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月の王の冒険  作者: ユマニテ
第二章  《惑星セレネミス編》
23/33

新しき世界に羽ばたけ


荷物を片付け終わったガリオスは手を叩き、退出を促す。

レイとラスの部屋に赴くと、リャスが部屋の前で待っていた。


「遅いで、待っとったんやで、はよ入れてえな。」


どうやら朝食を食べ終えた後、部屋に戻って荷物を取ってきたようだ。

足元に荷物が置いてある。



「幸いなことにワイらは皆、高い戦闘能力を持っとる。」


部屋に入り、全員がイスに座るのを見届けると開口一番リャスが言った。

確かにガリオスはともかく他の三人はそれぞれ分野は違うが一流である。


レイとリャスは種族の特性を活かした魔法、つまり中、遠距離、

ラスは竜族の高い身体能力を発揮できる近距離を得意とする。

もちろんレイは近距離、ラスは遠距離をやってやれないことはないのだが。

そして、ガリオスは見た目、腰に佩いた剣などをみるからに、近距離が専門のようだ。


「うむ、皆、強者つわものの気を感じよる。

戦闘の時は我とラスが出て、レイとリャスに後方支援を頼みたい。よいか?」


「ワイはかまへんで、戦うんは専門やないさかい。」


『私もかまいません、ラスも良いそうです。』


「そうか、ではそのように動こう。

ところで、王都セイレーンへの道は決まっておるのか?」


すると、リャスがテーブルの上に丸めて置いてあった地図を引き寄せ、全員が見れるように真ん中に広げた。

そして、おそらくこの村の辺りであるところに指を置き、北寄りに進路を取りながら王都セイレーンと書かれた場所まで指を滑らせた。


「今の時期は東の国でデカイ祭りがあるからな、人がぎょうさん集まっとるはずや、あんま見つからんためにも北のほう通るで、このパーティーやったら北国の魔物にも遅れは取らへんやろ。

それにこの村はセレス国に近いから通るって言っても数時間で抜けれる道や。」


あまりピンときてないガリオスには分からないが、覚えのあるレイとラスには苦笑しか出なかった。

北国の魔物、通称月の王の無理ゲーと呼ばれる魔物の群れなのだが、上級者用で当然強い。


特に、二人の好む冬季の雪山では他では所謂ボスキャラにあたる魔物がゴロゴロと出てくるので、レベルアップやお金集めには最適なのだが相当の実力がないとあっという間にやられてしまう。

そんな場所に気軽にまるでピクニックのように行く二人はプレーヤーたちからは呆れと尊敬の目で見られていた。

とはいえ二人も始めて行ったときは流石に焦ったが。



大声を上げて雪崩を起こしながら追いかけてくる3メートル以上の雪男(イエティ)、その雪崩にまるでサーフィンするかのように乗りながら追ってくる人鳥(ペンギン)のような魔物、ただし車と同じ大きさ。


負の連鎖のように巻き起こったことを思い出して笑う二人だった。


『確かに今の時期なら冬も過ぎましたし、魔物もあまりいないでしょう。』


レイがそう同意するので通るルートは決まった。

というのも、ガリオスはどうでも良かったし、ラスにいたってはレイに任せているからだ。


「じゃあ、さっさと出発しようぜ、夜になるまでに雪山んとこの近くに着いておきたいしな。」


「それはワイも賛成や、今からやったらギリギリなんとか着くと思うで。」


リャスはそう言うとさあさあと三人を急かして部屋の中に置いてある荷物をまとめさせて宿屋から出た。


時間にして約20分、何故その速さを普段に活かせないのかとリャスは悔しそうに三人に語った。

何でも、買い物をする時などはそのスピードが出せるらしい。



「まるで某食い倒れの県のオバちゃんみたいだな。」


『え?・・・確かに、テレビとかで見る人たちはそんなかんじかもしれない。』


雪山へと到る道の途中、ふと思い出したラスが呟くと、偶然聞こえたレイが同意した。

すると、地獄耳なのかリャスが寄って来た。


「なんや、お二人さん、どうかしたんか?」


『「なんでもない(です。)」』


「?」


「ふむ、知らぬ方が良いということもあるということか。」


ガリオスがなにか悟ったのかウムウムと頷いた。

分かっていないリャスは困惑している。


「なんやねん、オバちゃんって、ワイとどう関わりがあるんや!」


とうとうリャスが騒ぎ出したが、二人から答えを聞き出すことは出来なかった。


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