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幕間 リア充爆発の呪い

「なっ……!? 何が起こったんだ……?」


 次に俺が目を開けるとそこは神社の境内の中だった。


 さっきまでと立ち位置は同じ、しかし隣には理子がいない。


 俺は先ほど理子と人生初めてのキスをした、そしてその瞬間……体が爆発した。


 一体お前は何を言ってるんだと思っただろう。

 大丈夫だ、俺が一番そう思っている。


 ドゴオオオオオオオオオオン! と。

 まるでゴレンジャーが登場した時に背後で起こるような爆発。


 それが眼下で、いや体の内側から発生し、激しい衝撃と眩しい光とともに俺の体は木っ端みじんに弾け飛んだ……はずなのだが。


「生き……てる?」


 そう、俺は爆発したにも関わらず生きていた。


 しかし矛盾点が生じる。

 俺は確かに体が木っ端みじんに弾けた感覚を覚えているのだ。


「まーくんどうしたの、神社の鳩さんがアトミックバズーカー食らったみたいな顔してるよ? それより見て見て! 巫女服に着替えてきたの~!」


 声の方を見れば何食わぬ顔をした理子がそこにいた。


「理子……! 大丈夫か!? ケガはないか!?」

「ケガって……理子は今ここに来たところだよ?なんかまーくん一生懸命お祈りしてたみたいだけど……」

「何言ってんだよお前! さっき俺が爆発して弾け飛んだだろうが!」

「爆発って……まーくんこそ何言ってるの?頭でも打った?大丈夫?理子がよしよししてあげるね」


 よしよし、と理子は満面の笑顔で俺の頭を撫でてくる。


 そんな中俺は自分の身に起きた事象がにわかには信じられずにいた。


 信じられないが……理子の態度と、今起きた出来事をまとめるとするのであれば。


 時間が巻き戻った……そうとしか考えられない。


 まず俺は理子の告白にOKした後にキスをした。

 そしてその瞬間に体が爆発して砕け散った。

 

 その直後、まるでセーブ地点からリセットされるように俺は生き返り、理子から告白される前へと、神へリア充は爆発しろと祈りを捧げた直後に時間が戻って……。


「リア充は爆発って……」


 まさか、祈りが現実になったとでもいうのか。


 俺がリア充は爆死しろと願ってしまったがゆえに……。


 幼馴染の理子とキスをするというリア充イベントを起こしてしまった俺が爆発してしまったと……?


 そんなバカな話があるわけ……あったのか?


「ねーねーそれよりまーくん、理子ね、話しておきたいことがあるんだ……」

「待て! やめろ! その話は今度ゆっくり聞いてやるから! 今日はこれで解散だ!」

「あっ! ねえ待ってよ、まーくーんー!」


 理子の制止を振り切り俺は家へと帰ることにした。


 あのまま行けば理子がもう一度俺に告白することになり、キスをすることになってしまう。


 もしも本当にリア充が爆発するなんてアホみたいな呪いが俺にかかってしまっているとしたら……。


 ーー俺は全力でリア充イベントを回避しなければならない。


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