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俺と女傑と可憐な華と  作者: Kazuya2009
第1部・3.華の主と可憐な華たち
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華の主と可憐な華たち・1

 スカーレット隊兵舎、士官執務室。

 陛下の執務と比べると少し手狭だが、一部隊の執務室としては十分の広さだった。

 机にはスカーレットのドライフラワーで作られた置物、書類置き、ペン立てとシンプルだ。

 左の壁には前代国王、つまりリムルの父親の肖像画とスカーレット隊の部隊章が飾られている。反対側には棚があり、本と書類があった。

 俺は隊長として一応、迎えられることになった。

 執務室の椅子に座り、目の前で分隊長たちが並ぶ。俺の隣にはレイナとナーシャが立っていた。

「オルビス隊長、彼女らが各分隊長になります」

 レイナが整列した分隊長たちを紹介するように言う。

 部隊の最小単位は小隊。隊員は三十名から四十名程度だ。

 分隊は七名程度で四分隊以上で構成されることが多い。

 今、俺の目の前には七人の分隊長たちがいた。

「さて、自己紹介をして貰おうかな」

 俺から見て一番右の分隊長が一歩前に出る。

「第一分隊長のセルシア・バーダルです!」

 分隊長の中では一番小さいが意思が人一倍強そうに見える。

 小さいのも相まって可愛らしく、容姿も幼く見えた。セミロングだが癖っ毛なのか先が少し跳ねていた。

「君だったな。俺に指揮が取れるのかと問いたのは」

「はい! たとえ誰であってもいきなり受け入れないのが我々スカーレット隊です!」

「その心意気は素晴らしいな。これからもその警戒心で頼む」

「はい!」

 威勢のいい返事と共に下がる。

 好印象だった。スカーレット隊は心身ともに鍛え挙げられた一流の戦士だというのを再認識させられた。

 順番に自己紹介が続いていく。

 第二分隊長、モニカ・フロディニス。

 赤髪のショートヘアでかなり色っぽい雰囲気だった。口調こそ穏やかだが奥底に強さを持っているのが分かる。

 第三分隊長、エルティナ・ガロン。

 金髪のベリーショートで勝気な雰囲気を持っていた。恐らく斬り込み隊長的な存在だろう。

 第四分隊長、リリナ・ストログレンス。

 紫のロングヘアーでスタイル、容姿共に抜群。穏やかな雰囲気と口調で不思議な印象を受けた。

 第五分隊長、クレラ・ウェント。

 銀髪のウェーブの掛かったセミロング。口数は少ないが優しい雰囲気と目をしていた。

 第六分隊長、セシル・ジェニファント。

 緑髪のポニーテルで元気な雰囲気を出していた。分隊長の中でも恐らくムードメーカーだろう。

 第七分隊長、パトリシア・コォート。

 黒髪のツインテールで人懐っこい態度をしていた。とても俺と対峙した中にいたとは思えないが、確かにあの場にいたのだけは覚えている。

 こうして七名全員の自己紹介が終わる。

 これから彼女らが俺の部下となるわけだが、戦闘の時と雰囲気が全く違う。

 目つきも、態度も、身のこなしも。なるほどスカーレット隊が最強という所以だな。

 切り替えが上手いのだ。つまりリラックスしつつも程よい緊張感が持てるわけである。

 精鋭部隊であればある程、求められる自己制御だが彼女らはそれを完全に行えるようになっていると思っていいようだ。

 頼もしい限りだ。

「自己紹介ありがとう。俺のことはさっきのが自己紹介だと思ってほしい。細かいことはこれから君たちと過ごす中で出させてもらう」

「はい!」

 全員から良い返事が返ってきた。

 可憐な華の主。

 これからは本当に彼女らとの信頼関係を作るために胸襟を開いていくとしよう。

 部隊長として、彼女らの戦友として。

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