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一話「物理至上主義の学園」

この世界には、魔法というものが存在していた。

炎を出したり、空を飛んだり、高速で移動したりと、そんな夢のようなもの。

ただ、そんな魔法に身体能力が完全に劣っているわけではなかった。

ゲームなどでも、物理攻撃によるダメージが魔法によるダメージを上回ることは珍しくない。

その力の、バランスが取れているというわけだ。

だが数十年前、その圧倒的な魔力によって世界を支配していた『魔王』が、勇者によって倒された。

それから、人間の身体能力においての才能が飛躍的に伸び少し鍛えるだけで魔法を凌駕する肉体を手に入れることが出来るようになってしまった。

それまでは魔法を使う『魔法タイプ』と物理を使う『戦士タイプ』は、それぞれほぼ同数で、数においてもバランスが取れていた。

だが、戦士タイプの強化により、均衡は崩れた。

魔法タイプは戦士タイプよりも将来の役に立たないので、魔法タイプになる人間はたちまち減り、戦士タイプばかりが増えていった。

だからこそ今、この時代は戦士タイプの世界、つまり物理至上主義の世界となっていた。

そんな時代で、俺こと帝魔瞬は数少ない魔法タイプの中でも底辺、『雑魚魔導士』と言われながら生きている。



そんなこの時代には、とある一つの学園がある。

所謂、選別の学園だそうだ。

この学園の卒業生、何人卒業できるかは分からないが、そいつらは世界を引っ張る政府の人間となれる。

そして、政府に入ったあかつきには、願いを一つ叶える権利を得ることが出来る。

俺は別にそういうわけではないのだが、それを目的としている人間は多い。

選別は死の可能性もあるという。

なので、魔法タイプがこの学園に入学するとすぐに死ぬといわれている。

魔法タイプの友人も欲しいと思っていた俺は入学してから魔法タイプを探したが、全然見つからなかったのもそれが原因だろう。

入学してから今は二ヶ月。

まだ選別は行われていないわけなのだが、これからどのような動きがあるのだろうか。

そんなことを考えながら、俺は今日も教室に向かうのだった…

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