目撃。
「なにこれ……なんで……なんでっ…………!!!」
無我夢中で走る。
自分の家に向かって、ひたすら。
転んですりむいた足の痛みなども気にせず走る。
――――――ムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツク。
家に着いた私は荒々しく扉を開け自分の部屋へと向かう
――――――誰だ…やったのは誰だ…。
絶対に許さない………。
殺す………殺してやる…。
階段をかけ登り部屋につくと電気もつけず椅子に座る。
「誰だよっ…!!!!私の平凡になった日常を乱すやつは…。許さない…。」
そういいながら手首にキラリと光る刃物を立てる。
ゆっくりと引くのではなく素早く、深く、何度も突き立てる。
痛みはない。
私の切り方や深さはその怒りの度合いを表している。
今回はとてつもなく腹立たしい。
それも過去にされてきたことよりもトップに立つほどの。
切ったところからはいつもよりも多く赤く綺麗なモノが滴っていた。
切った本数は数十本。
深さは2ミリ程度。
私はその滴る雫をあのノートの2ページ目に垂らしていく。
「あれをやった奴を許さない。絶対にいたい目に遭わせてやる。」
するとその時そのページが光り真っ暗な部屋が昼間になったかのように明かりに包まれた。
―――――――――パァンッ
「ッ…!?」
光とともに何かが弾ける音がする。
それとともに光は消えあの静寂な部屋へと戻る。
「な、なに…?」
目の前で起きた状況に頭がついていけず目を開けようとする。
自分の目で見たものだけは信じているからだ。
ゆっくりと目を開ける。
そこには人影があった。
あの光を見てしまったからか目がチカチカしたまま治らず
目の前に映る人影が誰かは把握できないでいた。
少しのあいだその状況のまま瞬きしていると少しずつ人物が見えてくる。
そしてはっきりと見えた。
そこに、
もう一人の自分がいることを。