変身仮面騎士の世界の主人公 : 岩澄潤の物語 閉幕
―――岩澄 潤
「あんたはここで何をやっていたんだ?包み隠さず全て話せ」
博士の胸倉を掴み揺さぶりながら問い詰める。これで話してくれるなら楽でいいんだが…。
「ふん…。少し力を得たからといって調子に乗りおって…。これだから自分の若い頃のことなど見たくもないのだ…。もう少し思慮深く生きておったらまた別の人生があったのだろうなぁ、儂もお前も。さて、今回もまた廃棄するかのぅ…次こそは成功すればいいんじゃが…」
博士がボソボソと独り言を言っていた。気持ち悪い。
「おい、何を言ってるのかは分からんが大人しく吐いた方が身の為だぞ?」
「《破棄》」
「おい、何を言って……!?グワアアアアアアアアア!」
………記憶が戻った。いや、これは走馬灯か。どうやら俺は怪人だったようだ。そして俺は騎士に倒され、奴らにこの基地に連れ去られた。道中意識を取り戻した俺は何度も抵抗したが、怪人化が解けた俺では話にならずそのまま騎士に運ばれた。そういえばあの時俺を倒した騎士はこの研究所の連中から空也と呼ばれていたな…。…空也だと!?あいつだったのか…。それで俺は医療用ポッドの中に入れられて何かの機会に入れられたんだったよな…。そして気づいたらこの身体になっていたんだよな…。そういえば俺も騎士となって怪人を倒したときに怪人だった奴をここにはこびこんだな。そしてそいつが新しい俺になるのを見届けたはずだ。確か…。機械の中に医療用ポッドが押し込まれて肉という肉をすべて微塵にし、その肉体を今の俺の身体と同じく整形していたんだっけ。それで暗示をかけて今までの記憶をすべて消し、怪人を倒したらその中身をここに連れてくるように仕向けたのか。……ということは俺もあれと同じことをされていたのだろうか?まあいい。今更起こる気力もない。何だか力が抜けた。というか、こんな走馬灯なんて見たくなかった。どうせなら幼少の頃の幸せな記憶の中で微睡みたかったな。ははは、もう無理か…。
自我が崩壊していく。
…そういえばあいつがくれた切り札とはいったい何のことだったんだろうか。どうせ死ぬなら使ってみればよかった。
ほとんど意識がない状態で無理矢理腕を動かす。そして、懐のポケットから例のカードを取り出し、破る。
………身体に力が漲るが俺の意識はもう保ちそうにない。
そうか、あのカードは《最後の灯》を意図的に発生させるものだったのか。だったら思い残したことを片付けていこう。右手に自分の力も意識も全てを注ぎ込みクソジジイの胸を貫く。これで俺を殺そうとした清算は済んだ。これでいい、さようなら。
〈前ダンジョンマスター:岩澄芳樹より、ダンジョンの機能は貴方に譲渡されました。以後よろしくお願いします、マスター〉
……何か聞こえたがもういいだろう。さらば。
やっつけ感あふれる文章ですね。




