敵対しあう双子
双子だから許せない。
似ているから許せない。
私の双子の妹は、愛嬌があって世渡りが上手なだけの人間だ。
ろくに努力もせずに、おいしいところだけかすめとっていく。
私たちが通っている魔法学園では、成績がダントツでビリなのに、天真爛漫な性格で人を引き付けて人気者だ。
家では、父と母を上手におだてて、二人に甘えて、欲しいものを買ってもらったりしている。
うらやましかった。
私はそんなに器用には生きられないから。
だから憎らしかった。
今度行われる学園の魔法大会では必ず、圧倒的な実力で地面を這いつくばらせてやる。
私の双子の姉は、とても真面目で優秀だ。
先生からも両親からも信頼されている。
でも、だからこそ憎らしい。
私が影でどんなに努力しても身につかないような圧倒的な実力を、持っているからだ。
あたりまえのように振りかざすその力が、うらやましくてしょうがない。
双子なのに、どうしてその力が私にはないのだろう。
神様を恨むのは不毛だったから、その思いの矛先は全部姉に向かっていく。
無意味なことだと思うが、感情は理屈ではどうにもならなかった。
だから、今度の学園で行われる魔法大会では、他のみんなの力をかりて小細工をしよう。
それであの姉を、地面に這いつくばらせてやるのだ。
学園で開催された魔法大会。
学園の生徒たちの中から、優秀なものを決めるその大会で私たちは向かい合っていた。
必ず対戦相手になれるとは思わなかったけど、やはり双子だからか何か引き合う力でもあるのかもしれない。
――私は、妹に
――私は、姉に
((この大会で絶対に勝利してみせる!!))