02.目の前に広がる風景
・・・えっ?生きてる?
確かに僕は飛び降りたはず。でも痛みがない。
それどころか、ショック死すらしていない。
マンションの高さは10メートル以上はあるはず。即死していないとおかしい。
おそるおそる目を開けてみると、そこには壮大な草原が広がっていた。
「ここは・・・何処なんだ」
咄嗟に僕は周りを見渡した。
すると、自分が飛び降りたはずのマンションが無くなっていた。
それどころか、見慣れたはずの交差点や、すっかり常連となった近所のコンビニすら、すべて草原となっている。
数分くらい、呆然と立ち尽くしていた。
しかし、「どこに何があるのか分からないけど、行くしかない」と思い、僕はまっすぐ歩きだした。
いつの間にか数十キロくらい歩いていたようだ。
しかし、僕の体は疲れを全く見せない。
何も食べず、何も飲んでないのに。
というか、体が食べ物や水分を欲しがらないみたいだ。
「実に不思議だ」と思いながら、僕は夜中の草原をずっと歩いていく。
数日が経過した。
相変わらず景色は変わらない。
いい加減飽きてくる。
ふと、気づいた。
この世界に来てから、僕以外の人間・・・いや、生物を見たことがないことに。
ひょっとするとこの世界には僕以外の生物がいないのでは?
待て待て、考えすぎだ。
深呼吸をして、再び歩き始めた。
さすがに歩くのに飽きたのか、地面に寝転がっていた。
「いつまで草原が続くんだよ・・・」
僕はそうつぶやき、暇なので空を見上げた。
「そもそもここって、地球なのか?…さぁ、わからない」
自問自答してもつまらない。虚しくなるだけだ。本当にここはどこなのか、僕には分からない。
・・・飛び降りる前に、一度でも誰かと話しておくべきだったなぁ。
家族からも裏切られ、マンションで独り暮らしをしていたことを思い出す。
実際、不登校になってからコンビニの店員としか会話してなかったな・・・
飛び降りた当日はコンビニに行ってなかったから、誰とも話さなかった。
「会話って、大切なんだな。」
当たり前なことだが、それを今まで知らなかったことを後悔した。
後半が少しグダグダでした・・・
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