もうワガママなんて言わせない!
……さん………嬢さん…!
ああ、うるさいわね。
一体何が起きたのよ…
って,
「…ここ、どこ……?!」
時は遡るーー
彼女の名前はルルーシュ・アーリー。
金色の美しい髪を二箇所編み込み,編み込みを巻き込んでポニーテールをした髪型。
印象の強い,長くて美しいまつげとアメジストの様なキラキラとした瞳。
色白で柔らかそうな色素の薄い上品な肌。
そして,それによく似合うフリフリの付いているピンクと白の可愛らしいドレス。
気品のある仕草に表情。
確かに彼女,ルルーシュは美しかった。
だがーー
どんっ、
「…痛いわね。この私にぶつかるだなんて,いい度胸がお有りのようね?」
「すっ、すみませんッ!!」
「メイド,ここの紅茶を今すぐ取り寄せなさい。」
「で、でも…」
「うるさい,私の命令が聞けないの?」
「今すぐお取り寄せ致します!!」
…この様に,傲慢で我が儘な性格だ。
その上,自己肯定感がとても高く,プライドの高い面倒臭い姫だった。
メイドの中では通称「夢見がちなお姫サマ」と呼ばれるように王子に夢を見ていた。
結婚しても良い男の条件が、
1.白髪で紅いルビーの様な瞳か蒼いサファイアの様な美しい瞳であること
2.白馬に乗って旅に出ていること
3.自身のことを人一倍甘やかしてくれる存在
…そんな条件を満たせる者は,誰もいなかった。
ー朝になってー
……様……姫様…!
(ああもう,何よ,騒がしいわね。何があったのよ。)
そんな事を考え,体を起こす。
「なに、これ…?」
白,金,桃色で構成されたいかにも貴族が使っていそうなドレッサーの上に,光が反射してキラキラと光っているおもちゃのような人の形をしたロボットがぐったりと座り込んでいる。
一体何が?そう思った瞬間,ロボットは動き出し,ルルーシュのそばへ飛んで来るとーー
「申し遅れマシタ!ワタクシこの世界の願いを叶えるロボット,遊凪 空 と言いマス!」
何を言っているのか分からないようだ。急にこちらへ来て自己紹介され,ルルーシュはびっくりして思考が止まる。少しした時,ハッとして気を取り直し,
「…ユウナギ,ソラ…?珍しい名前ね。何の用?私の元へ手配されるだなんて,余程の事が無い限りないと思うのだけれど…」
もしかして王子様が?!そう思うが,その思惑は一瞬で壊される。
「アーリー様は少しお遊びガすぎてマース!屋敷全体の願いを叶える為に''姫様''にはゲンジツを見てもらいマース!!」
「…は?」
目の前が光で覆い尽くされる。この光はロボットの目から出ている様で,思わず目を閉じる。
使用人達もびっくりしたのか,「キャー!」「お嬢様が!お嬢様が!!」と騒ぎ出す。
光をモロに浴びたルルーシュはそのうちぐったりして,意識が遠のいて来るーー
……さん…嬢さん……!
また先程と同じような男性の声がかかる。
先程は夢だったのだと考え,ゆっくりと頭をそちらに向け,珍しく優雅に挨拶をしようとする。
「あーうっ、だーっ、!」
……え?
「だーっ!あうー!」
急に体を起こして喋る''赤ちゃん''に男性はびっくりする。
同じく若返り(すぎ)したルルーシュもびっくり。
シバ イオリ
「はは、元気だね。うーんと…僕の名前は,司波 伊織だよ…なんて、赤ちゃんに言っても通じないんだけどね。」
物腰柔らかい表情でルルーシュに手を差し伸べる男性は名を名乗り,家に連れて帰ろうとする。
どうやら2~3時間はここに放置されていた様だった。
「うーん、困ったな。僕の周りに子育てした事がある人だなんて居ないんだよな…」
彼…伊織は困った笑顔で頬を掻きながらルルーシュの入っている籠を持ち上げる。
彼の自宅へ持っていこうとしているのだろう,籠がぐらりと動く。
「あーっ、だぁーっ、!」
嫌だ,と言っている様にも見えるが彼には届かない。
…少しして,伊織の自宅へと着いた。
これからどうなる?!
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初めまして!
私えるちゃっくと申しますッ!
初投稿のこの小説を読もうとして下さり有難う御座います!!!
不定期に投稿して行こうと思っております故,以後宜しくお願いします〜!!
ルルーシュや伊織達を描いてくださったりしましたら本当に泣いて喜びます。
少し短いですが,次回も見てくれたら嬉しいですっ!
____________ 〆 .