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そのスマイルに騙されましょう。
魔法のiランドでもumekumaとして連載中。
「・・・くっ。」
「な、何笑ってるんですか?」
こいつの笑顔に、正直いい思い出は爪の先ほどもない。だけど、携帯の画面に向かって優しく笑う綺麗な顔ってちょっとどきってしてしまうのって仕方ないですよね。
「ほら、見てみなよ。」
珍しくも素直に”理由”を教えてくれるなんて、今日は心臓がドキドキしたりとぎまぎしたり『忙しいぜ、ふー。』と一息つくのを頭の片隅に、差し出された携帯の画面をのぞいてみた。
「この無様な転び方は、八重にしかできないな。」
そこに移るのは、可愛い猫ちゃん(この際犬でも、ライオンでもマンモスでも何でも良かった)などではなく地面に頭突きをかますチャレンジャーな私。
「何で保存してんですかっ!消去、今すぐ消去!!!」
伸ばした手をひらいと華麗にかわされて、追った先で眩しいくらいにっこりと笑われた。
(ああ、完全に遊ばれてる。)
負けた、の一言に尽きる過去に未来に今日この頃。
はじめましての方もお久しぶりな方も、こんにちは。
今回は『ハローヒーロー。』をお読み下さり、ありがとうございます。