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俺と女傑と可憐な華と  作者: Kazuya2009
第2部・2.動き出す黒い影
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動き出す黒い影・2

 一気に間を詰めると体制を低くして敵に斬りかかる。

 当然敵は回避行動を取るが、それが狙いだ。左右に下がったのを確認して俺はウォータ・ジャベリンで追撃する。敵も防御魔法を使うがそれでいい。

 敵の回避行動を取らせることで道を開けて俺はセルシア達と合流した。

 横目でリムルはトルファがガード・フィールドで防護しているのを確認する。

 リムルは気を失っているようだが報告通り、無事のようだ。

≪第二、第三分隊が時期に来る。合流後は兵舎へリムルを連れていけ≫

 俺は遠隔会話でセルシアの方を向いて伝えると頷いているのを確認する。

 この遠隔会話は会話が漏れないという点では非常に優れていた。

 敵の方を向くと俺はもう一度問う。

「お前たちはいったい何者だ? 誰の指示でここへ来た?」

「答えるとでも思ったか?」

 低い男の声だ。

 恐らくこいつがリーダーだろう。

「スカーレット隊がいるのを承知の上か? お前たちに勝ち目はないぞ?」

「何を言うかと思えば……。俺たちは礎だ」

 男がそう言い終わると、他の者たちが動き出す。

 礎ということはこれは何かの陽動か?

 目的はリムルを襲うだけではない可能性がある?

 そして少なくとも彼らは自身が死んでもいいと考えているともいえる。

「全員、迎撃!」

 指示を出すと、俺は一気にリーダーと思われる男との間を詰めた。

 俺の突進を読んでいたかのように長剣で迎え撃ってくる。

 鋭い中段からの薙ぎ払い。

 短剣で受けると俺は軌道を反らして相手の利き腕側に回り込むと近距離から魔法を放つ。

「”バースト・ファイア”!」

 炎の爆裂魔法で相手をけん制。当然、これで仕留められるとは思わない。

 煙幕から離れる形で俺は一度少し間を取ると遠隔会話でナーシャに繋いだ。

≪ナーシャ、念のため第三分隊をノラスティス公爵の館に向かわせてくれ≫

≪何か動きが?≫

 間を取ったの正解だった。俺が居たところに投げナイフが数本刺さる。

 暗殺部隊だ。暗器があるのを予想して下がっていたのだ。

≪敵が自分たちの事を礎だと言った。他に目的があってもおかしくない≫

 暗器を避けられるのも想定済みだったようだ。煙幕の中から刺突で攻撃してくる。

≪承知しました≫

 刺突を受け流しながらナーシャに指示を出し終えた。

「いい腕だ。スカーレット隊の前隊長に勝った噂は本当のようだな」

 先ほどの男が攻撃を繰り出しながら称賛してくる。

 長剣と短剣。間合いは当然、俺の方が不利だが、そこは熟知している。この程度で不利になるような鍛え方はしていない。

「目的は女王陛下暗殺が本命ではないな?」

 長剣を弾き返してそう問うと、男の表情が笑うのが分かった。

 恐らく女王陛下襲撃が陽動か……。

 そこでようやく第二分隊が到着した。

「全員一気に突破、第二分隊と合流して下がれ!」

 声を張り上げて指示を出す。これは敵にもこちらが引くという合図を知らせる目的があった。

 第二分隊が合流し、迎撃に入ると戦力図はがらりと変わる。

 俺は敵リーダーを抑えながら第一分隊は一気に戦線から離脱するのを見届ける。

 第一分隊はトルファを中心にリムルを守りながら包囲網を突破した。

≪セルシア、リムルを頼む≫

≪承知したよ!≫

 第一分隊はそのまま兵舎の方へ後退していく。

 一先ずこれでリムルは大丈夫だろう。

「モニカ、ここを頼めるか? 出来れば生きて捕らえたいが最悪殲滅でも構わない」

「いいわよ。隊長は第三分隊の方へ行くんでしょ?」

「ああ、後は頼んだぞ」

 こちらが陽動だとすると、本命はノラスティス公爵の恐れがあったからだった。 

 戦線を離脱してノラスティス公爵の館へ向かう。

 何もなければいいのだが……。

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