表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

オレはダンジョンに潜って配信します

『初めまして諸君』

『私の名はクレイドル』

『君達の住まう次元とは大きく異なる場所から、君達をずっと観ていた』

『素晴らしい』

『君たちのようなものを待っていた』

『君たちならきっと、私の迷宮を攻略出来る』

『君たちならきっと、神なる座に到達出来る』

『君たちなら、神脈界廊ダイダロスを踏破出来る』

『祝福を与えよう』

『試練を与えよう』

『門を潜りたまえ』

『座に至りたまえ』

『その果てに、君たちに望むものは齎される』

『名誉』

『金』

『力』

『世界を』

『君たちが心奥で望むものを』

『手に入れられないものは存在しないと、我が名に誓い約束しよう』

『改めて名乗ろう、私はクレイドル。神楼龍クレイドル。その迷宮の真奥にて座する(もの)

『君たちの到来を心から期待している』

 

 その言葉が全人類の脳に直接叩き込まれたのと、太平洋上に巨大な──歴史上人類が建造した建物と比較しても尚巨大と評するしか無い──塔が現れた。

 余りにも荒唐無稽な出来事に、当時の国々は大混乱に陥ったという。そして、誰よりも何よりも先にその中の全てを自分達のものにしようとしたのだ。だがそれは叶わなかった、と聞いている。

 軍や調査団といった組織を各々が結成し、巨大な入り口を通って内部に進もうとしたその時に、多くの人達が弾かれたのだった。

 まるで入り口に、透明な壁があるかのように。誰も進めなかったのだ。でも重要なのは、全員入れなかった訳では無かったということだ。

 人種、性別、生まれの環境問わず迷宮に入れる者は多く居た。迷宮を知りたがる者は数多く居て、入れる者もまた少なからず居た。なら彼等が手を取り合うのは自明の理と言えよう。

 迷宮に入れる者達──後世において、航索者(シーカー)と呼ばれるようになった──は自分の有用性を示し、国や企業がそれを全面的に支援して、迷宮内の資源や情報を得る仕組みが組み立てられていった。

 その間、学者達は凡ゆる手段を駆使して迷宮に入れる者の共通点を探し出そうとしていた。だが、敢えて重ねて言うが今はそんなことは重要では無い。

 入ることで益を得る者と、入る者を支えることで益を得る者。

 それらの関係性が成立して仕舞えば、人類は止まることを知らない。大航海時代、彼のクリストファー・コロンブスよろしく自らの利益が為に全身全霊で進撃するのは、歴史が証明している。

 多くの者が人類最新の新天地(フロンティア)を目指し、そして果てなき欲望を満たす為に迷宮に侵入していくのだった。

 そして、月日は流れ──始めて人類が足を踏み入れて、100年が経過していた。

 

 

 転々と灯される明かりがダンジョン内に築かれた街を照らす中、街の中央に聳える時計塔の屋根の上で談笑している2つの人影があった。それは大人の女性と、幼い少年のものだった。

「なあ師匠、何で師匠はダンジョンに潜るんだ?」

「何だい藪から棒に」

 少年は、見上げた視線の先にいる女性──師匠に問いかける。長い黒髪を後頭部で1つに纏め、危険な場所を踏破する為に編まれた特殊な装束を着た彼女は、ケラケラと笑いながら少年の問いかけに答える。

「決まってるさ。未知を踏破したいという、私ら人間が持つ普遍的な欲望さ」

「よくぼう?」

 欲望──その言葉の意味は理解出来たが、師匠の真意を読み取ることが出来なかった少年は脳裏に疑問符を浮かべる。

「そう、人間…いや、この中に居る知的生命体には避けて通れない感情さ。知らない、わからない、理解出来ない……私らはそれを解き明かさないといけないと心の底から思ってるのさ」

 未知を解き明かしたい、そう嘯く師匠の姿を見た少年は自らの内に暴れ狂う感情が何なのかが分からなかった。

「あれの見た目は?その味は?手触り、生態、知らないから知りたい知り尽くしたい!!それが私の願いであり、ダイダロスが齎した祝福なのさ」

 師匠は手を掲げると同時に、その内に1冊の本が光の粒子と共に落ちてくる。

「お前は、まだ心器が現れていない。つまりダイダロス、ひいてはクレイドルがお前の願いを掴みかねているのさ」

 心器。このダンジョン──神脈界廊ダイダロスに足を踏み入れた者に齎される奇跡の総称。

 願いをこのダンジョンか、このダンジョンの創造主が理解して与えられるそれを、少年は未だ持ち得なかった。

「少年、お前は──ここに何を願う?」

「オレは……師匠の見る景色を、見てみたい。師匠の言う未知を、見てみたい。それを、師匠と一緒に見てみたい」

「ほう?」

 少年は立ち上がり、師匠からの問いに答える。自分の知らない未知、それは師匠なら知っているのかもしれない。でもだからこそ、師匠も知らない未知を見てみたい。

 でも、未知を見るだけなら誰だって出来よう。でもそれを、自分1人で独占するのは──嫌だった。

「未知の共有……か、ハハハ!我が弟子ながら面白いことを言う!」 

「わ、笑うなよ師匠!」

 自分でもどうしてそう思うのか理解出来なかったし、例え出来たとしてもそれを言語化するのは難しかっただろう。

 でも師匠なら、という淡い思いがあったからこそ、笑い出した師匠に僅かな怒りを込めてぽかぽかと殴り始める少年。その姿が余計師匠の笑いを引き出していく。

「あぁ、笑った笑ったさ。それじゃ、未知を知ってみんなに知ってもらいたい少年には…これをやろうさ」

「…これ、師匠の心器じゃん。オレが持ってて良いの?」

 少年が手渡されたのは、師匠の持つ本──彼女の心器(きせき)だった。自分の願い、心とも言うべきものを手渡された少年は動揺を隠せない。

「勿論ダメさ、それは私の願いの塊さ。でも」

 そんな少年の頭をポンポンと軽く叩き、師匠は満面の笑みを浮かべる。

「でも、それは単なる本さ。ただ、私が今まで出会ってきた物全てが記され続けるだけの本さ。だからお前に託すのさ」

「?」

 意味がわからなかった。先程浮かび、そして消えていった疑問符が再び現れる。

「その本に記されなかったものを、お前が見つけると良いさ。それは、私も知らない2人にとっての未知なんだからさ!」

 そう言われた少年は、ペラペラと本のページを捲り出す。そこに記されていたのは、多くの動物、植物、鉱物──他にも他にも多くの概念だった。

 そう、それは図鑑だった。この世でたった1つしか無い、神脈界廊ダイダロスの図鑑。

 読むのに夢中になりだした少年の頭を、名残惜しそうに撫でた師匠は呟く。

「もし、少年しか知らないものがあったら…その本に勝手に書き込むと良いさ。そして、それを私に見せに来るさ」 

「……!うん!」

 そうして師匠は、少年の──オレの目の前から消えた。でも死んだ訳じゃない。日が経つにつれ、師匠から渡された図鑑はその内容を増やしていっていた。

 師匠は次々と未知を発見していく、負けてられない。オレだって、師匠から色々教えてもらったんだ。

 身体を鍛え、知識を磨き、技術を蓄えていく。いつか、師匠も知らない未知を見つけて、それを師匠に教えるという夢を迷宮に抱く。

 そんな迷宮の中を、オレは───

 

 

「ブモオオオォォォォォォォォッッッ!!!」

「うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

 ────巨大な牛頭人身の怪物(ミノタウロス)から逃げ回っていた。

 

 

 ──神脈界廊ダイダロス第49階層──

 そこは本来ならば、12階建てのビルすら楽に収まるほどの高い天井を巨大な洞窟だった。真っ暗なだだっ広い空間に、僅かな生暖かい風が吹きつける不快な場所。

 だが今やどうだ、其処彼処に煮え滾る溶岩が溢れており、冷たい冥府の底を思わせる空間は一転して、熱く燃え盛る地獄めいた空間に早変わりしていた。

 そんな中を必死な形相で駆け続ける人物が居た。ダークグリーンの髪の毛をショートウルフスタイル、街中で見かけるようなカジュアルなズボンスタイルの衣装に関節や胸部、脛といった守るべき箇所にプロテクターを付けた、まだ幼さが残るその人物は、溶岩や隆起した岩を器用に飛び跳ねていく。

 その技術はパルクールに酷似しているが、それは見た目のド派手さではなく生き残る為に磨き上げられたものだった。

「やばいやばいやばいっ!!!」

 そう悲鳴を上げながら、全力で横っ飛びで回避する。何故か?それは決まっている。

「ブモオオオォォォォ!!!!」

 先程から追いかけられている巨大な真紅のミノタウロスの攻撃から逃げる為だ。

 6階建てのビルに相当する巨体が、全力で追いかけてきているのだ。そんな状況に陥れば、誰だって逃げるだろう。

「ブモ、オオ?オオオオォォォォッッッ!!!」

「よ、よしっ!今のうちにっ」

 ミノタウロスが振り下ろした斧は思いの外地面に深く食い込んでしまったようで、引き抜くのに時間がかかっていた。それをチャンスと見込んで、大急ぎで立ち上がり逃走を開始する。

「そう急ぎなさんなミノタウロスさん、こっちも配信の準備が必要なんだよ!ええとこれとあれとそれとぉ……!いよしっ、心器解放──第三の瞳(ストリーム・アイ)!」

 その叫びと共に、淡い光が顕現して刹那──小さなドローンカメラと頭部を隠すようなバイザーが出現する。

「はい皆さんこんガドー!ダンジョン配信で毎度お馴染みにしていきたいガドーでございます!えー今オレは絶賛やっべっっっ!!!??」

 そして唐突な挨拶。だがそれを言い終わる前に、ガドーは全力で跳躍する。次瞬、その位置には巨大な大岩が勢いよくぶつかり破片と化す。

 天井からの落下ではあり得ない方向、そして速度。その元凶を見やれば、そこに居たのはやはりミノタウロスだった。未だ巨斧が抜けずにいるのか地面に突き刺さったままで、どうやら投擲したようだが…恐ろしいまでの狙いの良さだ。

 そんな状況下、ガドーのバイザーに続々とコメントが流れ始める。

『こんガドー』

『今どうなってるん?』

『配信前から待機していた俺に四角なし。デケェ牛人間に追われてる』

『廃人めう』

『お、ガドーファンか?珍しいな珍獣か?』

『いやスケさんファン。おいガドー、他の人達何処におるん?』

「今それどころじゃないの見えないかなぁ!?」

 ミノタウロスからの大岩の投擲を警戒しながら再度逃走を試みるガドー。脇腹が激痛に苦しみ、両脚が休みたいと悲鳴を上げるものの、そんなことをすれば師匠との約束を果たせなくなる。

 休むのは後、そう心に決めてごつごつとした荒れた大地を踏み締めて駆け抜ける、だが。

『おいガドー!目の前に谷あんぞ!』

『ひっっっろ』

『マイク・パウエルでも無理だろ』

「見えてる見えてる!でもここ通った時無かったんだけどぉ!?」 

 ガドーの目の前にあったのは、大きな谷底だった。向こう岸まで凡そ10mはあるだろう裂け目、まず跳んで行くのは不可能だ。では足場を用意して渡るか?それも良いだろう、後ろから漸く斧を引き抜いて追いかけてきたミノタウロスが居なければの話だが。

「くそっ!!」

 迷っている暇は無い、そう判断したガドーは視聴者(リスナー)へ注意喚起をする前に道具を使おうと、腰に備え付けられた装備を腕に装着しようとする。

 余りこれは使いたく無かった。何せ以前に一度使った時にはちゃめちゃに非難されたからだ。低評価率も心なしか高かった気がする。

 心の中でごめん!と叫びながらも準備を進めるガドー、だがしかし──一歩間に合わなかった。

「スゥゥゥ────ブォォォォォォォォ!!!!」

 ミノタウロスが大きく息を吸い込み、そして炎を吐いた。迫る火炎が岩肌を融解させながら(・・・・・・・)迫る様を、走馬灯のように見つめるガドー。

 “やっべ、死んだ”

 生存は不可能、そう思える程の範囲。回避しようにも開すぎていて遮蔽物は存在しないし、道具もまだ準備出来ていない。

『逃げろ!』

『おいおいおいやべぇぞ』

『ガドー!!』

「みんな、ごめぇぇぇぇぇぇええええええ!?!?!?」

 リスナーからの悲鳴が見え、炎がガドーの心身を焼き尽くそうとしたその刹那──彼は急激な加速によるGに襲われた。

 

「ハァ?ごめん?何言ってんのよガドー、そこは──命を助けてくださりありがとうございますエリス様一生奴隷として従います、でしょ?はい復唱!」

「そ、その声っえええっえっエリスかかかかか助かったぜぜぜぜ…!」

 ガドーは空を飛んでいた。1人の少女に抱えられて。余りの速度にまともに話せずにいるガドーだが、その声には聞き覚えがあった。そして、更に声は増えていく。そう、ガドーは1人で無かった。

 

「待たせたなガドー!」

「死んだかと思ってヒヤヒヤしたぜ…」

「もうっ、無茶したらダメですからねガドー君っ」

「デケェミノタウロスだ、喰ったら美味そうだ」

「それミノタウロスの俺の前で言うことか?3枚に卸すぞこの野郎」

「全員落ち着いて、あれが今回の目標のクリムゾン・ミノタウロスだ。あの迷造獣(モンスター)を討ち倒し、50階層へ突入するぞ!!」

「「「応ッッッ!!!」」」

 その声に、リスナー達も反応していく。まるで、彼らのことを待っていたかのような盛り上がりがバイザーに映されるのをガドーは笑顔を浮かべて見つめる。

『キター!!!』

『待ってました!!』

『こっからパーティータイム!!』

『あいつら誰なん?』

『ギルド、「フェイス・ストレィ」のメンバーだよ!!』

 

 

 ──人類が神脈界廊ダイダロスに突入し、多くのものを見つけた。それは人類社会を大きく変えるものだったが、その中でも大きな変化と言えば、彼らとの出会いだった。

 異界の住民。歴史も文化も種族も異なる彼らの世界にも、神楼龍クレイドルはダンジョンの入り口を作っていたのだ。

 人智を超えた技術を持った世界。

 魔法が存在する御伽噺のような世界。

 地球の歴史と似たような、だがどこか異なるパラレルな世界。

 数多の世界が、このダンジョンを通じて一つになっていたのだ。

 

 

「グルル……ヴオオオォォォォ!!!」

 突如現れた一団に向け、地面に斧を叩き付けて吼えることで威嚇するクリムゾン・ミノタウロス。だが、この場にそれで怯むような者は存在しない。

 各々の武器を振るい、突喊を開始していく。ある者は剣を、ある者は槍を、ある者は杖を、ある者は手甲を。ある者は銃を。そこで繰り広げられていくのは、御伽噺(ファンタジー)の戦いだった。

 

「今日メンバー多いなぁ、何で?」

 眼下で戦闘を繰り広げるフェイス・ストレィの面々を改めて確認し、その人数の多さの理由をガドーはエリスに問いかける。

「何でって……ようやく下に行けるルート見つけたんだもの、さっさと突入して橋頭堡作るって話をマスターしてたじゃない」

 その問いに呆れながら答え、背中と脚部に備え付けられたバーニアを吹かして旋回を開始するエリス。

 端的に言って、彼女は人間である。だが、全身の殆どを機械に置換した、俗に言うサイボーグというものである。

 手足や背中を迷彩色でカラーリングされた装甲で覆った彼女は、空いた両手でガドーの小脇を抱えていた。そんな彼女に向け、ガドーの配信を見ているリスナー達は大興奮の模様だ。

『エリスちゃん様ktkr』

『いつ見ても美しいボディ』

『サイボーグリアルで初めて見た。画面越しだけどすげえ感動』

「なあエリス、何かリスナーに一言」

「えぇ……今そんな暇ないんだけど……応援、よろしくね?」

『任せな!【エリスちゃん様応援し隊 ¥10000】』

『罵倒もお願いします!!【あざら丸 ¥10000】』

「すげぇ、挨拶だけで2万円かよ。あ、また増えた」

「何でよ!!!!!お金大切にしなさいよ!!!!!!バカ!!!!!」

 ガドーが流れるコメントと、リスナーから続々と贈られた投げ銭──ギフチャの額にプンスコ怒り出すエリス。だがその怒りを更に放とうとしたその瞬間、エリスの頭上から複数の影が襲いかかった。

「っ!?こいつら、囀り鏃スクリーム・アロウヘッド!?」

「うおおお喰われる逃げろエリスゥゥゥ!!オレの命、託したぜっ!」

「あー今すぐ落としたいぃぃ!!」

 囀り鏃スクリーム・アロウヘッドと呼ばれた生物は、まるで悪魔のような生き物だった。4枚の翼を汚らしく羽ばたかせる無毛の怪物。瞼がないのか常にガン開きな瞳に見られていると、言い表しようのない恐怖に襲われる。

 そんな怪物が5─10─20─まだまだ増え続けていく。どうやら、この階層の天井は彼らの巣穴だらけのようだ。

 巣穴から勢いよく飛び出ながら、長い吻に生える乱杭歯をガチガチと鳴らしながらエリスとガドーを喰らおうと飛翔する囀り鏃スクリーム・アロウヘッドから逃れるべく、エリスはスラスターを吹かして急加速する。

 迎撃しようにもガドーを抱えている現状、エリスは武器を持てないでいる。だから、やれる行動はたったひとつだ。

「スケさん助けてぇぇぇ!!!」

「───任せなぁ!」

 必死に叫ぶ救難要請(SOS)。それに呼応するかのように声がする。

 そして、囀り鏃スクリーム・アロウヘッドの牙がエリスの脚部を捕らえようとしたその刹那、燻んだ白色の蛇腹刃が瞬く間に解体していく。

「スケさん!!」

『スケさんキター!♪─O(≧∇≦)O─♪』

『いぶし銀な男!』

『これは勝ったな(確信)』

 ガドーも地面の方から飛来してきたスケさんに気付くと、コメント欄も大盛り上がりになる。

「コイツらは俺に任せて、お前達もさっさと自由に動き回りな!!食らえ、蛇骨大戦刃!!」

 スケさん──全身をフードで覆い隠している男は手にした2本の槍を勢いよく、器用に振り回していく。そして次の瞬間、槍の穂先が蛇腹剣状に変化して迫り来る囀り鏃スクリーム・アロウヘッドの群れを切り裂いていく。

「ガドー!早くアンタもアレ(・・)装着(つけ)なさいよ!」

 血風轟く後方を尻目に、エリスはガドーを急かす。早く荷物を下ろして自分も戦いたいと言わんばかりだ。

「ちょいと待ってくれよエリスさんよぉ……よし、いつでも良いぜ!」

 先程装備しようとした、腰に備え付けられていたガントレットを両腕に装着し終えたガドーはエリスに「落として良いぞ」と許可を出す。

「じゃ、また後でねガドー」

 エリスはそう言うと、ガドーから手を離す。

「うおおおおお!!!行くぜリスナーのみんな、吐かないように注意しなぁ!!」

『待て待て待てまだ準備が!!』

『全員エチケット袋用意ー!』

『エチケッツな!』

『今そんなことどうでも良いわい!!』

 自由落下を開始するガドー、このまま行けば地面に落下し潰れたトマトのようになるのは必至だった。そう、何もしなければ。

「おらっ!」

 装着したガントレットから、ワイヤーアンカーが放たれ天井に食い込む。ガドーの全体重を支えて尚抜けないそれは、ガドーを洞窟内でスイングさせるのに充分だった。まるで某アメコミの蜘蛛男のような機動性を活かし、洞窟をビュンビュン飛び回るガドーは眼下で戦闘を繰り広げる仲間の下に向かうのだった。

 

「ふぅ、ようやく荷物を降ろせたわ。こっちもこれで…暴れられるッ!!」

 エリスもガドーというお荷物(デッドウェイト)を降ろせたことで機動力が飛躍的に向上していた。先の速度を上回る勢いで飛翔すると同時に、彼女の心器が起動する。

「心器解放──異界武倉庫(ウェポンラック)!」

 その声と共に手や肩部や脚部に武装群が出現しそして──。

「エリス・フォルシア、行動を開始する!射撃開始(ファイア)ッ!!!」

 放たれる銃弾とミサイルの雨、それらがスケさんが削りきれなかった囀り鏃スクリーム・アロウヘッドを撃ち抜き爆散させていく。

「すまんエリス嬢、助かったぜ!」

「こっちもありがとうスケさん、これで片付いたかしら?」

 運良く生き残った囀り鏃スクリーム・アロウヘッドが巣穴に逃げ帰っていくのを尻目に、落下していくスケさんを回収するエリス。

 少なくとも、こちらに向かってくる迷造獣(モンスター)は見えない。ならば、やることは一つだ。

「あのミノタウロス、下に掛かり切りになってるわね」

「じゃ、俺達は上からだな。運んでくれエリス嬢!」

「合点承知の介!!」 

 未だ戦闘を続けているミノタウロスの頭上に向かい、2人は空を駆け抜けるのだった。

 

「ブモオオオオオオオォォォォ!!!」

「全員怯むな!前衛は僕と獣人(ビースター)達で抑え込む!その隙に後衛部隊は弓矢と魔法で仕留めにかかれ!」

「「「了解!!」」」

 一方、地表はミノタウロスと激しい戦闘を繰り広げていた。あれ程の巨体から繰り出される攻撃、凌げられるようなものではないのは一目瞭然。

 だが、それは諦めて良い理由にはならない。まるでファンタジー世界から迷い込んできたような、勇者の姿をした人物の指揮を受け、獣人や魔法使い、エルフやドワーフの一団が連携を取りながら行動を開始していく。

「アルー!気をつけろ、コイツ火ィ吐くっ!!」

「ガドー!全員分かったな!側面から叩くっ」

 勇者風の人物──アルはガドーからの情報を即座に理解し、メンバー全体に指示を出しながら自分はミノタウロスの気を引くべく真正面から突撃する。

 マントをはためかせ、洞窟内を疾走する中性的なアルは、その姿に似合わない雄叫びを上げながら手にした光り輝く剣が振り下ろされる巨斧を受け止める。洞窟内に衝撃が走る中ガドーは後方にいた魔法使いに話しかける。

「ルー、何かこうめっちゃ火力出るやつある?」

「あ、ガドー君。ん〜…火力は出せるけど、そうなるとアルや他の人たちも巻き添えになっちゃうし……あ、でも雷魔法なら?」

 その魔法使いは、端的に言ってある部位がデカかった。

 青髪の女性──ルーと呼ばれた彼女は別に露出は高くない服を着ているものの、それを見たリスナー達は画面越しに彼女を拝む。そして呟くのだった──デカパイ最高、と。

『ありがとうございます【巨乳爆裂大魔神 ¥5000】』

『神に感謝 【むーたん ¥2000】』

『俺もダンジョンに選ばれてたら……!【ダンジョン配信切り抜き勢に俺はなる ¥10000】』

『ガドータヒね 【ガドルー許さない派 ¥6000】』

『そこ変われクソが 【ルーちゃんガチ恋勢 ¥20000】』

「ねえ何でオレ罵倒されなきゃいけないの?」

「?」

 流れるコメントはルーへの感謝からガドーへの罵倒へと変わっていく。だがその内容を見れないルーは疑問符を浮かべるのだった。

「ええいとにかくっ、アレ仕留めるにはどうすれば良い?」

「……雷魔法で貫通させるか、氷魔法で凍結させて…砕く…かな?確実に仕留められるのは氷だと思う」

「分かった、じゃあそれで行こう。砕くのはアルとエリスに任せよう」

「ん、分かったよガドー君」

 ガドーの判断にルーは同意し、手にしている杖に魔力を込め始める。あれ程の巨体を誇るミノタウロスを凍結させるには、長大な詠唱を唱えるという少なくない隙を晒す必要がある。

「その為にもオレ達が動かなくちゃな」

 その隙を潰すべく、ガドーはワイヤーアンカーを駆使して移動を開始するのだった。

 

 

「ハァァァッ!!!」

「ブモオオオオオオオ!!!」

 一方その頃、アルとミノタウロスの猛攻の応酬の数は100を超えていた。迸る斬線が火花を散らしながら周囲を照らし、鋼と鋼がぶつかる旋律を掻き鳴らしていた。

「ダンチョに続けぇ!!」

「足だ、足を狙っていけ!!」

 獣人やドワーフといった近接主体のメンバーはアルに狙いを定めたミノタウロスの側面や後方から攻撃を加えていく。だがしかし。

「くっそ、コイツ硬えぞ!!」

「筋肉と皮膚が分厚すぎるっ!」

 ミノタウロスの強靭な皮膚と体毛、そして運動能力を維持する為の筋肉が鎧となって彼等の刃を阻んでいた。

 後方でルーが魔法の使用準備を整えているのは彼等も知っている。何としてでもこの場に止めなければ、そう考えた次の瞬間。

「オラァ!!零距離迫撃砲ッ!!!」

「ブモオオオォォォォ!?!?」

 上空から飛来したエリスが、顕現させた武器──迫撃砲の砲身をミノタウロスの後頭部に突き刺し、そのまま砲撃する。爆炎と共に砕ける砲身を投げ捨て、エリスは再び宙に飛び上がる。

「チィッ」

 眼下には薄れゆく爆炎と、健在なミノタウロスが映っていた。ダンジョン内にある要塞程度なら一撃で粉砕出来る虎の子を以てしても致命打を与えられなかったという事実を噛み締め、再度攻撃を加えるべく武装を呼び出す。

「まあ気にすんなってエリス、アイツ無駄に硬えみたいだし」

『そうそう』

『誰だってミスはするものさ、ガドーみたいに』

『俺だってこの前やっちまったミス上司になすり付けたしな』

「コメントの連中もそう言ってるぞエリス」

「私コメント見れないんだけど?」

 エリスが攻撃を再開する刹那、ワイヤーアンカーでエリスの近くにまで来たガドーはエリスに話しかける。ガドーのコメント欄も盛り上がっていく中、下の方から──アルが全力で叫ぶ。

「──2人とも逃げろッ!!!」

「「へ?」」

 そんな間抜けな声をあげた2人に向け、ミノタウロスは口蓋を大きく開けていた。そこから漏れ出ている、淡く輝く橙色の光。その正体を、ガドーはよく知っていた。

「逃げろエリスいやエリス様命だけはお助けくださいいいい!!!!」

「騒がないでガドーバランス崩れるからっ!?!?」

 ガドーは速やかにワイヤーアンカーを突き刺していた天井から引き抜きエリスにしがみつく。

 ガドーのワイヤーアンカーの機動力では、あの炎からは逃げられない。人型の黒焦げの遺体が無惨に天井から吊るされて終わりだろう。

 エリスも丸焼けは嫌なのか、ガドーがきちんとしがみついているか確認する暇もなくスラスターを吹かして急降下する。

「ブオオオオオォォォォ!!!」

 次瞬吹き荒れる火炎の奔流がダンジョン内の天井を焼き焦がしていく。巣穴に引きこもっていた囀り鏃スクリーム・アロウヘッド達は何が起きたか分からぬままに、蒸し焼きにされていく。

「っぶねぇ、死ぬかと思ったぜ。サンキューエリス」

「アンタ後で私に何か奢りなさいよこのバカ!!」

 一方の2人はその高温で髪の毛が多少チリチリになってしまったが、間一髪で避けられたことで無事だった。

 ガドーは改めてワイヤーアンカーを撃ち込み、怒りに震えてるエリスから離れていく。これ以上エリスに引っ付いてると何されるか分かったものじゃない、多分後数秒遅れていたら脳天に拳骨が叩き込まれていたことだろう。

 

「グルル……」

 ミノタウロスは先程放った火炎放射で、上を飛び回る小虫(ガドーとエリス)を殺せなかったことを察し再び口蓋を開けようとする。

 だがその瞬間、自身の足元が異様な冷たさを帯びていることに気がつく。洞窟内を流れる溶岩すら凍てつかせるような、異常極まる冷気。

 その出所を見つけるのは容易かった。ミノタウロスは視界に収める。白いモヤのようなものが溢れ出る場所──淡く白い光により描かれた魔法陣と、その中央にいる人物、ルーの姿を。

 “あれは危険だ” 

 迷造獣(モンスター)としての本能が絶叫する。アレを放置するのは、まずいと。冷気の出所にいる女を殺さなければ、何をされるか分かったものではないと。そして冷気を切り裂きながらミノタウロスは疾走を開始する。

 地響きすら起こしながら、その巨体に見合わぬ速度で駆け出すミノタウロス。だが、

「「止めろぉ!!」」

 ルーを防衛すべくアルを始めとした面々がミノタウロスの進撃を食い止めるべく立ちはだかる。魔法、弾丸、矢──多くの妨害が弾幕のように展開されていく。

 

「私たちも行くわよガドー!!」 

「応よエリス!さてこれからがクライマックスだぜ皆ァ!」 

『スゲェ、めっちゃファンタジーみてぇ』

『いや怪獣映画だろこれ』

『弾幕はパワーだぜ⭐︎』

『左舷、弾幕薄いよ!何やってんの!?』

『左舷どこだよ』

『皆頑張れー! 【あるまーに ¥ 1000】』

 ガドーとエリスもルーの支援の為、行動を開始する。だがその前に、ガドーはバイザーに映されているあるゲージを見やる。そこには、【MAX】と記されていた。

「ようし、準備が──整った」

 

 ガドーの心器、「第三の瞳(ストリーム・アイ)」は自分の周囲を旋回するドローンと、その映像を配信として流す為の道具──頭部を覆うバイザーを呼び出す|ものであり、ダンジョンに齎された祝福きせき

 そして、その能力は3つある。

 ──第三の目としての視界能力。

 ──隠されたものを発見する、未知発見能力。

「お前らぁぁぁ!!!強化の時間だ、好きなだけ暴れ散らかせぇぇ!!!」

「「「おっしゃあああ!!!」」」

 ──そして、最後は配信能力。配信内で流れたコメントが、ギフチャによる応援が物理的な力となって、ガドーが与えたいと願った者に付与する力。

 ガドーが配信すればするほど、コメントが流れれば流れるほど、ガドーの味方はより強力な能力を得ることが出来るのだ。

 

「ディヴァフュージョン、スタートッ!!!」

『♪───O(≧∇≦)O────♪』

『(((o(*゜▽゜*)o)))』

『お祭りだー!!』 

『コメント流してけ、あの人達が暴れる時間が伸びるぞ!!!』

『エリスちゃーん!!!』

『アル様ファイトー!!!』

 

 ガドーの台詞と共に、ミノタウロスに対峙する全てのメンバーが金色のオーラに包まれ、次瞬。

「「「おおおおぉぉぉぉ!!!」」」

 ──猛攻が、炸裂する。

「聖剣起動──ルミナス・ルクスッ!!!」

 アルの手にしていた剣が、光り輝いていく。そして、放たれた光が斬撃と化してミノタウロスの肉体を焼き滅ぼしていく。

「ブモオオオォォォォ!?!?」

 肉体が光に焼かれるという、初めての感覚に身悶えるミノタウロス。だが、倒れることは出来なかった。

「猛牛戦斧嵐ッ!!」

「叫狼双白乱舞ゥ!!」

「蛇骨大戦刃、行くぜェ!!」

 多くの心器が始動し、四方八方から攻撃を繰り出していく。だが彼らは、地表に満ちる冷気に苛まれることはない、何故なら──。

「総員、空中歩行路(エアロード)展開!ルーの冷気に触れさせるなよッ!」

「「了解!!」」

 後方から魔法による支援を行っていた者達が、魔法により空中に道を作っていたのだ。互いに言葉も交わさず、視線による意思疎通のみで行われたそれは一種の芸術的連携と言えよう。

「ヒャッホウ!!オレも行くぜ、震えろ振動刃(アグレッシブ・ナイフ)ッ!!」

 ガドーもまた、空中歩行路(エアロード)やワイヤーアンカーを巧みに扱い、戦闘を再開していた。

 ガドー自身も第三の瞳(ストリーム・アイ)による強化を受けており、強靭なミノタウロスの皮膚や筋肉を振動する刃で切り裂いていく。

「ブモオオオォォォォ!!!」

 周囲から先程とは比べ物にならない一撃を、五月雨のように受け続けるミノタウロスは、冷気を放つルーを気にする余裕を消失していた。

 やたらめったらに振り回す巨斧が、地面を砕き空中歩行路(エアロード)を壊していくが、周囲を取り巻く小虫達を排除出来ずにいた。それが余計に苛立ちを加速させ、更に冷静さを失わせていく。だからこそ、彼女の──エリスの接近に気付けなかった。

「これでも喰らっとけッ!!閃光爆(スタングレネード)ッ!!」

「ブモオオオォォォォ!?!?」

 ミノタウロスの顔面に投下された爆弾が、閃光と爆音を撒き散らしていく。一瞬の間に視力と聴力という、重要な感覚器官の機能が消失し、ミノタウロスは思わず斧を捨て顔を手で覆い隠す。それは即ち、攻撃が、足が止まるということを意味していた。

 

「──皆さん、準備が整いました!!」

 それと同時に、ルーも魔法の準備が整ったことを叫ぶ。その声と共に総員が暴れるミノタウロスから距離を取り始める

 彼女の服には余りの冷気故に霜が降り立つほどで、放たれる魔法の威力を物語っていた。

氷獄牢鎖(アイシクル・ジェイル)ッ!!!」

 そして放たれる地を這う氷結が、ミノタウロスの脚部を瞬時に凍結させそして──全身に波及する。

 肉体全体が氷と化したミノタウロス、傍目から見れば死亡したとみても問題は無いだろう。

 だが、彼等は知っている。このダンジョンに巣食う迷造獣達は、そう簡単には死なないことを。アルは聖剣に更なる光を収束させていく。

「ルミナス・ルクス──スーパーノヴァスラッシュゥゥゥ!!!!」

 そして、放つ。巨大な斬撃と化した光の奔流が氷結したミノタウロスの身体を縦に両断する。バラバラと崩れる氷塊に追い討ちとして、エリスの追撃が放たれる。

「ツインッ、パイルバンカァァァァ!!!」

 両腕にそれぞれ装着されたパイルバンカー(漢のロマン)が、火花を散らしながら氷塊に放たれて──完膚なきまでに粉砕される。

 最早跡形も無く、復活もありえないほどの破壊を映したガドーの配信に、1つのコメントが流れる。

『なんでこの人達、技名叫んでるん?』

 それを見たガドーは、にこやかな笑みを浮かべて答える。

「んなもん決まってらぁ、必殺技を叫ぶのは───かっこいいからな!!!」

 

 

 

 

 

 

 【総合雑談スレ】 ガドーの配信感想まとめ

 1.名無しの観測者

 ここはガドーの配信向けの雑談スレです。

 自由に書き込みましょうガドータヒね

 

 198.名無しの観測者

 今日初めてガドーの配信見たけど、なんかこう、すごかった

 

 199.名無しの観測者

 それな。俺も初めて見た時すげぇってなったよ、ファンタジー世界の人達って本当に居るんだなって

 

 200.名無しの観測者

 ちなみにあそこには居なかったけど、シスターとかの人もいるし、ケンタウロスとかスライムとかおるよ

 

 201.名無しの観測者

 おかしいな???そういうのってダンジョンに出てくるモンスターだろ???

 

 202.名無しの観測者

 安心しろ、俺たちに似たモンスターもいるぞ

 

 203.名無しの観測者

 うへぇ…見分けとかどうするんです?

 

 204.名無しの観測者

 簡単よ。ダンジョンにいるモンスターにゃ変な紋様が身体にあるんだ。それで見分けがつく

 

 205.名無しの観測者

 ほへぇ、サンガツ

 

 206.名無しの観測者

 198とは違うんだけどさ、なんであの人達技名叫ぶん?無駄じゃね?それともそういう文化なん?

 

 207.名無しの観測者

 そうか…気にするか……

 

 208.名無しの観測者

 まあいずれ知ることになるだろうし……

 

 209.名無しの観測者

 何だその意味深な発言は……なんかやべぇ秘密でもあるの…?

 

 210.名無しの観測者

 あるぞ

 

 211.名無しの観測者

 あるよ

 

 212.名無しの観測者

 えぇ……何?

 

 213.名無しの観測者

 あの人らな、俺たち以上のオタクなんだよ。ゲームアニメ漫画小説映画その他諸々、この世界の大ファンの集まり

 

 214.名無しの観測者

 …………わっつ?

 

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ