転送
じゃまな剣を処分することが出来た俺は、他にすることも無いので、再びダンジョンへと向かうことにした。
スケルトンを見つけるたびにパンしてパクリをして、ボス部屋までやってきた。
「それなりに時間も経過したし、復活しているかな? 復活しているよね? 復活していると良いなぁ…」
俺は期待に胸を膨らませて扉を開けた。
「ご飯!!」
期待通りに、そこには剣を持ったスケルトンが居た。
向こうもこちらを見つけたので戦闘態勢を取り、襲い掛かってきた。
パン! パン! パン!
あっという間に倒すことが出来た。
「やっぱりコイツって弱いよね? ヘレンさんは何であんなこと言ったんだろう?」
考えても良く分らなかった。おそらく勘違いをしていたのだろう。
お待ちかねの魔石を食べて満足した俺は、部屋の隅に光っている物が有ることに気が付いた。
「何だコレ?」
よくお祭りでポキって折ると光る輪っかみたいな色をした光が複雑な模様として描かれていた。お祭り? 光る輪っか? はて?
前は魔石に夢中で、こんなのが有るのに全く気が付かなかったな。
さっぱり分からないので、とりあえず踏んでみることにした。
光を踏んだ瞬間、俺はさきほどと違う見慣れない場所に立っていた。
「あれ?」
俺はビックリして辺りを見渡すと、ここの部屋は8畳くらいの広さの部屋で、扉が1つと、先ほど踏んだ光の模様と同じ様なのが有った。
俺は、先ほどと同様に光の模様を踏んでみることにした。
光を踏んだ瞬間、俺はまた違う場所へと移動したみたいだ。
「ここは? 通路と扉がって、何処かで見たことが有る様な…って、あぁ! ボス部屋か!」
どうやら俺はボス部屋の前に戻ってきたみたいだ。
扉を開けて中を確認すると、確かにボス部屋だ。先ほど踏んだ光の模様も同じ様に有った。
「ふむ…」
俺の記憶の中に、転送との言葉が出てきた。
おそらくあの光の模様を踏むと、違う場所へと飛ぶ仕組みになっているのだろう。
折角なので転送先へ行ってみることにしよう。
俺は再び光の模様を踏み、小部屋へと転送した。
本人、自分の強さを理解しておりません。




