第16話 ボツ案
ある日の帰り際
(´・ω・`) .。oO(どうしても納得できないことがあるんだよな……)
それとなく宮崎さんに聞いてみよう
(´・ω・`)「宮崎さんこのシーンについてなんですけど……」
彡(゜)(゜)「ん?逃げ回るパズーとシータを追いかけるドーラ一家のシーンやん」
(´・ω・`)「そうです、その追走劇の場面で突然オートモービルが出てきますよね?」
(´・ω・`)「意表を突きすぎてませんか?」
彡(゜)(゜)「ヒロカツくんはなんでそう思ったんや?」
(´・ω・`)「だって、ドーラ一家は空賊なので……」
(´・ω・`)「重たい鉄の塊のオートモービルを持ってるのはおかしいですし」
(´・ω・`)「現地調達をしたにしても……」
(´・ω・`)「貧しい炭鉱街で手に入るのは不自然です」
彡(゜)(゜)「……せや」
彡(゜)(゜)「本当だったら、移動手段を現地調達するのが正しいんや」
彡(゜)(゜)「ちょっと待っとれ」
彡(゜)(゜)ガサガサガサ
彡(゜)(゜)つ「ほらこれ、これを見てみい」
(´・ω・`) .。oO
話題になっているシーンによく似たラフコンテのようだ
ラフコンテにはドーラ一家が乗る2頭立ての馬車が炭鉱街の駅に突っ込んで行き
爆弾を使って貨物列車を奪取
その奪った貨物列車でパズーとシータを追走していた
(´・ω・`) .。oO
やっぱり宮崎さんも
最初は現地調達した乗り物でパズーたちを追走する構想だったんだ
(´・ω・`) .。oO(でも、宮崎さんはこの案をボツにした)
その理由はこのラフコンテを見たら分かる
まず、馬車から列車に乗り換えって追走となると芝居がもたついてしまう
(´・ω・`) .。oO(じゃあ列車に乗り換えずに馬車のまま追走となると……)
それはそれで困ったことになる
追走劇の主役は
猛スピードの中、振り落とされないように必死になっているキャラクターだ
でも、馬車だと激しく動く馬の方が目立ってしまう
(´・ω・`) .。oO(それになにより馬車が疾走するシーンなんて……)
想像しただけでとんでもなく面倒な作画作業になる
タイトなスケジュールなのにそんなシーンがあったらなんて考えると……
ゾッとする……
(´・ω・`) .。oO(だから宮崎さんは……)
どうやって調達したかの謎は残るけど
馬車をオートモービルに変えてスピーディな展開にした
アニメーターな宮崎さんらしい判断だ
(´・ω・`) .。oO(なるほど、納得)
読み終わって顔を上げる
すると、宮崎さんはじっとボクを見ていた
彡(^)(^)
そしてニコッとした
まるで、「これで変更した意味が分かったか?」と言っているようだ
でも宮崎さんはなにも説明することなくスタジオを出て行った




