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Sランクパーティから追放された回復支援職、俺がいなくなった途端に全員死にかけてるんだが? ~追放ざまぁから始まる、戦わない最強支援職の物語~  作者: 山奥たける


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第49話 連盟の胎動

 支援者連盟――


 名前だけが、先に広まった。


 実体は、まだ何もない。


 建物も、旗も、権威も。


 あるのは、思想だけだ。


「で、誰が決めるんですか?」


 最初の会合で、当然の問いが出る。


 集まったのは十数名。


 若手神官、冒険者、地方責任者。


 そして、国家監査官が一名。


 神殿からも観察者がいる。


「代表は三名」


 俺は言う。


「任期制。交代制」


「あなたは?」


「代表にはならない」


 ざわめき。


「なぜです」


 ミナトが真っ直ぐ聞く。


「象徴は必要です」


「象徴は、歪む」


 即答する。


「一人に戻す気はない」


 アルヴェインの言葉がよぎる。


 唯一の思想。


 それを避ける。


「でも」


 別の神官が言う。


「あなたがいないと、まとまらない」


 その空気が、危険だ。


「まとまらないなら、それまでだ」


 冷たく聞こえる。


 だが、事実だ。


 分散は、強制できない。


 ――


 準備は、想像以上に難航した。


 規約作成。


 責任範囲の明確化。


 監査との線引き。


 神殿との協力項目。


「ここを曖昧にすると、暴走します」


 監査官が指摘する。


「縛りすぎると、意味がない」


 ミナトが反論する。


 意見がぶつかる。


 声が荒くなる。


 俺は、あえて口を挟まない。


 時間がかかる。


 苛立ちが溜まる。


 だが。


 決めるのは、彼らだ。


 夜、リーナが言う。


「本当に手出さないんだね」


「出したくなる」


 正直に答える。


「でも、出せば早い」


「早い方がよくない?」


「続かない」


 短い沈黙。


 翌日、最初の投票が行われた。


 代表三名。


 ミナトが一票差で落ちる。


 彼は、悔しそうに笑った。


「まだ、足りませんね」


「足りなくていい」


 俺は言う。


「成長は、時間がいる」


 連盟は、まだ未熟だ。


 だが。


 国家は動きを止めている。


 神殿も、静観している。


 試されている。


 第三の形が、本当に回るのか。


 その夜。


 アルヴェインが言う。


「あなたが介入すれば、

 明日には整います」


「ええ」


「しない?」


「しない」


 彼は、わずかに笑った。


「やはり、面倒だ」


 だが、その目は。


 少しだけ、信じている。


 連盟は、まだ不安定だ。


 だが。


 象徴ではなく、構造へ。


 分散は、ようやく形を持ち始めた。


 痛みを伴いながら。


 ゆっくりと。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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