迷いのち晴れ
第一話 勘違い
好きです。付き合ってください。
そう言われた時すごく胸が高鳴り全然知らない見たことも無い男の子にドキドキした。
いや、してしまった。
その時は、すごく嬉しくて・・・。
でも、こうゆう時って女子高校生は色々考えて考えて付き合うのだろうか。
なんて、思って友達の広海に相談してみた。
相談と言っても半分ほど自慢とノロケでしかなかった。
広海と話していた事と言えば今思えば背伸びをしたい小学生のような会話だった。
けどただ告白された事が嬉しくて次の日になったら何を話していたかなんて忘れていた。
私は、付き合う気まんまんだったけどもったいぶって「ちょっと考えるね」なんて言っていた。
その一週間後ぐらいにオッケーと言い付き合い始めた。
それが、私の初めての彼氏で名前は佐藤歩君だった。
歩君はとても優しくて、私の事をいつも考えてくれていた。
でも、どうしてだろうか。
付き合い出して二週間もすると、告白された頃のようなドキドキはなくなっていた。
歩君も、最初のうちは私の目も見れなくて私もそれを見てるとすごくドキドキした。
ドキドキしていたはずなのに。
ときめきも、感動も進展も無いし、しようともしない私達に何の定義でもって恋だと言えるのだろうか。
でも、一週間もすると私が傍に居るのが当たり前になり私も歩君を見ていてもドキドキすら好きかどうかも分からなくなっていた。
私は、歩君の事を本気で好きだったのだろうか。
という気持ちがその日のお風呂に入っていると溢れ出してきた。
私は、何のために歩君と付き合っていたのだろうか。
これは、本当に恋だったのだろうか。
いや、きっと違ったのだろう。
恋をすると言う事に私はただ憧れていて、それを味わいたかっただけなんだと。
その日の夜髪の毛を乾かしている時にふっと思った。
気づけば私は歩君の為に何かを考えて結論を出す事も無かった。
私は、最初から歩君の気持ちに答えてはいなかったのだ。
そう思うと一気に歩君がどーでもいい存在に感じた。