新しい装備は
新しく購入した背負子を背負い、俺は再びダンジョンへとやってきた。
まずは軽く腹ごしらえでもするとしますか。まぁ、腹は減っている訳では無いけどね。
ほぼ作業となっている、パンしてパクリを繰り返し、ボス部屋までやってきた。
扉を開けるとスケルトンソルジャーが居た。
「いっただきま~す!」
有無を言わさぬ連続パンチであっさりと撃破!
魔石を堪能した後は、早速背負子を使用してみることにした。
と言っても背負子へ乗せて縛るだけなんだけどな。
「ふむ。」
背負子に乗せた御蔭で両手がフリーになるのが良いな。
これなら200本持っても移動が楽になりそうだ。良い物を売って貰ったな。
俺はウキウキしながら地下1階へと向かうことにした。
・・・・
「ふぅ~、満足満足♪」
まだまだ食い足りないが、背負子にこれでもかと積んでみたが、さすがにこれ以上は無理っぽいので帰ることにした。
本数は数えて無いが、いや途中までは数えてたけど、面倒くさくなったので数えてない。
ただ、ぱっと見で200本以上はありそうな感じだ。
これだけの本数が有れば、ヘレンさんも喜んでくれるだろう。
「何だ?」
冒険者ギルドへと向かう道を歩いているのだが、通り過ぎる人は全員俺をガン見している。
別に目立つようなことも、悪さとかも一切やってないんだけどな…謎である。
ようやく冒険者ギルドへ到着したので中に入ることにした。
両扉を開け中に入ると、今までザワザワしてのが一変、全員の動きが止まり、物音1つしなくなった。
何か異常でも発生したのだろうか? 原因を聞くためにも窓口へと向かうことにした。
「ヘレンさん、こんにちは。」
「・・・・」
ヘレンさんはこちらを見たまま停止している。
「あの?」
ヘレンさんの顔の前で手を振ってみた。
「…はっ! え、えと、何でしたっけ?
あ、シュウさんですかー、半年ぶりですねー」
「え? さっき来たばかりですよね? ヘレンさんも冗談が上手なんだから~」
「シュウさんのお耳は腐ってるんですかー、私は半年と言ったと思うんですけどねー」
何で俺はここまで言われなくちゃいけないんだ?
ヘレンさんに迷惑は…まぁ、多少は掛けたかもしれないが、それほど掛けてないハズだ。
「あ、あの、何でそんなに怒っているんですか?
綺麗な顔なのに勿体無いですよ?」
「誰が怒らせていると思っているんですか!!」
「ひいいいいぃぃぃ~!! ご、ごめんなさい?」
「何で疑問形なんですか? それとも自覚が無いんでしょうか?」
とは言ってもなぁ、俺はちょっとダンジョンに行って、狩ったら戻ってきただけじゃん?
他の冒険者と同じことをやっていて何故怒られなければならないんだろう?
もしかして魔石を売らないのが駄目なのか? それなら思い当たらないことも無いんだが…
「あ、あの、もしかして魔石を売らないことを怒ってますか?」
ヘレンさんが大きなため息を付いた。
「もういいです、シュウさんはそう言う人だということが良く分りました。
私は受付嬢としての仕事を全うするだけにしておきます。」
「は、はぁ。」
結局何で怒っているのか分からなかったが、仕事をしてくれると言うことなので、対応してもらうことにした。
「じゃあ、買取をお願いします。」
俺は背負子からスケルトンソルジャーの剣を降ろした。
ガラガラガラガラガラガラ…
「もう嫌~!!」
ヘレンさんは泣き出してしまった。
え? 普通に対応してくれるんじゃなかったのか? さっきの台詞は嘘だったの!?
ヘレンさんが役に立たなくなったので、困っていると。
「シュウ様、こちらへいらして貰っても良いでしょうか?」
一人の受付嬢が声を掛けてきた。
「えっと、貴方は?」
「申し遅れてすいません。私はヘレンの上司に当たるアイナと申します。」
アイナさんはペコリと頭を下げた。
「それで、俺は何処に行けば良いのでしょうか?」
「少し話をしたいので、こちらへ。」
アイナさんが歩き出したので、俺は着いて行く前に、一つ気になったことが有ったので聞いてみることにした。
「剣はどうしましょう?」
「係の方が集めますので、気にしないで下さい。」
その答えに満足した俺は、アイナさんに付いていくことにした。
主人公、これ嫌われてね?




