ガイコツ
ちょっとダンジョンの話を書くために試験的に書いたものだったけれど、筆が乗ってしまったので勢い余って書いてしまった。
良かったら読んでいってください。
気が付いた。いや、目が覚めた?
良く分らないが、どうやら俺は意識を取り戻したみたいなんだが…ここって何処だ?
俺は今、何やら壁が続く通路のど真ん中に突っ立っていた。
「・・・・」
声は出ないが、カラカラと音がしている。
いったい俺はどうしちゃったのだろうか?
つーか俺は誰だ? 名前も性別も何も分からなかったが、俺と言っているのでおそらくは男性で有ったと思われる。
幸いと言っては何だが、記憶は無いが、人としての常識くらいは何となく覚えていたのは幸いだった。
まずは現状把握だ、とりあえず身分を証明出来る様な持ち物でも無いだろうか…
ポケットを漁る…あれ? ポケットが無いぞ? それよりも服自体着ていない、つーか全裸?
ポケットを漁ろうとして気が付いたが、正確には全裸とは違う気がする。すべすべで堅くて白い体だったからだ。
右手を見る、白い骨だ。左手も同様だ。
えっと、俺ってもしかしなくてもガイコツ? つーか死体? えっ? 何で動いてるの!?
とりあえず持ち物は、調べるも無く何も持って居なかったことが分かった。
それは良いとして(良いのか?)、何で俺はガイコツなんぞに成っているのだろうか?
生きていると言って良いのかどうかは分からないが、とりあえず動くことは出来るみたいだ。
しかし、これから何をすればいいのだろう?
とりあえずやることも無いので、少し辺りを探索してみることにする。
カチャカチャカチャ…
骨だからだろうか、結構足音がうるさいが、どうしようもないので諦めることにする。
少し進むと、自分の足音とは違ったカチャカチャ音が聞こえてきた。
もしかしてお仲間さんだろうか?
俺は立ち止り、新たに増えた音の方角を確認してみる。
前からガイコツが歩いて来た。
歩いて来たで気が付いたんだけど、何で俺は物が見えるんだ?
ここには明かり何て物は一切無い…見えてるから自信は無いが、無いよね? にも拘わらず明るくクッキリと見えている。
でもさ、俺ガイコツだから目が無いんだよね。目の部分を触ってみると、当然眼球何て物は無く、穴が空いていだけだし、目を閉じることも出来ない。
だから、目に指が突っ込んでいる状態を見続けるってある意味貴重な体験が出来た訳なんだが、これって拷問にしからならない。
結構キツイので、出来るだけ今後はやらないでおこう。
さて、前方から歩いて来たガイコツなんだが、襲い掛かってくるかもしれないので、用心しておく。
まずは、友好的に挨拶でもしてみるか。
俺は右手を上げて、挨拶してみた。
カラカラカラ。
あ、やっぱり声出ねーわ。
とりあえず俺がアクションを起こしてみたにも係わらず、向こうは俺のことなどどうでも良いみたく、ガン無視である。
そのまま通り過ぎて、行ってしまった。ちょっとだけショックで寂しかったのは内緒である。
もしかして気さくな仲間だからいちいち挨拶するようなことでも無く、ただ通り過ぎただけなのであろう。
そう言うことにしておこう。いや、して下さい。切実にお願いします。
もう少し進むと、道が細くなり、その両脇は崖になっていた。
俺は四つん這いになり、崖の下を覗くと、そこには俺の目でも見えないくらいに真っ暗な闇が続いていた。どんだけ深いんだよこれ…
これは落ちたら間違い無く死ぬな。おれは背筋がゾッとした。
くわばらくわばらと、その場を離れようとしたら、後ろから誰かが近づいてくるのが見えた。
またお仲間か?
違った、今度は骨では無く肉を持った…普通に人で良いか…だった。
その人は俺を見つけると、剣を抜き襲い掛かってきた。
何で? 俺何も悪いことしてないじゃんかよ!
抗議しようと思ったが、声は出ないので、態度で示すことにした。
両手を広げて何も武器は持ってないよ? 無害なガイコツだよ? のアピールだ。
だが、相手は容赦なく切り付けてきた。何で!?
俺は反射的に剣を躱す!
ズルッ!
…あっ…
俺はこの狭い足場から踏み外し、この暗い崖下へと落ちて行ったのだった。
I can fly!