プロローグ
残酷/過激な表現が苦手な方はUターンして下さい。m(_ _)m
「ルイーゼ、今までご苦労じゃったな」
ルベル国、国王は告げる。
幼い頃から天才やら神童と噂された長男、次男とは違い平凡だったルイーゼ・ダイスはダイス家の恥であった。見た目しか持っていない空っぽの女。
しかしながら、彼女は優れた剣の才能の持ち主であった。幼い頃から彼女に剣術など教えてくれる人は一人もいなかったため、全て独学だった。けれど、彼女はどの騎士よりも強くなった。
十六歳と若き年齢で騎士団長を務め、国王へ忠誠を誓い、多くの戦争に勝ってきた。彼女のおかげでルベル国は多くの国を手に入れ、国際的に大きな力を持ち、ルベル大国と呼ばれるようになった。
それも全て彼女、ルイーゼ・ダイスのおかげといっても過言ではないだろう。
しかし現在、ルイーゼは手足を拘束され、柱の間にうつ伏せ状態になっている。古い二本の柱には今にも落ちてきそうな鋭いが吊るされていた。
***
「「そいつを殺せ!!」」
「「死ね!この裏切り者が!」」
状況が読めない。
沢山の人達が私を目掛けて石や、食べ物を投げつけてくる。
卵が私の頭に命中し、中身が滴る。あいつ、許すまじ。
私は今、公開処刑されている。何故かって?私にも分からない。
こんな状況で冷静だと思う人もいるかもしれないが本当は怖い。
「ルベル国、騎士団長ルイーゼ・ダイス。謀反を起こそうとしたことにより、反逆罪として処刑する」
何故で?そんな事してない!証拠もないのにどうやって?!
叫ぼうとしても舌はもう切り落とされていて声が出ない。
あの糞爺!!私を裏切ったのね?!
「すまない…ルイーゼ」
副団長は謝罪と共にギロチンに繋がった縄を引いた。
絶対に許さないわ……裏切り者…
復讐してやる。
嗚呼、神様。存在するなら……どうか力を悪用した人達を罰するチャンスをください。
鋭利な刃はストンと彼女の頭を斬り落とした。余りにもあっさりと。