようもないな。魔導書はメイに渡した。

メイが魔導書を受け取った瞬間、魔力が放出されたのかぶわっっと風が起きた。


「な、何これ~!! 呪文が頭の中に入ってくる~!!」


「お嬢ちゃんは適性が有ったみたいじゃな。しばらくすると落ち着くじゃろう。」


「もし、火魔法にしか適性が無かった場合は?」


「火魔法だけ覚えるだけじゃな。」


「ふ~ん。」


メイは、脳に強制的に書き込まれているためか、ずっと頭痛を感じているみたいで、苦しそうにしている。

しばらくすると風が収まり、それと同時に、メイの頭痛も収まったみたいだ。


「う~! 痛かったよ~!」


「お疲れさん。」


「どれ、お嬢ちゃんは何の魔法を覚えたのかな?」


おばあさんがメイから魔導書を受け取り、パラパラとめくっている。

魔導書の中は白紙で、何も書いてなかった。


「ほう、4属性全部覚えたみたじゃな。」


どうやら覚えた魔法は消える仕組みになっているみたいだ。


「この白紙の魔導書はどうするんだ?」


「こうなってしまったら単なる紙さ、記念に持ってるか、売っても銅貨1枚じゃな。」


「どうする?」


「折角だし、持ってても良いかな?」


「いいぞ、要らなくなったらその時売れば良いしな。」


「ありがとう。」


「うし、用事も済んだし、行くか。」


「うん。」


俺達は本屋を後にした。


魔導書をインストール中…

インストール完了!

魔法アプリを実行しますか?(Y/N)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ