スケルトンソルジャー
俺は再び冒険者ギルドを訪れた。
何度も頻繁にここへ来ているが、迷惑にならないだろうか?
折角この環境を作ってくれたジャック先輩にも迷惑が掛からなければ良いのだが…
両開きのドアを開けて中に入る。
今回は特に注目も浴びなかったので、そのまま窓口へと向うことにした。
さすがに今回は新人サービスは無かったみたいで、他の人と同様に順番待ちみたいだ。
ようやく俺の順番だ。
「ヘレンさん、こんにちは。」
「え? シュウさん? 今まで何処に行ってたんですか! 心配したんですよ!」
最初きょとんとした顔をしたヘレンさんだったが、いきなり怒り出した。
「何処行ってたってダンジョンだけど? それにさっきも来たばかりですよね?」
「何言ってるんですか! 1ヵ月ですよ1ヵ月! ショウさんは1ヵ月も音沙汰なしだったんです!!」
「そうだっけ?」
大きな魔石を探すために、時間の感覚が変になっていたみたいだ。
「生きていたのなら良いです…」
ヘレンさんが大きなため息を付いた。
「で、今日はどうしたんですか?」
「荷物が邪魔だったので、これを売りに来ました。」
俺はそう言って、2本の剣をカウンターへと提出した。
「え? これってスケルトンソルジャーの剣?
シュウさんって登録してから1ヵ月でしたよね? もうスケルトンソルジャーを倒したんですか?」
「あれってスケルトンソルジャーって言うんだ。あの敵って美味しいよね。」
俺がそんなことを言うと、ヘレンさんは口をあんぐりと開けていた。
「美味しいって、あの敵は銅級で、しかも複数人で当たらないと倒せないんですよ? 分かってるんですか!」
え? 実際我を忘れて探しまくるくらいに美味しかったけど? それに、ワンパンでしたが、何か?
でも、言うと何か面倒くさくなりそうな気がする。適当に誤魔化すか。
「ま、まぁ、苦労したけど、何とか倒せたんだよ。うん。」
ヘレンさんは信じてないみたいで、ジト目で見ていた。
「盗んでませんよね?」
「盗んでませんって、信じて下さい!」
「まあ良いです。盗んだとしたらその内情報が入りますから。」
「は、はぁ。」
「それで売るんですか?」
「え? あ、はい。」
「では、スケルトンソルジャーの剣は1本、金貨1枚になりますので、金貨2枚です。お確かめください。」
金で出来た丸い金属を2つ貰ったので、これが金貨なのだろう。
「大丈夫です。」
「他に何か有りますか?」
「特に無いです。」
「では、またのご利用お待ちしております。」
俺は用事も済んだので、冒険者ギルドを後にした。
結構高く売れた。




