レアモンスター
再びダンジョンに戻ってきた俺は、背負っていたスケルトンを崖下へと捨てた。
「成仏してくれよ。
じゃあ、探索でもするか。」
とりあえず魔石以外の売れる物を探さないとな。
スケルトンを倒して魔石を食べつつ探査を続ける。
「アレは何だ?」
通路の行き止まりに何やら箱が置いてあった。
「これって宝箱か? 何か売れる物でも入っていれば良いのだけど…」
とりあえず開けてみることにする。
バキャ!
一瞬の引っかかりが有ったが、宝箱は無事に開くことが出来た。
その瞬間、何か箱から飛んできた。
シュン!
ん? 何か当たったか?
下を見ると、先が尖った細い棒が落ちていたのに気が付いた。
水にでも浸かっていたのか先っぽが濡れていた。
「何だコレ?」
まぁ、何かの役に立つかもしれないし、とりあえず持って行くか。
「さてと、お宝はっと♪」
箱の中を覗くと、中身は空っぽだった。
「空っぽか…でもダンジョンだし、こう言うことも有るよな。」
俺は気を取り直して、ダンジョンを探索していく。
パン!…パクリ。パン!…パクリ。
「ん?」
前方に見慣れないスケルトンを発見した。
他のスケルトンより一回りほど小さい。
「子供? いや、もしかして、レアモンスターか?」
俺が近づくと、向こうもこちらに気が付き…
「逃げた!?」
脱兎のごとく逃げ出した。俺は追いかけてみることにした。
レアモンスターだし、きっと魔石も普通のスケルトンよりも旨いんだろうと思う。
俺は自然に垂れてしまった涎を拭き、走り出した。
「中々逃げ足が速いな。」
レアモンスターは体が小さいからか動きが他のスケルトンより早いみたいだ。
角を曲がったので、俺も続けて角を曲がる。
「あれ? 居ない?」
そこにはスケルトン所か、ネズミ1匹居なかった。
「逃げられたか。」
逃げられてしまったのは仕方ない。
次見つけたら、今度は逃がさないことを心に誓うのだった。
どんな味なんだろう?




