一話・異世界の森
アリファ小説投稿にて連載中です
が、中々…更新出来ません。
「台風が来るまでには終わらせないと」
屋外での作業を急いでいた。
近年最強クラスの台風に来る。
近年最強クラスと呼ばれる台風の発生が通年化している
地球温暖化おそるべしだな。
気象予報では、間違いなく直撃するって感じだ。
せっかく、祭りの準備を進めていたのに…。
年に一度の祭り、祭りと言ってもごく小規模なモノだけれど。
まぁ、昨日のうちにあらかたの片付けを終えているので、手伝ってもらう人を呼んでいない。
朝からも降ったり止んだりの不規則な天気…
ゴミ捨て場出会った井戸端会議してた、オバちゃん達が話していたけど
「まだ、台風は遠いんハズなんだけど、変ね~」
「そうよね~。天気予報でもそんな事言ってなかったわよね~」
「でも、最近の天気予報当たらないから」
「そうよね?」
「そうね。」
オバちゃんの一人に気づかれてしまった…。
会釈しておこう
「あら?岩部君だわ~」
「本当!逢君だわ」
他のオバちゃん達も気づいたようだ。
「「「岩部君~おはよう~」」」
毎度、オバちゃん達の挨拶の声が揃ってる。
「岩部君が来たって事は、もう少しで朝ドラが始まっちゃうわ」
「そうよね~早く帰らなきゃだわ~」
「帰りましょう。」
オバちゃん達が帰って行く
しかし、また
「「「岩部君またね~」」」
声が揃ってる。
ベキベキと聞いた事もないような轟音が周囲に轟いた。
振り向いた方向に驚愕の物体が見える。
木片や瓦と言った破片だ。
それも無数に…だ
何かしらの、破片だと思うモノが空中を舞い飛んいる。
突風が吹いたようだ。
見ている前で、更に突風で周りの家が次々と、壊されて行く光景が繰り広げられている。
かなり、離れている二軒隣の屋根が突風によって、一瞬で吹き飛ぶのが見えた。
吹き飛ばされたその屋根の破片が飛んでる。
その破片が風に乗って、飛んでくる。
確実にオレが居るところまで飛んで来るに違いないと
そして、オレは死ぬっと
何故か…直感で分かった。
目の前に来た。
そこでオレは、意識を手放してしまった…。
―――――――――――
「え?」
眼が覚めると…困惑した。
光に包まれていた。
半球状に周囲を覆っている。
大きさは、オレの身体の全身を包んでも
まだまだ、余裕がある。
眩しくて、手を目の前にかざしたら…
…うん?
「手が小さい?」
どう見ても、子供の手が目の前にある。
オレが手を動かそうとすると、目の前を子供の手を開いたり閉じたりする。
本当に自分の手が#子供の手__小さい__#のか?
肩や腕に手を滑らせてみる…。
自分の体に繋がっているからオレの手だ…。
そして、さらに気になる事がある。
オレは、服を着ていない…
服と下着も無い…
つまり、全裸
不思議な空間に全裸で居る
何がどうなっているのか全くわからない…。
頭の中が?でいっぱいになって…
意識が飛んだ。
「う…うん?」
どうやら俺また気を失っていたようだ。
何度か眼が覚めても、しばらくすると気を失ってしまう。
眼が覚める度に、周りを包む膜の様子が変わっていた。
最初は白、次は黄色と言う感じに…
今は、緑色の膜だ。
目を凝らすと緑の膜は文字の帯の集合体だった。
無数の文字が帯を作り、絶え間なく周囲を巡回している。
手を伸ばし触れようとすると
手や腕にも、周囲を覆っている文字の帯が取り巻いているのがわかった。
「文字か?英語…?じゃないな…こんな文字アルファベットには無いし」
しかし、この文字触れなかった。
指で触れようとすると避けるし…
手で捕まえようとすると、スルリと指の間をすり抜けた。
そうこうして居るうちに
また気が遠のいて行った。
「う、うーん…また気を失ったのか?」
状況を確認する。
びっくりして声が出た。
「え⁉︎何で⁉︎」
オレは、今、見慣れないデザインの服を着ている。
靴もやはり、見慣れないもだけれど
一応は、履いてるし
ちらっと、確認したら下着?のような物も着てる。
確かに、さっき気を失う前までは、全裸だったハズだが⁉︎
いやそれ以上に不思議なのは、この服見た事もない服だ!
今の体のサイズにぴったりだ。
着心地の良い生地で出来ている。
「どうなってるんだろう」
''バチン''
オレがそう呟いた、そうその呟きで世界は一変した。
オレを包み込んでいた。膜が弾け飛んだ
まるで、シャボン玉が破れるように軽い音を立てて弾けた
「うわ⁉︎何⁉︎」
いきなりの事で、思わず目をつぶって
頭を手で覆った
そして、恐る恐る目を開けると
見慣れた風景は、一切何も無かった。
光の膜に包まれていた時点でもう
そんな感じがしたけど
草原になっていた
そして、その草原と木が目に入った
デカい木だ、そんな木が生い茂っている。
オレは、一面の木々に囲まれてる空間にいた。
「森?何で森の中に居るんだろう」
巨きな黒い影が動いている。
大きな犬?いや、狼かな?
近づいて来る…アレ?
なんか大きい気が…
かなりデカい。
デカい日本でお馴染みのシリーズに出て来た奴並みにデカい。
口を開いた
吠えるのかと思ったが違った。
「・・」
言葉のようだったが、何語なのかわからない。
聞いた事もない未知の言葉だった。
「・・、・?」
やはり、何を言っているのかは、わからない。
頭の中に直接、声がひびいた。
『契約、して、』
念話っていうことか?
契約しろって?
念話がカタコトな上に途切れ過ぎて聞き取りにくいよ。
契約ってどうすれば良いんだろうか?
『名を』
名を名乗れば良いの?
違う?君の名前をつけて呼べばいいの?
自分を指差してみた。
目の前の狼が首を左右に振ったし、尻尾が垂れた。
オレの名前を言うのとは、違うのか?
まさか、この狼の名前を呼ぶの?
狼を指差してみた。
狼は尻尾を振って、首を縦に振った。
名前なんて分からないよ?
ひょっとして、名前を付ければいいの?
また、狼が首を縦に振ったし、尻尾を千切れんばかりに振っている。
名前付ければいいにしてもどんな名前付ければいいんだろうか?
適当な名前なんてのは?
ポチ、とか?
ない!!ない!!
オレが嫌だ!!
毛先の色が赤ワインの様だし、この名前にしよう。
「ボルドー、ボルドーはどうかな?」
オレの身体と狼の身体が光だした。
その二つ光が動いた。
それぞれの光が、互いに引かれ合うように伸びて繋がった。
光っている自分の身体を見ていると
声が聞こえてきた。
『ようやく契約出来ました。』
聞き慣れた日本語を耳にして
オレは、声のした方に視線を移す。
「誰?ああ、君か?」
頷き
口を動かしてるが
言葉の数と口の動きが違うようだ。
『そうです。』
「そうかこの声は君か?」
再び頷き答えてくれる。
『そうです。』
狼が喋っている。
「……。」
『……。』
気まずい沈黙。
間が持たないなぁ…。
そう思っていると
狼が地に伏した。
『申し訳ありませんでした。』
いきなりの謝罪されたけど
オレ何かされた⁉︎
「へ?どうかしたの?」
『人語を話すことが無かったのでうまく使えられなくて、ましてや異世界の言語は…』
衝撃の発言をされてしまった。
ひょっと、したら聞き違いかも知れない
確認してよう
「異世界って言った?地球じゃなくて?」
『そうです。ここは異世界です。』
異世界かファンタジー小説みたいだな
異世界って事は、やっぱり、あの破片で死んだのかな?
「異世界かぁ~、そうか、異世界かぁ~。それって…オレが死んで、転生してこの異世界に来た…って事?」
ボルドーが頭を上げて、首を左右に振り答える。
『いいえ…違います。あなた様は、俗に言う異世界召喚によって、生きたままこの世界に来たのです。』
またまた、衝撃の発言
異世界に召喚された⁉︎
待ってくれ!破片が当たっただけのハズだ。
「え⁉︎突風で飛んで来た破片が当たって、死んだんじゃないの?」
『それは、恐らく時空のひずみによって起こされた現象だと思います。実際にはその風を起こしながら、時空のひずみがあなた様の元に届いたのだっと思いますよ?』
その後も、同じ様な話をした
オレは、この世界に召喚されて、この森の中に落ちたらしい
そして、ボルドーがやって来たと言う話…
そして、ある程話を終えて
改めて、挨拶を交わした
「改めて、よろしくボルドー」
「こちらこそ、よろしくお願いします。アイ様」
異世界…
異世界に来てしまった。
不定期更新ですが、よろしくお願いします。