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俺と女傑と可憐な華と  作者: Kazuya2009
第1部・3.華の主と可憐な華たち
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華の主と可憐な華たち・5

「次はリーナ」

「はい。わたしですね。オルビス兄様」

 返事をしたのは落ち着いた雰囲気とおっとりとした口調のリーナ・ティルトーナ。

 エメラルドグリーンのロングヘアーで気品のある顔立ちをしている。

 実はザイルの義妹だ。俺とリムルの関係を知っている人物の一人でもある。

 ザイルを兄様、俺をオルビス兄様と呼ぶのだ。別に兄妹ではないのだが。

「いい加減、兄様はよせと……。まあ、いい。リーナは魔力による身体強化で通常君の体格だと手に余る長剣を上手く扱っている。フェンイトを交えた斬撃、レイナには劣るも高速移動での攪乱、鋭い突きと申し分ない。

 魔法も防御に特化させることである程度無謀な突撃も出来るのは大きい。

 とはいえ、まだ攻撃が粗削りだ。レイナに指導を受けているとは思うが相手を視界に捉えたまま見失うな。見失わなければ今より楽に斬撃、突き、払いの連撃が可能になるはずだ」

「はい、わかりましたわ! さすがオルビス兄様です!」

 目を潤ませながら手を組んでうっとりするのを止めてほしい。

 少し周りの視線が痛いのだ。

「マナとルル」

「はーい」

「あたいらだね!」

 マナ・ジトラシージェとルル・ジトラシージェは双子の魔導士だ。

 ワインレッドのショートヘアはマナ、同じ色のセミロングがルル。

 国立魔導研究所出身で、幼いころに両親が他界。研究中の同調魔法シンクロ・スペルの検体でもある。

 シンクロ・スペルは互いの意識を同調させることで相反する属性の魔法を同時に放つことで通常の魔法より威力を上げる技術だ。

 現時点だと反発する二つの力を利用した暴発にも近い。だが暴発の力をうまく指向性のエネルギーに変えることで的確に攻撃が可能だ。

 俺のガード・シールドも多重展開でないと優に抜いてくるから侮れない。

「二人は同調魔法の行使を意識して行動をとっているのは分かるが、だからこそ周りをもっとよく見て行動するように。他の隊員と違って二人は二人一組での行動必須だからな」

「意識してみるね」

「肝に銘じておくよ!」

 元気な返事だ。

 確かもう十七だったな二人は。その割には態度は少し幼く見えるな。

 まあスカーレット隊にいるからには状況判断等には問題ないのは分かっているのだが。

「イザベラ」

「わたしの評論ね」

 イザベラ・スチュロワンス。

 スチュロワンス伯爵家の次女だと聞いた。

 ライトブラウンのセミロングで髪はストレート。少し色気のある顔立ちとそれを引き立てる長身で細身の体は社交の場でこそ華やかさがある。

「君の槍術はなかなか鋭かった。槍術ならではの間合いの取り方、突き、守りはどれも一級品だな。正直俺が批評するまでもないと思っている。魔法については攻撃のバリエーションを増やすといいだろう。今のままでも十分だが攻撃の幅が広がっても君にはまだ余裕があると思う」

「そうね。ちょっと考えてみるわ。考え付いたら相談に乗ってもらえるかしら?」

「ああ。俺でよければな」

 俺の返事に満足そうに頷いた。

 第二分隊はこの六名で批評は終了である。


 批評が終わって、兵舎へ戻ると執務室でレイナが待っていた。

「お疲れ様です。どうでしたか?」

「良く訓練されているな。レイナの指導が良かったんだろう」

 椅子に座りながら答える。

 しかし本当に良く訓練が施されていると改めて思った。

「そう言って頂けると、わたしも嬉しいですわ」

 レイナがにこやかに答えると、俺はあることを聞く。

「それじゃ報告を聞かせてもらうか」

「はい」

 レイナは俺が分隊とコミュニケーションを取っている間、リムルの所へ遣わし情報を収集しに行ってもらっていた。

 ほぼ毎日行ってもらっていたが、昨日の段階で動きがありそうだと聞いている。

「リムル様より招集がかかりました」

 どうやら波乱が始まりそうな予感がするのであった。

2018/07/07 リリナが二人存在していたため修正。

リリナ・ティルトーナ→リーナ・ティルトーナ

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