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俺と女傑と可憐な華と  作者: Kazuya2009
第1部・4.可憐な華は毒を制す
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可憐な華は毒を制す・9

 レイナのところへ合流するメンバーは結局、セシルとパトリシアの二人になった。

 二人とも副分隊長に任せて、俺についてくことを選んだようだ。

 メンバーが決まったところで俺たちはキーマス伯爵領へと急いで向かった。


 キーマス伯爵領、首都ロレンド。

 人口約一万五千人の都市だ。

 城壁が街全体に覆われる城郭都市で、北側での有事の際は拠点としても使われることになっている。

 この街を目視出来た時から、街は火の手が上がり非常に危険な状態であることが分かった。

 火の手はロレンド中央部に位置する。

 おそらくキーマス伯爵家の館なのだろうことが分かる。

 俺たちがたどり着く中は非常に混乱していた。

 キーマス伯爵の私兵が大きな声で住民を避難させている最中だ。

「すまない、聞きたいことがある」

 避難誘導をしている兵士の一人に声を掛けると、勢い良く振り向く。

「なんだ、この忙しい時にっ……!」

 俺を見た瞬間に声の勢いが弱まる。

 きっとスカーレット隊の赤い華を彩った部隊章が目に留まったからだろう。

「ああ。忙しいときにすまない。俺はスカーレット隊、隊長のオルビス・スティングレーだ。実はキーマス伯爵が襲われる危険性があるという事で、王都から急遽駆け付けたのだがどういう状況だ」

 王都から来たのは確かだが、正確には違う。ファルファンド侯爵領からだがそんなことは今、どうでもよかった。

「失礼しました! 現在、正体不明の一団がキーマス伯爵様の館を襲撃しております。住民は街の西側と東側へ避難させているところです!」

 兵の言う通り、住民は誘導に従って避難をしている最中のようだ。

 しかしキーマス伯爵が襲われるだけなら分かるが、避難が必要な程の大規模な攻撃をするとは。

「館の状況は?」

「申し訳ありません!自分では把握できておりません!」

「そうか、分かったありがとう」

 俺はそう言うと避難誘導を続けて欲しいと伝える。

 後ろにいたセシルとパトリシアが不安そうに俺を見ていた。

「セシルの感は当たったな。一先ず館の方へ向かうぞ!」

 二人が頷くの確認すると、館へと急ぐ。

 

 館は付近に着くと街中だと言うのに戦争のような状態だった。

 ガードフィールドが多重で館全体を覆っている。うちの隊員が、やったのかは分からないが良い判断だ。

 怒号が聞こえ、血の匂いが漂い金属がぶつかり合う音があちこちで鳴り響く。

 俺達の目の前にいるのは少なくともキーマス伯爵の私兵では無い。目の前の奴らは間違ってなければ反王国派の兵士なのだろう。

 相手が誰だかは良いとして、目の前にいる奴らを蹴散らさないと館には近づけなのだった。

 俺達が様子をうかがっていると兵士の一人がこちらに気が付く。

「スカーレット隊の隊長がいるぞ! 打ち取って名を挙げろ!」

 気が付くと同時に、これか。

 スカーレット隊の部隊章がある鎧を着ているわけだが、俺が隊長と分かるとなるとだいぶスカーレット隊の隊長に男が選ばれたというのが広がっているようだな。

「隊長、ここは」

「あたしたちに任せて先、行っちゃって」

 セシルとパトリシアが俺の前に立つと敵を阻むのだった。

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