佳人薄命-花の命は短くて-
みなさん、お正月ですよ!
お餅に甘酒、最高です♡♡♡
今日(?)は、初詣に行ってきますた。
おみくじは「吉」!(﹡ˆ﹀ˆ﹡)
今年も頑張りませう!!
では、第5話をどうぞ!
・伍・佳人薄命
白いカーテン、白いシーツ、消毒の匂い…
病室は、想像していたより静かで冷たかった。
僕は、紫季に車で病院まで送ってもらった。
白くて清潔なベットの上に、青白い顔をした嘉影百合の姿があった。
彼女の細くて白い腕には太い管が痛々しそうに刺さっている。呼吸が浅い。
彼女は、今にも消えてしまいそうだった。
「 本当はな、嘉影は15歳まで生きれない身体だったんだ。 」
そんなの知らなかった。そんな素振りも見たことなかった。
「 父親のDVがあったのは知ってるだろう?その後に、嘉影は倒れたんだ。その時、母親と病院へ行った。その検査で、長く生きられないと知ったらしい。 」
じゃあ、僕と出会ったときは既に、自分がいつ死ぬかわからないと知っていた…?
知っていたのに泣かなかった…?知っていたのに……
……知っていたから?
泣きたくないんじゃない。泣かないわけでもない。泣くのがもったいなかったから?
泣いている時間が無駄だったから?
それなのに、僕は…
「 …俺は車に戻ってるな。気が済んだら来いよ。 」
それは、それは、彼女に別れの挨拶をしろということですか。
もう彼女は目を覚まさないと、そう言いたいのですか。
もう彼女の笑った顔は、見れないということですか。
____ガララッ!!!
「 百合ッ!!! 」
突然入って来たのは、いつか会った“ 近所のおにぃちゃん ”。……彼女の好きな人。
「 …水無月……希唯、さん… 」
「 …君が、泉谷 馨くん? 」
名前を知っているのは、彼女が話したからなのだろうか。
「 …はい。泉谷 馨です。 」
震える声を絞り出すようにして答えた。
「 そっか、君が馨くんだったんだね。」
「 どういう、ことですか…? 」
彼は、持っていた鞄から1通の手紙を出した。
真っ白くて、綺麗な1通の手紙。
「 百合の机に置かれていたよ。 」
「 ……え? 」
そっと手紙を差し出された。
「 これは、君宛ての手紙だよ。 」
言葉が出なかった。震えが止まらない手で、そっと手紙を受け取った。
泉谷 馨くんへ
久しぶりだね。なかなか学校に来ないから、心配しちゃった。風邪、大丈夫?
お見舞い、ありがとう。とっても嬉しかった。
傘を返しに来てくれただけってわかってるんだけど、ちょっとは私のこと、心配してくれたのかなーなんて思って。
私もお見舞いに行こうとしたんだけど、体が言うこと聞かなくて…
そろそろ限界なのかなぁ〜…
私ね、15歳まで生きれないんだって。
今16歳だから、結構頑張ったよね?
馨くんが、私に「なんで泣かないの」って聞いた時は、焦ったなぁ。私の心の声が読めるのかと思っちゃった。
でもね、泣くより笑ってる方がいい事ありそうな気がしたんだぁ…。実際に、いい事あったしね!私の勘違いじゃなければいいんだけど(笑)
だから、馨くんも泣いた後は笑ってね
最後に。
馨くん、私はあなたが好きでした。
あなたが私を嫌いでも、あなたのくれた優しさが全部、気まぐれだったとしても、私は馨くんが大好きです。
……この告白は、忘れてね。
手紙も捨ててもいいし、燃やしちゃってもいいよ。私のことも忘れて、これからの人生を幸福に過ごしてください。
さよなら
嘉影 百合より
「 ……か、おる、く……… 」
か細い声が、病室に響く。
「 ……ゆり…? 」
初めて僕は、彼女を名前で呼んだ。
彼女は、必死に何かを言おうとした。
「 …………あ、い……し…て…………る 」
そこで彼女は息絶えた。
彼女は、泣きながら笑っていた。最期まで、笑顔だった。
幸せそうに眠る彼女は、もう…
僕は、彼女の手を握って
「 僕も……愛してる 。」
そう言った。
聞こえたのかは、わからないけど言わずにはいられなかった。
僕の瞳から、涙は止めどなく流れる。
初めて見る彼女の涙は、世界で1番美しかった。
読んでいただけましたか?
今回は悲しいですね〜…
泣きながら書きましたよ、ホントに。
ここで話は終わるのか!と思いきや、
まだ続くんですよ(´・x・`)
次回も早めに更新したいと思います。
ぜひ!読んでくださいませ(。>ㅿ<。)
では、また会いませう!