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まきもまさきもまみむめも!  作者: 森嶋直斗
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まきも まさきも まみむめも④ 動き出したマキの企画。魚を10t買いたいと言い出した。どうやら狙いはそこじゃないらしい・・

真樹の仕事も順調で漁に出れば豊漁が続いている。給料も歩合制になり跳ね上がった。マキも真樹のやる気に刺激されて動きだした。いきなり輝に魚10トン全部買うと切り出した。夢物語と相手にしないマキに本当の狙いをぶつける。仲が良さそうだが、マキのやることは、結構えげつない。それでもみんなが笑って許す。マキが一波乱起こしそうだ。

マキが、網元の輝が仕切っている魚を全部買うと言い出した。

冗談なのか毎日10トンの魚をどうするつもりなのか・・・


マキ;はい、どうぞ、ビール!

真樹:先に、始めるよ!乾杯!

マキと輝は、先に飲み始めた。真樹は、輝に貰ったスイカをクワガタに上げていて

居間に戻って来ない。

輝:輝のやつ、変なものに凝っちまったな。

マキ:お金かからないし、豊橋がよいの夫より良いでっすよ。

輝:また、嫌み言うな、付き合いもあるのよ。ほれ、ビール飲め!

マキ:頂きます。話というのは・・・


実は、今日は、マキが網元の輝さんを話があると呼んでいた。


マキ:魚を売らせてほしいんです。

輝:そんなもん、いくらでも持ってくるよ。

マキ:そうじゃなくて、輝さんの魚を全部!輝さんが仕切ってる魚、10t全部!

輝:全部って、何トンもどうするの?

マキ:ネット経由で売るんです。

輝:そんなの夢物語じゃ、食べる分はぁいくらでもやるって・・飲め!

マキ:ぐびぐび、ぷふぁー、本気なんですけど!ホレ!飲め!

輝:ぐび、ほー、いくら売れても漁協通し無しは、無理だ。

  イオングループが、まえに話に来たけど、断った。グビグビ・・

マキ:難しいのは、分かっているの。全部が無理なら、Makkyの釣り船と茂丸で、

   取った魚は、見逃して欲しい!

輝:Makkyの釣り船は、良いけど、茂丸は、赤羽港の船だから赤羽漁協通さないと

  もめるからな。

マキ:だったら、茂丸、伊良湖に回す!

輝:えーっ・・困ったこと言い出したな・・


Makkyの釣り船の人気は、この周辺の漁協にも知れ渡り、伊良湖漁協はいきなり

Makkyの釣り船が出向する港として、観光客が激増して、まわりのホテルや旅館

も泊り客が増えた。

亡き父、茂雄の遺産である茂丸の所有権は、マキにあるので茂丸も伊良湖港に

停めて欲しいと、伊良湖漁協も話を持ってきている。当然、そんな話は赤羽漁協

にも、輝にも入っているので、輝は少し困惑している。


輝:また、とんでもない事、言いだしたな。いや、伊良湖が、欲しいって、言って

  るのは聞いてるど・・・

  赤羽港から出されては・・俺のメンツも丸つぶれだ・・まいったな。・・

マキ:それじゃあ、釣った魚だけの条件で、茂丸の魚をMakkyの釣り船が買う。

   これなら良いでしょ。今まで通り、赤羽船団で真樹も働いて、茂丸も今まで

   通り。茂丸で取った魚も今まで通りで、船団が出ないときに、茂丸で釣った

   魚は、Makkyの釣り船で、買う。

輝:めんどくせいけど、それなら今までと変わらないし、釣った魚なんて、数が

  知れてるから問題にもならん。今でも、ダイシンなんかにおじい連中は売って

  るから良いよ。

マキ:よし!むか!朝日、飛乃流、壱乃醸! ほっほ・ほっほのいちのじょう!

   ぐびぐびぐび・・ぷふぁー

輝:しかし、そんなに一人でさばけるのか!

マキ:ひとりじゃ無理、無理・・ぐびびぐびび・・釣り人が、勝手に買っていくの

   伊良湖の町のおばちゃんたちも参加してもらう。パイナップルの代わりに、

   釣魚を売るの。・・・ぐびぐびぐびぐび・・・ぷふぁー、、


マキは、翌日伊良湖の市場に話に行った。

マキ:私が釣った魚や他の漁師が釣った魚を一般の人に売りたんだけど・・

担当:問題ないよ、場所どうするの?

マキ:名鉄フェリーの桟橋使ってないからあそこ使いたいんだけど。

担当:組合に話してみるは、良いと思うよ。


数日後、使用の許可が下りてマキに連絡が来た。桟橋の利用料も当然発生する。

何を作るつもりなんだろう。マキは、小久保技建の大工、小久保熊に相談に来た。

マキ:熊さん、港に新しくトイレを作りたいんだけど。

熊:トイレ・・今でもクリスタルポルトに有るよ。

マキ:トイレだけど、トイレじゃないものもあるの・・・と、自分で描いてきた

   間取り図を見せた。

熊:桟橋からの入り口。丘からは、道の駅からの入り口・・もう一つ入り口・・

  入り口なっかだな・・真ん中のは、なんだ?

マキ:生簀と冷蔵庫。

熊:イケス、ってことは、魚売るのか?

マキ:イケスや冷蔵庫が、勝手に魚を買ったり、売ったりするの。

熊:??まあ、なんでもいいや・・できるよ。


9月、なんか‥分からない建物の建設が始まった。


美沙:料理並べるから、真樹、早く風呂入ってこい。

真樹:はーい、お先です。

美沙:マキちゃんも、早くこっちきて・・どうせ、飲むんだろ!

マキ:はーい、”チーン”直斗、アリガト!

マキは、直斗の仏壇に線香をあげて手を合わせていた。

マキ:おばさん、ありがとう。いろいろ手伝ってもらって食事も。今回は、お金も

   出してもらって。

美沙:100倍になって帰ってくるんだろ!直斗も茂雄さんも喜ぶよ。でも、無理

   しないようにな。ここにいれば、金なくても食っていけるんだから。

マキ:ありがとうございます。


亡き、父茂雄の保険金などの遺産。美沙からも直斗や直斗の父の遺産を援助して

もらってMakkyの釣り船や新しい建物の建設費用にあてた。


10月になりマキのつわりも収まり、伊良湖の海も最盛期に入った。

伊良湖釣魚売買センターFishLoveが完成した。釣りをしてきた人が、トイレに寄る

ためにここに船をつける。ついでに釣った魚をクーラーボックスで持ってくる。

検品台に、魚を乗せると金額が表示され買い取ってくれる。AIが、鮮度や魚種を

判断して重さや長さを自動計測し金額が決まる。その日の数や魚の旬により値段も

変わる。買い取った魚は、自動的に冷蔵庫や生きた魚の生簀に運ばれる仕組みだ。


釣れなかった釣り人もトイレに寄る。クーラーボックスを持ってきて、見た目は、

釣れた人と変わらない。釣れなかった人は、生簀から網で欲しい魚を選んで検品台

に魚を乗せる。金が気が表示されて、クーラーボックスに入れる。


釣れなかった人の家族も楽しい夕食になる!


網で取った魚でも鮮度が良ければ買い取る。AIが鮮度をチェックして鮮度の悪い

ものは買い取れない。


観光客も違う入り口から入ってトイレも使える。トイレの横には生簀や冷蔵庫が、

自動で魚を売っている。買いたい魚を選んだり網で取ったりして検品台に乗せる。

AI金額を表示して”PayPay”


当然、FishLoveの建物は、Makkyの釣り船と、同じ色の黄色に青のストライブ

マキの写真もいっぱい掲示してある。マキが魚を釣って、売れる魚があるときは、

ツイッター、インスタに情報が上がる。釣っているときに情報をアップすると、

フォロワーに通知が行く。マキが、1,2時間後にFishLoveに水揚げするときには

たくさんの観光客や他の釣り船の客が、FishLoveで待っている。


道の駅クリスタルポルトの中では、その魚を持っていけば、料理もしてくれる。

鮮度のいい魚を食べて、子供の好き嫌いもなくなるだろう。


FishLoveの完成で他の釣り船の客も増え、ホテルや民宿に泊まる人も増えた。

マキが、働かなくても、魚たちが釣られて、売られて、食べてもらえて、働いて

くれている。安心して出産準備に入れる。


真樹のクワガタシーズンもそろそろ終わりを迎えて、幼虫たちも土の中で、

来春をまっている。










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