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俺と女傑と可憐な華と  作者: Kazuya2009
第1部・2.波乱の始まりと華の園
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波乱の始まりと華の園・5

 ナーシャ、レイナと共にスカーレット隊の兵舎へと向かう。

 スカーレット隊の兵舎は王宮と隣り合うように立っている。

 基本的にはスカーレット隊の出動となると戦時下か女王陛下が近隣諸国との会議出席する時の護衛などになる。

 平時は普通の兵士同様に訓練をしている。

 ただ基礎訓練等は兵舎の外にあるスカーレット隊以外は入れない訓練場で行い、他部隊との訓練はもっぱら模擬戦がほとんどだ。

 魔導士隊も何度か模擬戦をしたことはあるが、基本は隊長陣が出る幕はない。

 最低で一人、多いときだと部隊で十人くらいの怪我人が出る。もっとも魔法で治療してしまうが。

 王宮を抜けると王宮の入り口の隣にスカーレット隊の兵舎の入り口があった。

 ここから先は俺も入ったことはない。

「まさか、ここを通ることになるとはな」

 ぼそりと呟く。

 実質王国最強の部隊の隊長とは恐れ入るものだ。

「今日からはここがオルビス隊長の職場で、戦場ですよ」

 ナーシャの言葉に短く、ああと答えた。

 植え込みの通路を歩いていくと、微かな甘い香りが漂う。

 更に奥へと進むと赤レンガ作りの兵舎が見えてきた。

 兵舎の前には花壇がありスカーレットが咲き誇っている。甘い香りはここからか。

 凛と咲くスカーレットは可愛らしくも赤々とした色が戦意を意識させスカーレット隊の兵舎にふさわしかった。

「綺麗なものだな。俺には似合わない場所だ」

「オルビスさん、そんなことを言っていると後ろから刺されますので気を付けて下さい」

 レイナは穏やかに言うが意志に強いものを感じる。

 これは戦意なきものへの警告だ。

 とんでもない隊を引き受ける羽目になった。

「心に刻んでおくことにするさ。さて、どうやら手厚い歓迎のようだな」

 兵舎の出入り口を見ると、完全武装したスカーレット隊の兵士が待ち構えていた。

「皆さん、オルビスさんの到着を待っていたようですね」

「レイナ、君が言った力を示す意味が分かったような気がするよ」

 完全武装で新しい隊長を出迎える部隊など初めて聞いた。

 これは恐らく我々と戦えと言いたいのだろう。

 レイナを破ったという実力をその身で確かめないと気が済まないのだろうと思う。

 バトルマニアか、それともクレイジーなのかと言いたくなる。

 リムルが言った最も忠誠心があるとはこういう所にも表れているのだろう。

 盲信でなく命令に従うだけでもない、自らが確かめて本当に国のためになるのかを己で測るのだろう。

「全員相手にしてもいいのか?」

「オルビスさんが、そうしたいのであれば彼女らは歓迎しますわ」

 この隊で俺が隊長として任務をしていくには、目の前にいる約四十人の可憐な華の名を冠した女神たちを納得させるしかない。

 彼女たちに隠し事は失礼に当たるだろう。

 ならば見せるしかない。

 俺の全身全霊というのを。

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