リア充には稀によくある修羅場
「理子ね、いつまでもただの幼馴染はイヤなの! だからまーくん……理子と付き合って?」
修羅場。
とは正に今の俺、佐藤真澄の状態のことである。
幼馴染の理子の物言いは本気だ。
目がマジである。ここからやっぱりマジ卍~なんて冗談を言ってくれそうにはない。
妹の綾の方に視線を移す。
「お兄ちゃん……私もね、いつまでも兄妹のままじゃイヤ! 私と付き合ってほしい」
こっちも目が本気だ、本気と書いてマジと読む。
幼馴染と義妹。
俺は今一度に二人の美少女から告白されている真っ最中であった。
……こんなラブコメみたいな展開があるのかよ。
いつもの俺なら鼻の下を伸ばしてそう楽観視していただろう。
しかし、今の俺は二人の美女から言い寄られるものとは全く違う意味で心臓の鼓動を高鳴らせていた。
「まーくん! 綾ちゃんよりも理子の方が好きだよね!?」
「お兄ちゃん! 理子さんよりも私の方が好きだよね!? 私を選んでくれたら、その……お兄ちゃんのために何でもしてあげる!」
「フンっ!綾ちゃんのその貧相な胸で何ができるのかなぁ?その点まーくん、理子のやわらか~いおっきなDカップはいつでもまーくんの好きにしていいからねっ!」
理子がその豊満な胸を両手でふにふにと持ち上げながらこちらへアピールしてくる……たゆんたゆんだ。
それを心底悔しそうに綾が見ていた。
いや俺だってさ、理子のDカップも綾の慎ましい胸も両方触ってみたいよ……。
だけどそれはできない。
なぜなら……。
「すまない2人とも……俺は逃げるッ!」
「「あ! 待てっ!!!」」
脱兎のごとく俺は駆け出した。
できない、俺には二人からの告白を受けることができない。
だってもしもどちらかと結ばれてしまったら……。
俺は爆発してしまうのだ。