表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
笑わない僕と泣かない花。  作者: 桜ノ宮 妃緩
6/13

佳人薄命-花の命は短くて-

みなさん、お正月ですよ!

お餅に甘酒、最高です♡♡♡


今日(?)は、初詣に行ってきますた。

おみくじは「吉」!(﹡ˆ﹀ˆ﹡)

今年も頑張りませう!!


では、第5話をどうぞ!

・伍・佳人薄命はなのいのちはみじかくて


白いカーテン、白いシーツ、消毒の匂い…

病室は、想像していたより静かで冷たかった。


僕は、紫季しきに車で病院まで送ってもらった。


白くて清潔なベットの上に、青白い顔をした嘉影百合よかげゆりの姿があった。

彼女の細くて白い腕には太い管が痛々しそうに刺さっている。呼吸が浅い。

彼女は、今にも消えてしまいそうだった。


「 本当はな、嘉影は15歳まで生きれない身体だったんだ。 」


そんなの知らなかった。そんな素振りも見たことなかった。


「 父親のDVがあったのは知ってるだろう?その後に、嘉影は倒れたんだ。その時、母親と病院へ行った。その検査で、長く生きられないと知ったらしい。 」


じゃあ、僕と出会ったときは既に、自分がいつ死ぬかわからないと知っていた…?

知っていたのに泣かなかった…?知っていたのに……


……知っていたから?

泣きたくないんじゃない。泣かないわけでもない。泣くのがもったいなかったから?

泣いている時間が無駄だったから?

それなのに、僕は…


「 …俺は車に戻ってるな。気が済んだら来いよ。 」


それは、それは、彼女に別れの挨拶をしろということですか。

もう彼女は目を覚まさないと、そう言いたいのですか。

もう彼女の笑った顔は、見れないということですか。


____ガララッ!!!

「 百合ッ!!! 」


突然入って来たのは、いつか会った“ 近所のおにぃちゃん ”。……彼女の好きな人。

「 …水無月……希唯けい、さん… 」

「 …君が、泉谷 馨くん? 」

名前を知っているのは、彼女が話したからなのだろうか。

「 …はい。泉谷 馨です。 」

震える声を絞り出すようにして答えた。

「 そっか、君が馨くんだったんだね。」

「 どういう、ことですか…? 」

彼は、持っていた鞄から1通の手紙を出した。

真っ白くて、綺麗な1通の手紙。


「 百合の机に置かれていたよ。 」

「 ……え? 」

そっと手紙を差し出された。

「 これは、君宛ての手紙だよ。 」

言葉が出なかった。震えが止まらない手で、そっと手紙を受け取った。


泉谷 かおるくんへ


久しぶりだね。なかなか学校に来ないから、心配しちゃった。風邪、大丈夫?

お見舞い、ありがとう。とっても嬉しかった。

傘を返しに来てくれただけってわかってるんだけど、ちょっとは私のこと、心配してくれたのかなーなんて思って。

私もお見舞いに行こうとしたんだけど、体が言うこと聞かなくて…

そろそろ限界なのかなぁ〜…

私ね、15歳まで生きれないんだって。

今16歳だから、結構頑張ったよね?

馨くんが、私に「なんで泣かないの」って聞いた時は、焦ったなぁ。私の心の声が読めるのかと思っちゃった。

でもね、泣くより笑ってる方がいい事ありそうな気がしたんだぁ…。実際に、いい事あったしね!私の勘違いじゃなければいいんだけど(笑)

だから、馨くんも泣いた後は笑ってね


最後に。


馨くん、私はあなたが好きでした。

あなたが私を嫌いでも、あなたのくれた優しさが全部、気まぐれだったとしても、私は馨くんが大好きです。


……この告白は、忘れてね。

手紙も捨ててもいいし、燃やしちゃってもいいよ。私のことも忘れて、これからの人生を幸福しあわせに過ごしてください。


さよなら


嘉影 百合より





「 ……か、おる、く……… 」


か細い声が、病室に響く。


「 ……ゆり…? 」

初めて僕は、彼女を名前で呼んだ。

彼女は、必死に何かを言おうとした。


「 …………あ、い……し…て…………る 」


そこで彼女は息絶えた。

彼女は、泣きながら笑っていた。最期まで、笑顔だった。

幸せそうに眠る彼女は、もう…


僕は、彼女の手を握って

「 僕も……愛してる 。」

そう言った。

聞こえたのかは、わからないけど言わずにはいられなかった。

僕の瞳から、涙は止めどなく流れる。


初めて見る彼女の涙は、世界で1番美しかった。






読んでいただけましたか?

今回は悲しいですね〜…

泣きながら書きましたよ、ホントに。


ここで話は終わるのか!と思いきや、

まだ続くんですよ(´・x・`)


次回も早めに更新したいと思います。

ぜひ!読んでくださいませ(。>ㅿ<。)


では、また会いませう!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ