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Sランクパーティから追放された回復支援職、俺がいなくなった途端に全員死にかけてるんだが? ~追放ざまぁから始まる、戦わない最強支援職の物語~  作者: 山奥たける


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第58話 役割

 部屋の中央に広げられた地図。


 川。


 街。


 港。


 感染点。


 すべてが一枚の紙の上に重なっている。


 俺は炭筆を取った。


 最初に引いたのは――円。


 感染地域。


「第一段階」


 静かに言う。


「発熱だけの段階」


 円の中に小さく印を付ける。


「ここは連盟が担当する」


 ミナトが頷く。


 補水。


 冷却。


 隔離。


 基準で対処できる範囲。


「現場判断を最優先」


 次に、別の線を引く。


 川沿い。


 水系。


「第二段階」


 ノアが口を開く。


「水経由の変異」


 俺は頷く。


「ここは国家」


 アルヴェインが腕を組む。


「理由は」


「封鎖」


 簡潔に言う。


「物流」


「補給」


「浄水」


 それは国家にしかできない。


 最後に、印を付ける。


 重症地域。


「ここは神殿」


 セラフィナが静かに頷いた。


「奇跡の集中投入」


 光は広くではなく。


 **必要な場所に集中する。**


 部屋は静まり返っていた。


 誰も否定しない。


 だが。


 誰も完全には理解していない。


 ミナトが言う。


「つまり」


「最初は連盟」


 ノアが言う。


「拡大したら国家」


 セラフィナが続ける。


「重症だけ奇跡」


 俺は頷いた。


「切り替え地点を決める」


 炭筆で線を引く。


 地図の上に三つの層。


 分散。


 統制。


 奇跡。


 アルヴェインが息を吐く。


「……役割分担か」


「違う」


 俺は首を振る。


「役割設計だ」


 沈黙。


 この違いは大きい。


 分担は並ぶ。


 設計は動く。


 状況で切り替わる。


 ノアが初めて笑った。


「合理的だ」


 アルヴェインがゆっくり頷く。


「国家は水源封鎖と補給に集中する」


 セラフィナも言う。


「神殿は重症地域へ神官を再配置します」


 ミナトが拳を握る。


「連盟は初期対応を全部引き受ける」


 三つの力。


 それぞれが動く。


 初めて。


 同じ設計で。


 アルヴェインが俺を見る。


「これは」


 一拍。


「制度になる」


 俺は静かに言う。


「まだ違う」


「何が」


「これは」


 地図を指す。


「**現場から生まれた構造だ**」


 制度ではない。


 現場の知恵。


 アルヴェインは少し笑った。


「だが、いつか制度になる」


 否定しない。


 それでも。


 今はまだ違う。


 セラフィナが静かに言う。


「では始めましょう」


 命令ではない。


 宣言でもない。


 ただ。


 動く。


 三つの力が同時に。


 夜明け。


 港町の空に光が差し始める。


 兵士が水源を封鎖する。


 連盟の支援者が街を回る。


 神官が重症者の元へ走る。


 世界はまだ混乱している。


 だが。


 初めて。


 同じ構造で動き始めた。


 ミナトが小さく言う。


「……これが」


 俺は答える。


「次の世界だ」


 救いは。


 一人の奇跡でも。


 一つの制度でもない。


 **構造になる。**

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