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10 冒険者の仕事

俺は今、イノシシと戦っている。

あれから、カルの従魔として働いている。俺は魔獣のオオカミなのだそうだ。このオオカミの魔獣は格が高くてテイム出来ないが俺は弱い魔物だったから、テイム出来たのだとか。オオカミの中では一場弱かったものな。

カルは魔物に俺を押しつけてくる。俺は、死にたくないので一所懸命戦う。

戦っていればレベルが上がっていって強くなるそうだ。確かに、この頃は、イノシシなんかは朝飯前だ。もっと強い魔物でも、一対一なら負けなくなってきた。段々面白くなってきたほどだ。

こんなに真剣に戦ったのは初めての経験だった。今まで生きてきて、自分の容姿に助けられ、ちやほやされて、楽に生きてこられたが、自分の力で生きた経験はなかった。

男のくせにと言われそうだが、其れは言わない方が良い。いろいろなコンプライアンスに引っかかるぞ。

男だって、意気地無しはいるのだ、俺のように。でも、初めて真剣に命を懸けた生き方をして、俺は気がついた。

俺の生き方は、余りにも低いところに流されてきた。楽な方へ楽な方へ。その結果、俺は自分の首を自分で絞めていたのだ。

愛していたはずの妻をないがしろにし、好きだった女の人生を食い潰してきた。子供に対しては、妻に任せて自分は仕事に逃げていた。

何時も自分の理由で自分の都合で曲がり、流されていたのだ。

多分俺は、此処で戦って死ぬだろうが、それでもいまの生き方は輝きがある。生きている実感があるのだ。

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