第77話 生
薫ちゃんをイラスト化して欲しいです。
誰かお願いします。何でもしますから
(何でもするとは言ってない)
「何かな何かな?」
「楽しみだな~♪」
先程までの疲労などすっかり忘れたかのように、男達はまるで子供の様になっていた。
「なんだと思う?」
「元気が出るものだし・・・・・・長芋?鰻?」
「魚を捌いてる感じじゃないし・・・・包丁も使ってなさそうだなぁ・・・・・」
「ああ!見ちゃ駄目ですよぉ!出てくるまでのお楽しみです!」
「ごめんごめん!つい興奮しすぎちゃって!」
「出来ましたー!」
「よっ!」
「待ってました!」
全員が歓喜し、拍手喝采の嵐となった。
「今から置きますから、その間は目をつぶっといて下さい!良いって言うまで見ちゃ駄目ですよ!」
「何かな何かな?」
「はい!目を開けてください!」
さあ!御開帳ぅぅ・・・・・・・・・
「え?」
目の前に置かれていたのはどんぶりの上に剥かれたにんにくが乗せられただけの料理とは程遠い物であった。
これには先程まで騒ぎまくっていた従業員達も黙ってしまっている。
「あれ?皆さんどうしました?もしかして、にんにくお嫌いでしたか?」
「いや、嫌いじゃないけどさ・・・・・」
「じゃ、じゃあ美味しくなさそうですか・・・?」
薫ちゃんの目に涙が
「そ、そ、そんなことないよ!美味しそうだよ!な?な!」
「う、うんうん!めっちゃうまそうだよ!」
「良かったぁ~。疲労にはにんにくが良いって聞いたことあるんです!さあ!是非食べてみて下さい!」
「う、うん!いただきまーす・・・・・」
ガリッ!ボリッ!
まず生のため歯ごたえが硬く、くそ辛い。しかも、味がないのできついったらありゃしない。
「どうです?」
「お、美味しいよ・・・・・ゲフッ!」
「本当ですか!良かったです!」
俺が食べた手前他の奴らも食べざるを得なくなってしまい、皆死んだ顔をしながら食べていた。
「ご、ご馳走さ・・・・・・ま・・・・」
「お粗末様です!」
味だけでなく量も多かったためマジで死ぬ手前だった。
「これからは薫ちゃんを台所に立たせるなよ!」
「そうだな。これだけはいくら可愛いといっても命の危機になりかねん」
「しっかし可愛いけど実は男の娘で、料理下手でって。まるで物語の人物みたいだな!」
「まあ、『現実は小説より奇なり』ってゆう言葉があるんだ。不思議ではねぇな」
「それよりさ!明日からの営業どうすんだよ!明日もあんな量の客を相手にすんのかよ!」
「確かに・・・・在庫も切れてしまったしな」
「店長、どうしましょうか?」
「ん~、しょうがない。臨時休業だ」
「よっしゃー!一日中遊べるぅー!」
「馬鹿野郎。遊ばせるわけねぇだろ!」
「明日はこれからの営業の為の準備時間だ!これまで以上の従業員、在庫、接客等々必要なんだ。明日はそれのために総動員で動くぞ!今のうちに求人用の貼り紙を作っとけ!」
「はい!」
「店長、統率が上手くなってきましたね!これも組長さんのおかげっすか?」
「ああ!あの人は俺の永遠の目標さ」
「影響され過ぎじゃね?」
「ふぅ。これで千部目っと!」
「よっしゃあ!これで寝れる!」
「昼間のにんにくのおかげで半日でつくっちまったな!」
「薫ちゃん、ありがとう!」
「おい、早く寝ろよ。明日は一日中動きまわるからな」
「アアァ・・・・明日よ!こないでくれ!」
「明日来なかったら今日の繰り返しだぞ」
「それはいやだ」
「じゃ寝ろ」
大型新人の登場により、今までとは段違いに忙しくなってしまった。暇な日々は取り戻せるのか?
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