表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/35

扉は急に開かれる


 深夜が珈琲の準備を始めると、すぐに芳ばしい香りが部屋一杯に充満する。

「僕の淹れた超絶美味しい珈琲を飲めるなんてコーヒーは僕のマブダチで良かったねえ。平伏してくれてもいいんだよ?」

「ああ、そうだな」

 珈琲が出来上がり、それをコーヒーの前に出しながら深夜はそんな軽口を叩く。コーヒーも慣れているのか適当な相槌を返しながら珈琲を啜る。深夜もコーヒーの横に座り、自分用に淹れたカフェオレを飲み始める。

「ああ! やっぱり美味しい! 美しい上に珈琲を淹れるのが上手って、僕は素晴らしいね! 素晴らしすぎて罪深いよ!」

「深夜」

 コーヒーの眉間にシワが刻まれる。だが、深夜はそんなコーヒーの様子に気付く気配がない。気付いていても彼は自分のスタンスを崩さないだろうが。

「僕は罪! つまりGuiltyな僕! 惚れてくれてもいいよ? ホモは無理だ・け・ど」

 吐息が触れるくらい近い距離でそう言った深夜にコーヒーは無言で胸倉を掴む。

「なあ深夜。俺は静かに珈琲を飲みたい派だって知ってるよなあ?」

 コーヒーは至近距離で深夜を睨む、俗に言うメンチ切りと言う奴で凄む。

「なにそれ? 知ってるけど?」

「あ゛あん?」

 コーヒーの顔が更に深夜に近付く。

「僕が美しいのは分かるけど、そんな近付いていいの? 誰かに見られちゃうよ〜?」

「あ? んな事そうあるわけ……」

 コーヒーの言葉は教室の扉がガラリと開けられた音で遮られる。

「…………」

 コーヒーが恐る恐る顔を入り口の方へ向ける。そこにはミルクが立ち尽くしていた。

「あ…………」

 彼がミルクに声をかけるより早く、彼女は開けた扉をピシャリと閉める。コーヒーと深夜だけが残された教室になんとも言えない空気が漂う。

「ドンマイ☆」

 深夜がコーヒーの肩を軽く叩いた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ