ノート。
「あいつも…あいつもあいつもあいつもあいつも…。」
私は苛立ちを抑えられなかった。
親のこと学校生活のこと人間関係も何もかもにイラついていた。
その怒りに任せてノートに名前を書き足して、暴言を書き続けている。
血に濡れた手首とノートに向けて怒りをぶつけていた。
何故なら冷静に物事を考える余裕なんてその時の私にはなかったから。
「みんなみんな、死ねばいいんだ…。」
テレビも何も無い黒を貴重とした真っ暗な部屋に私の声と力強く文字を書く音だけが響く。
――――――――――ガリッ、ガリッガリッ。
30分休むことなく書き続けると心が落ち着いたのか手首の痛みに顔を歪めては遅いかと思いながらも消毒を始める。
時間が経って血が固まりかさぶたになっているから余計に痛い。
「いつもより深かったな…。包帯していこ…。」
引き出しを開けるとピンク色の可愛いノートが入っていた。
これは私が小学生の時フリーマーケットに出ていたノートだった。
カワイイ柄だったから使うのがもったいなくてとっておいたのだ。
久しぶりに見たそれは何故か黄ばむことなく綺麗なまま保たれていた。
「懐かし…。もうあのノートもページなくなるしもったいないけど使っちゃお…。」
そして私はその出来事をきっかけに悪魔と契約をすることとなった。