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俺と女傑と可憐な華と  作者: Kazuya2009
第1部・2.波乱の始まりと華の園
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波乱の始まりと華の園・6

 スカーレット隊の全隊員の前に立つ。

 赤い華を彩った部隊章が入った純白の鎧に腰当で完全武装した戦姫たちから鋭い眼を向けられる。

 敵意。そう言って過言ではないだろう。

 この人が本当に隊長を破ったのか?

 そう言いたげな眼差しだ。

「皆、今日から君たちの隊長になるオルビス・スティングレーだ。いろいろと文句があるのは分かっている」

「あなたにわたし達の指揮が取れるのか!」

 隊員の一人が叫ぶ。

 他の隊員は何も言わずに俺をじっと見据えるだけだ。

 恐らくナーシャに次ぐ三番手の実力者だろう。

 レイナとナーシャは戦技大会の上位者だ。俺でなくても実力は客観的に知ることが出来る。

 だが他の隊員は情報が少ない。

 彼女らだけでなく、俺も彼女らの実力を知る必要はあるんだろう。

「ああ。取れると言い切らせてもらおう。そして、君たちはそれを確かめたくて完全武装をしているのだろう? 訓練場はどこだ? 全員同時に、俺一人で相手させてもらおう」

 俺の発言に若干のざわめきが起きる。

 無理もない。

 実質アルストム王国・王国兵団最強の部隊にたった一人で臨もうというのだ。

 舐めているのではないなら、狂っているくらいにしか思われない。

「レイナ、ナーシャ。君たちはどうする? 君たちも同時に相手するぞ?」

「わたしは遠慮します。何せ、わたしはあなたに負けているのですもの。むしろナーシャは戦ってみたいのでは?」

「あたしはオルビス隊長と戦ってみたいです。その力を見せてください」

 大方予想通りの回答だった。

「分かった。早速、訓練場に案内してくれ」

「分かりました。どうぞ、こちらに」

 ナーシャを先頭に俺と、スカーレット隊は訓練場へと向かう。

 訓練場は兵舎よりも奥にあった。

 部隊章が大きく描かれた訓練場だ。規模も国内最大級だろう。

 村なら二つくらいが入ってしまうくらいはある。

 ここなら大規模な訓練が行えそうだった。

「凄いな。ここの訓練場は」

「ええ。ここでは大規模な魔法戦も出来るようにスペルストーンの粉末を用いた耐魔法防壁を内側の壁に施されてます」

 スペルストーンの粉末は簡易耐魔法攻撃用に精鋭部隊などの防具に使用されることが多い。

 それを防壁に使うとは。

 魔導士隊でも通常訓練では大規模な魔法戦など出来ない。

 やろうと思ったら野外訓練でしか出来ないのだ。それがここでは訓練場で出来るという。

 道理で、スカーレット隊は国内最強といわれるわけだ。

 訓練場の建物に入る。ここには控室が東西南北にあり、俺たちは一番近い控室から訓練場へと出る。

 想像通り広く、障害物なども無かった。

 正確には障害物は用意されているらしい。

「さて、俺はいつでもいいぞ」

 そうナーシャに声を掛けた。

 彼女は完全武装ではないが、十分戦えるだろう。

「あたし達もいつでも」

 ナーシャがそういうと近くの隊員も頷いて見せた。

 周囲を伺うと良い感じで皆、ばらけているのが分かる。

 入った時から戦えるように展開しているようだな。

「なら始めるぞ!」

 俺の声が合図と言わんばかりに彼女たちは動き始めるのであった。 

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