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月の王の冒険  作者: ユマニテ
第一章  《惑星地球編》
6/33

情報を整理し計画を立てろ

やっと書き上げました。

運命の刻まで、残りあと1日と半日



レイとラスはライカとの約束の時間よりも少し前に月の王に入って、

いつも泊まっている宿屋の部屋で落ち合い、旅の準備をしていた。

二人とも、熱心なことである。


「たしか、勉強とか、やっておくことを終わらせてからこれ始めたのが10時ちょっと前ぐらい、だったよな。

明日は学校があるから6時に起きるとすると、

8時間×15は120時間で、月の王の1日は30時間だから、丁度最大4日間、月の王をプレイしていられるな。

レイ足りないものあるか?」


あるならすぐ行ってに買ってくるぞ。

イスにもたれかかって、ステータスや装備を確認しつつ、

ラスはベッドの上でうつ伏せに寝転がったままの体勢で地図を覗き込み、

手で国名をなぞって確認しながらブツブツと真剣になにやらルートの計画を練っているレイに声をかけた。

少し慣れないとこの状態のレイには話しかけづらい。


『うん、武器も全て新品同様に手入れした。

前に使った消耗品は既にストックが一杯になるまで買っておいたし、食料も同様に腐らないように《時間停止(タイムストップ)》の呪文(スペル)を掛けて道具箱(トールボックス)に放り込んでおいたから、他には多分無いはずだから大丈夫だと思う。』


これも大丈夫、あれも大丈夫っと

レイはうつ伏せのままの姿勢で地図から顔を上げて、器用にラスを見上げつつ、1つ1つ指を折って答える。

ラスはそんなレイのどこか幼い仕草に動揺して、訳もなく手を上げたり下げたりした。


『?、何やってるんだ?

それは手信号か何かか?』


ラスが手をパタパタとさせるのを見て笑う。

ラスはレイが笑顔なので、魅了(チャーム)の効果のためだけでなく、なんとなく心がほんわりと温まるのを感じた。



それから半時間ほどしてから二人は宿屋を出て、城門に向かった。


「いたいた、レイ!ラス!ここだ。」


街をぐるりと囲っている砦の北門の所で二人はライカと合流した。



「それで、どういうルートでセレスの森まで行くか決まっているのか?」


歩きながらライカはレイに、お前ならバッチリ予定を立てているんだろう、といった表情で問いかける。ラスはそのことに釈然としない思いを抱きつつ、事実ルートをレイに任せて自分は何も考えていなかったので無言を貫いた。

そんな隣にいるラスのいじけたような雰囲気をなんとなく感じ取りながら、

レイは二人に説明するために口を開いた。


『はい、だいたいの予定は先ほど地図で確認しながら立てておきました。

まず、私たちはこのままこのノルデンゲンブ国に向かう道を行きます。

日が暮れるまでには、主に休憩地として発展している小国セレティア国に着くはずです。

そこで宿泊し、翌朝にライカと別れてセレスの森の近くまではラスに飛行系モンスターを喚んでもらって一気に行こうと思っています。

後は、終わり次第ツンフト国に戻るか、それともライカを追ってノルデンゲンブ国で合流するかはまだ決まっていませんが、

ライカの用事は時間が掛かりそうですか?』


ライカは用事の内容を思い出しながら時間がどのくらい掛かるか計算する。


「あー、セレティア国から首都のノルドレインに行くまでだいたい半日だろ。

で、用事が1日くらい、帰ってくるのも含めたら4日間だからさすがに話す暇も無いわな。

悪いけど、終わったらノルドレインに来てくれるか?」


申し訳なさそうに、しかし情報屋としての好奇心が疼くのかライカは手を合わせて頼む。

レイとしてはどちらでもかまわなかったので、ラスを見やる。

今まで辺りを《捜索(サーチ)》して、モンスターがいないか警戒しながら、二人の話を何気なく聞いていたラスは話をいきなり振られて驚く。


「俺が決めるのか?

そうだな、じゃあ情報交換もしたいし、ライカを追おう。」

レイ、いいか?


決めておきながらレイに伺いを立てるラスに、ライカは相変わらずレイ至上主義者だと笑いを堪えた。


『良いに決まっているだろう。

それに、この頃は身体が鈍ってきたような気がするんだ。

終わってから北の強いモンスターの巣窟だと名高い山に登って、戦って、最低でもレベルを5は上げよう。』


ふふふっ

どうやらレイはノルデンゲンブ国周辺の強いモンスターと戦うつもりのようだ。前にその辺りで戦ったことを思い出したのか、微笑んでいる。

心なしかライカの腕に鳥肌が立つ。気温が下がってきたようだ。


「いいな、それ。

久しぶりに強敵か。俺の腕が鳴るぜ!」

ぬあー!


ラスが吠える。

レイが見た者を恐怖に陥れながらも目の離せない求心力のある笑みを浮かべ、

ラスが久々の強敵と戦える予感に興奮を押さえ切れずに吠える混沌(カオス)にライカは心配をする。


「山がぶっ飛ばされて跡形も無くなってたらどうしよう。

この、戦闘狂(バトルジャンキー)たちめ、戦闘狂(ベルセルク)のオレよりも戦闘好きなのはどうなんだ。

山が無くなったら修復させるプログラマーたちに罪悪感が出てきそうだな、原因作ったのオレ……だよな。」


山の心配を。

どうやらライカは二人の心配などこれっぽっちもしていないようだ。


二人がようやく普通の状態まで落ち着いたのはお昼を食べ終わった頃だった。


『あと半分と少しぐらいでセレティア国に着きますよ。

ところでライカ、大丈夫ですか?

顔が疲れたようにしてますよ。』


興奮冷めやらない二人が、モンスターが出現するたびにそのモンスターには過ぎた剣技や上級魔法(アッパーマジック)を連発したため、止めるのに奮走したからだ。

ライカは体力(ライフ)面ではほとんど疲れていないが、精神(メンタル)面ではげっそりしていた。

しかしそこは上級者、気持ちを切り替えてすぐに回復した。


『では、出発しましょうか。』


次には森に着きたいですね。

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