10.世界の中の世界
亀裂はだんだんと大きくなっていく。
ふと覗くと、真っ暗で底が見えない。
それでもまだ、僕ら人間が入れる隙間ではない。
前に進むしかないんだ。
エルナ「怖い」
確かに僕も怖い。でも亀裂があるということは、何かあるかもしれない。
結希「怖いのは仕方ない。でも、とにかく進もう」
すると、急に巨大な渓谷が現れた。
グランドキャニオンを思い出すような、それほど広い隙間。
エルナ「まさか、ここを飛び降りようって・・・」
出来るわけがない。
この世界では死なないことは分かってる、でも飛び降りるのには抵抗がある。
なんでマンションから飛び降りれたんだろう。
結希「・・・」
エルナ「何か言ってよ、このヘタレ」
結希「さ、最初に怖いと言い出したのは誰・・・え?」
エルナは僕をぎゅっと抱擁した。
エルナ「ボクは、結希と二人なら怖くない。何でもできる気がする」
はぁ?今までさんざん僕を貶していたのに、今更それか?
明らかにエルナは矛盾している。
まるで、いくつもの人格があるように。
----いつの間にか、僕らは渓谷へと落ちていた。
加速していくスピード、増していく風の音。
そして次の瞬間、気を失った。
??「起きろ!起きなさい!」
年季の入った男の声で、僕は目が覚めた。
目を開けると、まぶしい光が寝起きの目を焦がしていて辺りはよく見えない。
エルナが僕を抱きしめながら眠っているのは分かる。
??「お前らは誰だ!答えなさい!」
結希「麻倉結希です。あなたこそどなたですか?」
??「ああ、ごめんなさい。私はリチャード・ビッグベル。この村の村長だ」
結希「村・・・」
ようやく辺りの状況が分かってきた。
周りは人で溢れかえっており、なかなか騒がしい。
家や建物もなかなか多い。
エルナ「・・・は!?ここはどこなの!」
村長「ようやくお目覚めですか。ところであなたは・・・」
明らかに対応が違う。男を何だと思っているんだ。
エルナ「駒崎恵月。恵む月と書いてエルナ」
村長「月・・・ですか」
結希「月がどうかしたのですか?」
村長「いや、なんでもない。とにかく、ここじゃアレだから私の家で話を聞こうじゃないか」
エルナ「知らない奴に名前を教えるのはまだしも、知らない奴の家に連れ込まれるのは絶対に嫌だ」
結希「エルナ、この方はこの村の村長だよ」
エルナ「いや、見るからに変態じゃん」
村長「勝手にそう言わないでくださいよ・・・」
結希「とにかく、村長の言うとおりにした方がいいよ」
エルナ「うーん、しょうがないなぁ。今回だけだよ?」
結希「だからこの方は村長だって。偉そうにするな」
つくづく嫌になる今日この頃。
本当に久しぶりの投稿になりました。
完全に黒歴史だったんですが、なぜかまた更新しました。
まあ見てください。完全に駄作ですが。