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有馬家の三姉妹と一匹狼  作者: 佐々木雄太
第5章  こうして、山下翔也の一学期が過ぎていく
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 夏海は、朝から体調不良のため、部屋で寝ているため、翔也が、半日だけでも家の手伝いをした方がいいと思った。

 翔也は、そのため買い物に出かけた。

(ついでに新刊でも仕入れておくか。学校で読む小説もなくなってきたし)

 暑さのせいで、アスファルトが鉄板で焼いているかのようにムシムシしている。

 昼下がりの街は、セミの声と行き交う車の音、人々を話し声が耳に聞こえてくる。

 昔は、この時間帯、子供たちは遊んでいたというのにこの数年で変わってしまったようだ。

(あちぃ……。部活が午前中の十時までには終わってくれて助かったな。これ、下手すると、夏は外に一歩も出る気なんてないぞ)

 もうすぐ、市内の小中高学校は夏休みへと入る予定だ。夏休みの予定は特にないが、来年は受験で忙しくなるだろう。高校生活、最後の自由となる夏休みであるのは、確かである。だが、部活があるのは避けられない。

 すなわちもうすぐ夏休みという事は、地獄の二カ月がやって来るという事だ。もっとも、地獄を味わっているのは高校球児だろう。

 もうすぐ、夏の全国高校野球の予選会が行われる。翔也の高校は、そこまで、弱くもなければ、強くもない。毎年、三・四回戦で姿を消しているくらいの実力である。それにしても夏に予選を行わなくてもいいくらいである。

(しかし、夏風邪とは、どんだけ、体弱っているんだよ。まぁ、毎日、家事労働をやらしてしまえば、体も崩れるか)

 今日は気分を変えて、駅前の商業施設に向かうことにした。

 食材は、近くのスーパーでもいいが、気晴らしに本を買いに行くならば、駅に設置してある本屋が一番いい。

 駅の近くの商業施設は、特に若者に人気があるところである。本屋もあれば、スタバ、コンビニ、食堂、銀行、ユニクロ、ゲーセンなど結構、バラエティーの揃った場所である。そのなかでも翔也とかかわりあるのは、指に数えるほどである。

 その中でいつも通り、一人で行動しながら人ごみをよけて歩く。もともと、この施設は女子のたまり場が多い。

 それにしてもこういうところに一人で出てくると、一人でいるのが、少し気になる感じもある。要するに、一人でいる=孤独感が増しているが大きい。

(なんで、こんなにもここはいつも多いんだよ)

 女友達や家族連れ、もしくは恋人など歩く人間は色々いるが、歩くのが遅いのはなぜだろうか。行列のできるラーメン屋ではあるまいし、翔也にはイライラ感が募っていた。

(いかん、いかん。ここは冷静に、冷静にならなければならない。でも、後ろを歩いている奴の事も少しは考えろよな)

 翔也は横一列に歩きながら話している女子の横を通り過ぎる。すると、今度もまた、他校の女子高校生だ。おそらく、市街の高校に通っている生徒だろう。

(ったく……道くらい、開けろってんだよ)

 そして————

(あーもうっ!)

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