裏切り
4日目の朝も普通どおりに学校に行った私は下駄箱に行って唖然とする。
2年の英李率いるいじめグループが20人
3年の楓莱、芽依、咲弥がいた。
そして自分の靴箱にはこれでもかというほど紙がたくさん入っていた。
中身は悪口。
そして上履きは汚れ、落書きまでされていた。
自分のロッカーにあったはずのノートや教科書も破かれ踏まれた跡とともに散らばっている。
―――――――――ナニコレ。ナンデ。
心臓が重くなる感じがする。
呼吸ができない。
立ち尽くす私に英李がこう言った。
「ちょっと仲良くなったくらいで調子乗ってんなよ。」
懇親の蹴りが私のみぞおちに入る。
その瞬間に食べたものがすべて出てきた。
「きったね。ちゃんと掃除しろよ。」
そう言ってその上に体操着を投げつける。
「ほら、早く掃除してくんねーかな。目にも鼻にも悪いんだけど」
私の手を踏む英李はとても汚い笑顔を向けている。
――――――タエラレナイ。
汚れた手でノートを取り出して名前を書く。
葛西英李、新田楓莱、朱雀芽依、篠崎咲弥。
その他そこにいた全員名前を書いた。
「某ドラマみたいな呪いのノートでも作ったんですかー?」
英李の下に付く葵と紗奈が思いっきり私を蹴り飛ばして笑う。
だが私はそれに動じずに筆箱からカッターを取り出した。
みんなの顔が青ざめる。
きっと私がみんなを刺し殺すと思ったんだろう。
大丈夫。そんな自分の手を汚すようなことはしない。
するのはこの私じゃない。
もうひとりの私だよ。
深く切った手首からは赤いしずくが滴る。
それはノートに何滴も何滴も落ちていく。
―――――もう一人の私。力を貸して。
5滴目が垂れた次の瞬間、あたりは光に包まれる。
そして目を開けた時、そこは・・・・・・・・・