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護衛役は女の子っ!

護衛役は女の子っ!番外編SS 【正月編】

作者: 春日陽一

それはアージスの一言がきっかけだった。


「今から“正月”をしようと思う」


一休みの休憩時間。

ジルとハルとラウルの格好をしたアンジェ、マリアの四人は、マリアが作ってくれたお菓子と、ハルが入れてくれた香りのいい紅茶で午後のお茶会アフタヌーンティーをジルとハルの部屋で楽しんでいた。

その最中。

ラドアスに呼ばれて王の書斎を離れていたアージスが、どういうわけかジルとハルの部屋へとやってきた。

そして、ノックなしにドアを開け放ったのち、冒頭の言葉を言ってきたのだ。



「・・・・・・“ショーガツ”?」

いきなりのことであっけに取られていた一同の沈黙を破ったのはジルだった。

彼は、聞いたことのない言葉に?を浮かべている。

その口に出た疑問を答えるものは、先ほどまでお茶をしていた者の中にはいなかった。

だって、“ショーガツ”というものを知らなかったから。


ジルの疑問に唯一答えることが出来たのは、言った本人、アージスだけであった。


「“正月”というのは、そうだな・・・・・・とにかく祝うことみたいで、俺が去年辺りに東の国を訪問した時、“正月”で歓迎された」


「ふーん」

アージスに答えてもらったのに対して、ジルはそれだけしか返事をしなかった。

なぜなら、アージスの質問が余りにも抽象的すぎて、よく解らなかったからだ。

そこで、アンジェはもっと具体性をつけるために、元気よく率直な質問をした。

「はい、はーい、アージス。

それって、一体、何をすることなの?」


しかし、その簡単な質問にアージスは少したじろいだ。


「そ、それはだなぁ・・・・・・えーと・・・・・・」


そんなアージスの様子を見て、解ったものが二人。

「あぁ、多分、アージス。

君、その“ショーガツ”というものをよく知らないでしょ」

「王様。

実は、ラドアス様からのお仕事か何かから逃げだすために、ここに来ましたようですね」

そう冷静に言った、ハルとマリア。

それは図星だったようだ。

アージスは見事に二人の言葉を無視した。

そして、“正月”について話しはじめた。


「思い出した!

今、思い出したぞ。

確か美味な料理、たとえば、黒い実(?)や、モチモチな白い物体(?)などが箱に詰められていて、それを皆で棒で突っついた」


「「「「!!!!????」」」」


「次に“タコ”というものを空に飛ばしたりしたなぁ。

まぁ、何より楽しかったことにかわりはない。

どうだ、これでイメージ出来たであろう?」


((((イヤイヤ、全然)))))


何故か誇らしげに言ったアージス。

そんなアージス以外の皆の心は一つになりました。

しかし、その後の各々の反応は様々で、アンジェとジルは興味津津な様子でアージスに、

「それで、それで!!」

「他にはどんなのがあったか話せよっ!!」

と続きをねだっており、マリアは、

「はぁー、もうそろそろ休憩時間終わりそうだわ・・・・・・」

と、黙々とカップや皿を片付け始め、


パタン。(ドアが閉まる音)


ハルは無言で、ラドアスを呼びに行きました。


そして、案の定、額に怒りマークを付けたラドアスに連れてゆかれたアージス。

マリアはそんな王の姿を見て、少し、「こんな王でいいのか」とため息をつきましたが、ハルはいつものことと割り切り、ジルとアンジェは「後で、“ショーガツ”の続き話してねー!!」と約束を取り付けておりました。






おまけ。

あの後、アージスの話し通りを、少し実行してみたジルとアンジェとアージスの三人。


【モチモチの物体】

それっぽいものを作ってみようとしたら、何だか普通のパンが出来あがってしまいました。


【空飛ぶ“タコ”】

生きているタコをひとまず用意。

・・・・・・用意してみたはいいものの、皮を剥ぐという行為はさすがに、ジルやアージスでも躊躇い、しかも、アンジェが泣いてタコを庇ったため、断念。

しかたがないので、とりあえずタコを飼うことにしました、ジルとハルの部屋で。

「・・・・・・って、何で俺達の部屋っ!?」

「だ、だってねぇ、アージス?」

「そ、そうだ。

このままじゃ、このタコが可哀そうだろう?

俺はこの国にある限り、どんな生命でも無駄にはできない」

「いやいやいや、何格好つけたこと言ってんだ。

別に俺はかまわねぇが、こんな生臭い生き物飼うのハルにバレたら知らねぇーぞ!!」


(あっ、別にジルはいいんだ)


まぁ、とにかくジルに押しつけてみました。


その晩。

やけに生臭くなった部屋から、ジルの悲鳴が時々、聞こえましたとさ。




おしまい。







あけまして、おめでとうございますっ!!春日まりもです。

えー、今回、正月を題材にした番外編を書かせて頂きました(一月一日にブログにて公開済み)。


もー、なんてゆうかグダグダです、はい。


急いで書いたせいもあると思うんですが(そこらへんの理由はブログにて記載)、まともに日本の正月というものを実感したことのない(おせち食べたり、こま回したり‥)やつが書いたので、うん、ホントぐだぐだ(それ以外に言えないです)。


まぁ、これからも「護衛役は女の子っ!」をよろしくお願いしますっ!!!!



ありがとうございました。



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