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#5.転移の先は

#5.転移の先は


ここはとある異世界、そこはよくある剣と魔法のおりなす不思議な世界。

違う事と言えばそう、異世界からの来訪者がいる事位だろうか。


「どこなんだよここ・・・」


H少年は道に迷い路地裏を歩いていた。

あのバラエティ番組の様な落とし穴に落とされてから数時間、

宛てもなく街を出歩いていたH少年は周囲の奇異な視線等お構いもなく途方にくれていた・・・。


「きゃああああああああ!誰かー」


絹を裂くような乙女の様な悲鳴。そしてセットで当然の様にいるごろつき。


「へへっ、こいつは上等な貴族様だぜ。」


路地裏に追い込まれた貴族の娘、中世のお姫様が着るような豪華なドレスに煌びやかな宝石類の数々、

こんな路地裏で歩いていればサバンナに巨大な肉を背負って歩くようなものである。


「た、助けなきゃ・・・!」


とはいうもののコンビニにたむろってる不良にすらビビるのに、

武装したガチな盗賊?はハードモードすぎる。

そういえば女神様に魔法使える様にして貰ったんだっけ

少年は頭の中で手から放たれる光線(現代的な魔法のイメージ)を妄想すると

妄想通りに手をゴロツキ達にかざし、頭に浮かんだ呪文を口ずさむ


「光よ・・・!」

「やめなさい!」


少年が呪文を言い切る前に思いっ切りみぞおちに腹パンをキメる謎の人影


「ぐふ・・・っ!」


突然の腹部への衝撃に少年は膝をつき、腹を抱えて無言でぴくぴくと震えていた。

突如現れたその声の主は、女性の声だった。

その麗しきショートヘアのメイドはさっそうと登場するやいなや、

ゴロツキ共を洗練された格闘術で腕や足を捻り上げ締め付け無力化していく


「お、覚えてろよ・・・!」


お決まりの台詞を言い放つとごろつき達は一目散に逃げだした


「大丈夫ですかお嬢さ・・・」


メイドが貴族の少女に近づくと華麗にスルーされ、少年Hに駆け寄っていた

少女は少年の両の手を掴むとうるうるとした上目遣いで、


「助かりました!あなたは命の恩人です!」


何もしてない少年にお礼を言う少女。助けた当人のメイドは慣れた目付きで傍観している。


「はあ・・・そ、それ程でもあるかな?」


手柄の横取りを微塵も気にせず、まんざらでもない表情の少年

その視線は少女の豊満なバストに一直線だ!(このエロガキ)


「よろしければ我が家にいらっしゃいませんか?お礼もしたいので」

「え、いいんですか!?いきなり女の子の家にお呼ばれですか!?」

「???」


妙にテンションが上がる少年。意味が違うと思うんですが・・・。

訂正する気も無いメイドにようやく少女は視線を向けると声を掛けて来た


「付き人の方、荷物をお持ちになって下さいますか?」


少女の隣には山の様な買い物袋や箱が積み重なっていた


「・・・承知しました」


メイドはそれらを軽々と持ち上げると、蕎麦屋の出前の人の様に絶妙なバランス感覚で支えた

まさにプロ技!いや、職人芸と言ってもいい位に荷物の塔は安定している


「それじゃあ参りましょうか♪」


少年の手を取ると少女は駆け足気味で路地裏を後にした

つーか急に来たメイドや付き人扱いに微塵も疑問を抱かないのはおかしくないですかね?

これが現代の若者特有の無関心って奴ですか、メイドの人可哀そう


「いえ、お気になさらず。ナレーター様」


何もない空間に話しかけるメイド

彼女の名は芽衣堂華子、通称メイド

ナーロウの使いの一人だ






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