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俺と女傑と可憐な華と  作者: Kazuya2009
第1部・1.熾烈な戦いの果てに
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熾烈な戦いの果てに・5

 レイナが再び剣を構えると、次の瞬間には目の前に彼女はいた。

 上段からの打ち下ろし。

 一瞬の出来事で、とても短剣で受けることが出来ない。

 俺は咄嗟に、右手を翳す。

 目の前に光の盾が現れ、レイナの剣を阻んだ。

 オーソドックスな防御魔法のガード・シールドである。

 剣を防がれたレイナは一度、後ろに下がった。

 顔は満足そうな笑みをを浮かべている。

「無詠唱だけでなく、無発声発動ですか……。スティングレー家が王国最強と言われる所以がこれですね?」

「ああ。無発声発動はスティングレー家の切り札だからな」

 魔法というのは基本的に詠唱を正しく行うことが出来れば、発動させることは可能だ。

 発音さえ正しければ子供でも出来る。

 次に詠唱の省略、つまり無詠唱だ。

 これは詠唱時の魔法発動を体で覚えるだけでも行える。

 ガード・シールドのように魔法には詠唱と一緒に固有名詞があり、詠唱時の感覚を無詠唱で感じることが出来れば固有名詞の発音だけで発動が出来る。

 最後に無発声発動だが、基本的には無詠唱と同じであり発動トリガーさえも意識下で制御する。

 無詠唱と無発声は発動トリガーが発声を行うか否かでしかない。

 最も、全てを意識下で行うこと自体は難しいのだ。

 熟練した魔導士でも無詠唱程度が普通である。

 ちなみに俺も普段は無詠唱発動だ。

「殺すつもりで斬りかかった甲斐がありました」

「こちらは冗談じゃないぞ」

「でも、おかげであなたの力が分かりました。次で終わりにしますよ?」

「ああ。次が最後だ」

 俺の声を聞くか、聞かないかのうちに目の前から再びレイナが消える。

 だが、それは織り込み済みだ。

 全身全霊、渾身の一撃を決めに来るつもりだろう。

 次の瞬間、鉄が弾かれる音が場内に響き渡った。

 レイナが俺に再び斬りかかったのだ。

 だが、刃は俺に届かない。

「ガード・フィールドですか」

 全方位防御魔法。ガード・フィールドだ。

 魔力の壁を自分の周りに張る魔法で、衝撃も外に逃がしこの魔法内にいる限り少なくとも物理的な衝撃は通らない。

「しかし、防御し続けてるだけでは勝てませんよ?」

「それはどうかな?」

 俺はそう言うなり右手を彼女の方へ向ける。

 レイナは咄嗟に右に飛んだが、彼女がいたところに炎が現れて爆発が起こった。

 避けなければ確実に吹き飛んでいただろう。

「バースト・ファイア!? 魔法を展開したままで!?」

「まだまだ!」

 更に追い打ちをかけるように俺は魔法を放つ。

 彼女を囲むように炎の弾が十数個。一つ一つが成人男性の頭部並みの大きさだ。

 ファイア・ブリッド。炎の弾である。

「っく!」

 レイナがランダムに襲い掛かってくる炎の弾を避け、剣で斬り裂き、魔法で弾く。

 だが、ただで避けているわけではないようだった。

 俺の動きを見つつ、避けている。

 そして、再び俺の目の前から姿を消すのであった。

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