第三話〜燐玖の決意〜
さて燐玖はちゃんとしたおもてなしができるのでしょうか…
「「お邪魔します」」
僕、月宮燐玖は今二人の女の子を家に連れて来ている
帰り道で火星から来た女の子二人を家に連れて来ているわけだが
「せせ、狭い家ですがゆっくりしていてくだしゃい」
やはり緊張するものだ
前に双葉を家に招いて遊んだ事はあったが、やはり初対面の女の子を家に連れて来ているということはどう考えてもおかしいだろう
放っておけないとは言ったものの何をすれば良いのかまったくわからない
とりあえず飲み物を出した方が良いのかな?
と思い、麦茶を持って二人の元へ行く
「飲み物を持って来ました」
まだ緊張がとけない僕は、お盆を揺らしつつ、二人の元へ持って行った
「「ありがとう」」
これも同時にお礼がかえって来る
とりあえずどうしてここに来たのかを聞いてみよう
「どうして地球に来たんですか?」
「私はよく分からないからなぁー
キリハ、説明してあげて」
「はい
何故私たちが地球に来たかと言うと、私達を守ってくれる人を探しに来たのです」
「守る?
狙われているんですか?」
「はい
常時、というわけではありませんが、火星に居る他の人達にある理由で狙われておりまして」
「ある理由って?」
「簡単に言えば逃亡です」
「逃亡?その火星の人達からですか?」
「はい
私達火星は二つの領地で戦争が行われていました
その中の非戦闘員で回復役だった私達は敵前逃亡をしてしまい、反逆者として狙われることになってしまいました」
「なるほど
だから地球に来た、という訳ですね」
「そうです」
「その守る役目は僕でもできるんですか?」
「やってくださるのですか?」
「僕にできることならやります
でもどうやって守れば良いんですか?」
「これを」
と言ってキリハさんは一振りの刀を僕に渡した
「黒雨刀≪月影≫です
火星にある最も頑丈で鋭い刀です
刀身に魔力か込められていて、普通の人間は斬れないですが、私達みたいな地球人ではない存在はたやすく切り裂きます」
その刀は適度な質量があり、あまり剣が得意ではない僕でも訓練すれば扱えるほどの刀だ
「もし私達を守ってくださるのであれば私達を守って下さい
その時はその刀は真の力を発揮するでしょう」
「わかりました
月宮燐玖、何があっても貴女たちを守ります」
おもてなしも何もなくなってしまったが、
この僕、月宮燐玖の非日常的な三年間は今始まった
おもてなしのはずが決意を決める回になってしまいました
では次回をお楽しみに!