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第11話:外交官グレン、英雄団との最初の接触。万能チートと情報の優位性

英雄団の警戒と、森の異変

最強都市『アルティマ』が完成し、七体の最強の仲間たちがそれぞれの役割に就いた頃。


レベル7(人間最強)の英雄団、『白銀の誓い(シルバー・ヴァウ)』が、嘆きの森の調査に訪れていた。団長は、若くしてその名を轟かせる剣聖ライオス。彼を筆頭に、**レベル6(A級)**の上位冒険者たちで構成された精鋭部隊だ。


「団長、この森は異常です。魔力が、まるで新生児の胎内のように満ちている……。瘴気は完全に消滅し、逆に生命力が溢れています」


魔法使いの団員が、魔力探知の結果を報告する。嘆きの森は、守護竜ガイアと精霊王イリスの力で、**『永遠の春の法則』**に支配されていた。


ライオスは、異常な森の奥を見つめ、静かに剣の柄に手を置いた。


「警戒を怠るな。この法則の上書きは、神話級の魔術師、あるいは古代の竜王に匹敵する存在でなければ不可能だ。我々の知る世界の常識が、この森で通用しなくなっている」


英雄団は、森の奥深くに進むにつれて、魔物の気配が一切ないことに気づく。それは、フェンリルとアズールの圧倒的な威圧感、そしてガイアの生命の法則による**『不必要な生命活動の停止』**によるものだった。


その時、団員の感知魔法が、森の境界線に現れた一人の人間を捉えた。


「団長!人間です。警戒レベルはゼロ。魔力も感じません。ただの旅人のようです」


外交官グレン、登場

ライオスたちが警戒する中、現れたのは、元盗賊団のリーダー、グレンだった。しかし、彼の風貌は、以前の凶暴なゴロツキの面影を一切残していない。


彼の全身からは、【無限創造】で付与された『絶対的な知性と信頼感、そして王者の風格の概念』が溢れ出ている。高貴な絹の衣装に身を包み、その歩みは一国の外交官そのものだった。


「お初にお目にかかります、白銀の誓いの皆様。私は、この地域の**『調停者』から、皆様への使者**として参りました。名は、グレンと申します」


ライオスは、その圧倒的な風格に、思わず剣を収める。レベル7の彼が持つ**『危機察知』スキルが、グレンに対して「一切の敵意なし」**と警告しているのだ。


「調停者、だと? 何を企む者か知らんが、ここは王国領だ。貴様は何者で、この森の異変に関わっているのか」


グレンは静かに微笑んだ。その笑顔は、レベル10の知恵によって**『相手の警戒心を最適に解除する法則』**に基づいて計算されていた。


「単刀直入に申し上げます。この森の法則は、我々の**『調停者』によって、『永遠の生命と調和の法則』へと書き換えられました。そして、私は、その調停者**の意思を伝えるために参りました」


万能チート:情報の優位性による圧倒

ライオスは、グレンの**「法則の書き換え」という言葉を、ただの大言壮語**だと一蹴しようとした。


「戯言を。この世界の法則を書き換えられるなど、神々しかなし得ない」


グレンは、その言葉を待っていたかのように、静かに言い放った。


「では、剣聖ライオス様。貴方が、一ヶ月前の夜会で、国王陛下に**『王国の騎士団の腐敗』について秘密裏に上申した**件について、どうお考えでしょうか」


――ッ!?


ライオスは、その場で体が硬直した。それは、彼と国王以外、誰も知るはずのない極秘の情報だ。


「貴様……なぜそのことを!?」


グレンは、一切動揺しない。


「我々の**『情報網』は、この世界の影の全てを支配しています。貴方が国王に上申した際、シャドウは陛下の執務室の影に潜んでいました。貴方の秘めたる決意も、陛下の私的な悩みも、全て我々の調停者**は把握しています」


これは、**シャドウ(No.2)の【絶対影化】と【情報収集の概念】**による、レベル10の情報の優位性だ。


「貴方の白銀の誓いが、三日前の討伐で、回復薬が不足し、レベル4の団員が重傷を負ったことも知っています。その団員の名は、エリック。彼の左足の傷は、普通の薬では治りません」


グレンは、完全に英雄団の全てを裸にした。


最強の生産力によるデモンストレーション

ライオスは、情報の暴力に打ちのめされながらも、なんとか冷静さを保とうとする。


「仮に貴様が情報を握っているとしても、それが調停者とやらが、この世界の脅威ではない証明にはならない!」


グレンは、懐から一つの瓶を取り出した。それは、ルナが**【無限創造】で創った究極回復ポーションだ。そのポーションは、まるで生命の輝き**を凝縮したかのように、金色に光っていた。


「脅威ではない証明です。これは、我々の調停者が、貴方の団員エリックのために創らせた**『万能治癒の概念を宿したポーション』**です」


グレンは、ポーションをライオスの手に渡した。


ライオスは、慎重にポーションを調べた。薬学の知識を持つ団員が鑑定する。


「団長……これは、ありえません。生命力が、純粋な魔力として凝縮されている。市場の最高級ポーションの千倍の効力があります!しかも、古傷や病すら治癒する**『法則』**が、薬液に組み込まれています」


グレンは、静かにポーションの効果を説明した。


「我々の調停者は、ルナという万能の錬金術師を従えています。彼女が創るポーションは、この世界の法則では不可能です。レベル10の**『無限の生産力』**は、世界中の全ての病を瞬時に治癒できる力を持ちます」


グレンは、戦闘力ではなく、生産力と知識という**「戦闘以外の万能チート」**で、英雄団を圧倒した。


外交の勝利:絶対的な信頼の概念

ライオスは、情報と現物のデモンストレーションにより、グレンの背後にいる**『調停者』**が、自分たちの世界の常識を遥かに超えた存在であることを理解した。


「貴方の調停者は、何を望んでいる? 王国の支配か? それとも、世界の征服か?」


グレンは、レベル10の外交概念を発動させた。彼の声には、『絶対に真実であり、善意である』という法則的な強制力が宿る。


「我々の調停者が望むのは、ただ一つ。**『平穏なチート生活』**です」


グレンは、言葉の核心を語った。


「そのために、我々の最強都市『アルティマ』は、外部からの干渉を一切望みません。しかし、平和的な交流は歓迎します。貴方たち白銀の誓いには、**王国と我々の間の『橋渡し役』**を担っていただきたい」


そして、グレンはライオスの魂に、【無限創造】で付与された『絶対的な安心感と、調停者への信頼の概念』を直接インストールした。


ライオスは、全身から力が抜け、静かに頷いた。


「わかった。グレン殿。貴方の調停者が、我々を救う力を持っていることは理解した。私は、王国の代表者として、貴方の申し出を受け入れよう。このポーションの力は、王国にとっての希望となる」


アレスの勝利と、次の布石

俺は、秘密の要塞の情報中枢で、この外交の全てを把握していた。


「完璧だ、グレン。戦闘力ではなく、情報の優位性と生産力で、レベル7の英雄を服従させた」


俺の万能チートは、世界のルールを、**『俺の平穏な生活』**のために書き換えていく。


この外交の成功により、**都市『アルティマ』は、『最強の力の保有者だが、無害で、かつ王国の味方である』**という認知を、最高機密として王宮に送り込むことに成功した。


しかし、光が強くなれば、影もまた濃くなる。


シャドウの情報網が、新たな危機を報じてきた。


「アレス様。教会勢力が、**『嘆きの森の生命力活性化』を、『世界崩壊の予兆』**と断定。対抗勢力を派遣する準備を進めています」


教会勢力。それは、以前闇の宝珠を盗賊団に運ばせていた勢力であり、俺の**『法則の上書き』を神への冒涜**と見なすだろう。そして、彼らが派遣するのは、人間最強の部隊だけではない。


精霊王イリスが、不安な声を上げた。


「アレス様。教会の奥には、『天上界の住人』と契約した者がいます。彼らは『法則を強制する力』を持っており、恐らく、貴方の次の仲間と敵対するでしょう」


「天上界の住人……天使か」


俺は笑った。レベル9の最強の仲間が、次の敵として現れる。


「よし。次は、天使の力を奪い、最強の仲間に加える。レベル9の蒼穹の竜王が加入した今、俺の目標は**『神話級』**だ」


俺は、七体の最強の仲間を率い、**最強都市『アルティマ』**の支配者として、神話級の敵を迎え撃つ準備を始めた。

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