プロローグは終わり、人嫌いの青年は虚無に沈む
タイトルがやたらかっこいい件
3人娘達はポカンとした顔で2人のやりとりを見てます。
フワッとした感覚に包まれる。
と同時に先程までの朦朧とした感覚が無くなった。
懐かしい感覚だ。ダンジョンの中で幾度となく感じたアレの感覚だ。ダンジョンに居た頃は、この感覚の後にすぐさまドンッと叩きつけられるような感覚を味わったものだ。
はあ、それにしてもこの感じはまんま幽体離脱だな。何も見えないけど。
仕方ないから《空間把握》の回路を設計する。これで視覚と聴覚の代わりにするのだ。
…というか俺って死んだよね?全然現世に留まれてるんだが……
まあいいや。こっちの方が都合が良いし。
そんなことを考えていると、突然絵里香の身体を乗っ取ってる奴(以降、人神と呼ぶ)が笑い始めた。
「あーはっはっは。まさか気を許した相手に裏切られるなんて思ってもなかっただろうねえぇ。それにしても義雄くんって甘々だねえぇ。攻撃もして来ないと来たもんだ!どんだけ大事にしてんだって話だよ!アーヒャヒャヒャ!!」
いや、別に信頼なんてしてなかったんですけど。というか、黒魔力どこ行った?ってずっと思ってましたしね?しかも気持ち悪いぐらい俺と同じのプロフィールだぜ?こんなん警戒して当然だと思うがな。
……まあそれでも、中々楽しかったのは否定しないが。
はああ、生物なんて大嫌いだ。どいつもこいつも結局は裏切るんだろ?本物の絵里香には会ったことはないが、所詮人神とか俺を虐めてきたヤツらと本質は変わらんだろ。アンネはギルドを、サーシャとユーリはアレンを裏切ったわけだしな。まあ、アレンは見放されて割と当然なことしたけども。
「あー笑った笑った。さて早速義雄くんの身体を奪っちゃおうかな!」
そう言って、絵里香の身体から黒いナニカが抜け出ていき、俺の身体目指して進んでいき……俺の中に入っていった。
「うーん、慣れない身体は扱いにくいなぁ。まあでも最高のスペックを持ってるんだろうし、我慢我慢っと」
そんな肉体性能良くないっすよ?多分絵里香より劣ってると思うけど。
「おっと、嬉しくてつい忘れてたよ。『虚無空間作成』」
なんかよく分からんけど亀裂が生まれた。
まあいい、今の内に人神を元俺の身体に縛り付けるか。《魂魄固定化》!
どうせアイツはアホだし俺の身体に縛り付けられたことには気付かないだろ。
「おーい、義雄くん。…まあ魂の状態だから聞こえてないと思うけど、言っといてあげるよ。今から前の身体と一緒に君の魂を虚無空間に落とすからね。
バイバァーイ!あーはっはっは!うわーはっはっは!!
『魂魄認識』『空間移動』」
俺の魂(?)が固定されたっぽいな。このまま
俺の魂と絵里香の身体が亀裂に入っていく。
…はあ、これで本当におしまいかぁ。まあもういいか、なんでも。…でも最後にちょっとだけ仕返ししてもいいよな?
《魔素誘導》の回路を速攻で組み、虚無空間の中に魔素を詰め込めるだけ詰め込む。
ざまあねえぜ!これで人界の魔素の量が減るな!
俺の魂と絵里香の身体はそのまま引き摺られるかのように亀裂に落ちた。
よしおくんのスペックって割とゴミなんですよね。知力と精神力とMPが無かったらの話ですけど。
そういえば絵里香と義雄の記憶が大体同じなのは、人神が義雄の記憶をトレースして絵里香の人生風に仕立てたからなんですよね。要は、盗作が疑われない程度に手を加えた模倣品。




