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月の王の冒険  作者: ユマニテ
第二章  《惑星セレネミス編》
11/33

住民と接触を図れ

あまりにもトリップするまでにかかったんで、第一章として区切りました。

二人は興奮し、変人化したリャスを落ち着かせるためにいろいろと涙ぐましいほどに頑張った。

例)状態異常を無効化する万能薬パナシーアボトルを飲ませてみる、鎮静効果のある魔法をかけてみる。etc…

効果はほとんど無かったが…




『落ち着きましたか、落ち着きましたね?

もう急に笑い出さないでくださいね。

私たちは北の国と西の国の真ん中付近にあるセレスの森を探索していました。すると森の大樹がいきなり光りだしたんです。収まったらこの辺りに倒れていました。

…あの、どうしました?』


落ち着いていたリャスは今度は考え込み始めた。

「ブツブツ…森やて?…いや、なんでや、どっかとつながっとるんか?……ブツブツ…んんー?……ったいわ!」


ゴスッ!という音がふさわしいほどのスピードでリャスを殴ったラス(苛ついているようだ)は今度は攻撃呪文アタックスペルを唱え始める。

レイにこれ以上変人を見せたくないようだ。


「……大地に潜みし灼熱のほむらよ 吹き出……」


「だー! まてや、まてや! 滅茶苦茶物騒やな、オイ、ワイは学者なんや!

そやから、どうしてもそーゆう話とか聞くとシャーって自分の世界に入ってしまうんや。これだけは堪忍してくれや。学者の宿命ちゅーわけやな。」


レイは大げさなまでに焦って謝るリャスに微笑みながら(若干黒い気がする)手を振って安心するように伝えると、詠唱するために手のひらを前に突き出したままのラスにむかっていつのまにか取り出していた杖(物理攻撃力が高い)を向け、下から上に思い切り振り上げた。


ブンッ…グハッ!


あわれ、ラスは三メートルほどぶっ飛ばされて昏倒する。

目の前を横切っていったラスに顔を引きつらせたリャスは、怖っ、バイオレンスや、ドメスティックバイオレンスや、レイって黒いわー、と呟いている。


一仕事終えたレイは殴ったときに乱れた髪を整えて、耳にかける。

そのときに顕わになった耳にリャスが目を見張った。


「…嘘やろ、ちょっとまてや。」


リャスの声に気づかなかったレイはリャスを横切って、ラスに近づく。既に傷は治っていた。


『ッチ、この頑丈め。

ラス、いい加減におきろ。ラス!』


「なぁ、レイ、あんさん、もしかしてハイエルフとちゃうんか?」


不安と希望、興奮がごちゃ混ぜになった声で尋ねられてレイは戸惑う。


「だったらどうかするのか?」


いつの間にか気絶から回復していたラスが起き上がってレイを背中に庇い、警戒しながら問う。

今までに同じようなことで何かあったのか、表情は硬い。


「別に、せな警戒せえへんでええで。たいしたことやないんや。ハイエルフはめっちゃ珍しいからな、ワイもちょっとしか会ったことなかったし、学者として会えて興奮しとっただけや。

まあ、ワイやなかったらちーと危なかったかも知れへんがな。 


せや、向こうの、一時間ほど行ったところに今滞在しとる村があるんや。

そこで地図でも見ながらこん世界とあんさんらの世界の話でもしようや。飲み物くらい出すで。」

でも行くんやったらレイ、耳は隠しといたほうがええで。


それはどういう意味か聞こうとするラスだが、ここまであからさまに話を変えられ、思わず言い詰まる。

元々その村に行くつもりだった二人に否があるはずも無く、三人は村への方角に足を進める。


パーティーにリャスが入りました。


どこからかそんな幻聴が聞こえた気がした。




ところが、実際には村に着くには三時間以上も掛かった。

リャスのモンスターとのエンカウント率が半端なく高かったことが原因だろう。

湖で水を汲もうとすると湖の主が現れ、道を逸れると巨大熊グロースベア大蛇サーペントetcに襲われ、心休まらなかった。

あまりの質より量のモンスターの数の多さに圧され、魔法を連発して集中力の切れかかっていたレイが巨大熊グロースベア爪攻撃クローアタックを避けきれずに腕を掠って血を流したときは、急いで傷を癒したレイが杖でラスを殴らなければ、あやうくラスが森を焦土と化すところだった。


「ハァハァ、……フゥ、ここが…村、といってもワイはもうすぐ王都に向けて行くんやけどな。」

『………(ぐったり)』

「…ハァ、何でお前はあんなに襲われてんだ! あそこは野生の王国か!」


ビシッと今まで襲ってきたモンスターから採集した物が入った袋を持ち上げて指差し、ラスは吼える。


コクコクコク


レイも無言で息を整えながらも何度も素早く頷いている。

当然といえば当然かもしれない、あんなに襲われていれば。


「イヤイヤイヤイア、じゃなかった、イヤや。

ワイかて全然なんでか分かってへんわ、今日は厄日なんやろか、いつもはちゃんとモンスター避けの守護薬プロテクションボトルかけてるから、モンスターは寄って来んのやけどなぁ

…ガサリ、……ん? あ、今日使ったんは邪気薬マリシャスボトルやった。」

いやー、どおりでモンスターがわんさか寄ってくるわけやわぁ。ははは。


カラカラと乾いた声で笑うリャスの頭にとりあえず一発拳を落としたラスはレイを連れて村の中へ入っていった。



「てて、でもなんで邪気薬マリシャスボトルなんて入ってたんやろ、ワイあんま戦わへんからそんな危ないのん買った覚えないんやけどな。まさか、誰かの陰謀? あんさんらはどう思う?

……ん? っておらんのかい!」

せめてなんか言ってから行けやー!

いけやー

やー


傾きかけた陽の中でリャスの声が虚しく響いた。


リャスは書きやすいです。モデルが近くにいると違いますね。

リャスは本当は頭いいんですよ?

……多分。


点数つけてくれると嬉しいです。

よろしくお願いします。

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