泡
[―プランク定数を入力してください―]
学生のシゲルはここでうーむ、と悩んだ。定数に規定などない。創造主の気分で良いのだ。だが、ほかの定数やこのシステム内での複雑なモノの理の中で具合のよい働きをする定数にした方が彼自身の課題は進むのだ。
あ、そうだ。と心の中で呟いておもむろに彼の誕生日である24星期6月をとって246と入力し、実行ボタンを押した。たちまち画面に現れた泡は先程実行した100の時よりも早くに膨張し、たちまち収縮過程に入った。やっぱり適当じゃダメだよなぁ、とため息をつきながら彼はパチパチと弾ける泡どもを見守った。
ひとつの世界は終焉を迎え、そしてまたシゲルは研究室の片隅で唸るのであった。