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ファンタジー世界でもひとり。  作者: 不覚庵
チュートリアル。
4/11

なぜなに異世界 Q&A。

とりあえず分からん事とやらねばならん事を把握せねばこの先生きのこなメに遭うのはコーラを飲んだらゲップをするよりも明らかな未来日記。


目にするのも忌まわしいエコバッグの中から


「なぜなに異世界 Q&A」


を取り出す。


(こんなモン作る位なら、済し崩しで連れ込む様な真似すんなや…)


異世界転移は行政のルーチンなのかそれとも失業者対策なのか、微妙に香るお役所仕事のザックリ加減に頭痛を感じながら現状把握に勤しむ。


Q:この世界はどんな所?


A:コチラの世界には存在しない魔物としか表現出来ない生物が跋扈し、剣や槍などの近接兵器や弓矢などの遠距離兵器などを使い、人類の生活圏を脅かす其れ等を排除しながら生活圏を拡げていく必要に迫られている、そういう世界だとご理解下さい。


Q:元の世界でその様な兵器など扱った事が無いのですが。


A:仮にこの世界で就業する際に戦闘能力が必要ではない職種に就いたとしても、なるべくならある程度の護身技術を身につける事をお勧めします。

何故なら、魔物はコチラの事情など一顧だにせず、移動中の道すがら襲撃するなどという事は日常的に起こりうる為です。

予めコチラで冒険者登録は済ませて有りますので、余暇を見て冒険者ギルド主催の武術教室にて習得が一番の早道です。


Q:冒険者とは?


A:コチラでいう登録制アルバイトの様なシステムです。

主に

・魔物討伐

・採取依頼

・護衛任務

・日雇い軽作業

などなどのお仕事を各地の冒険者ギルド支部にて依頼を請け、業務完了時に所定の金額を受け取る事が出来ます。


尚、殆どのギルド各支部には業務に必要な技術や知識、技能等を教える講習会を開催しておりますので、折を見て積極的にご参加して頂く事をお勧めします。詳しくは最寄りの各ギルド支部にてご確認下さい。


Q:この世界には魔法という技能があると書かれておりますが。


A:コチラの世界では魔法を使える人物は伝奇上の人物か物語の主人公ですが、この異世界には日常から戦闘に至る迄様々な分野で活躍する技能の一種です。

魔法についての詳細に関しては別紙参照につき詳しくは説明致しませんが、現地人ならだいたい5割程が取り扱う事の出来る技能ですので、最優先で習得なさる事をお勧めします。


(なんだか識字率にほぼ近い数の人間が使える技能なのに”適正なし”とかどーしろと…)


Q:この世界の大まかな国家について教えて下さい。


A:まず6割が『絶対王政』で、残りはそれぞれ『宗教国家』『都市国家』『共和制国家』が殆どで、民主主義国も社会主義国も存在致しません。

中世的貴族階級による政治体制が殆どで、ごく当然ながら現在の貴方はこれに当たりません。

当座は冒険者という一種の自由民ではありますが、立場としては義務も無ければ権利もほぼ無い、とも言える為、御立身を望むのであれば貴方の奮励努力次第、となります。


Q:ステータスとは?


A:貴方の能力を記号化し、冒険者カードに表記しております。

この能力の記号化に関してはあくまでも顕在能力であり、貴方の潜在能力では有りません。

この数値に関してもあくまで基準となる数値は固定ではなく、日々貴方のコンディションや訓練により上下する為、参考値以上のものとはなりません。

ただ当然の事ながら、この記号化された顕在能力が高ければ高い程、あるいは各種スキルが多ければ多い程、貴方にとって有利となり得ますので日々努力を積み重ねる事をお勧め致します。


(へいへい、即戦力即戦力、ね。)


小一時間程この小冊子を隅から隅迄読み終えたタイミングで、宿のドアをノックする音が耳に入ったのでドアを開けるとシチューとお茶、パンにサラダをゴソッと載せたトレーを持って宿の女将さんが夕食を持ってきてくれたので、転移前に吉○屋の朝定喰って以来何も口にしてない事を思い出し、「ありがとう」と通じない日本語で感謝を述べてそれを受け取り、ベッドしかない部屋で貪り喰うと途端に疲れが全身を襲い、布団を被る事すら忘れてベッドの上に倒れ込んだまま、ぱったりと眠りに落ちた。


(…とにかく、世の中何処であれ、要求される事自体は大した違いが無い、と…)

生きてる国によって難易度違うんでしょうが。個人のツラいのは世界が違っても世の常、と。

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