第52話 和解
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あれから一ヶ月が経とうとしていた。
だが・・・・・・・
「だめだ。まったく思い付かん。」
「わしも無理じゃ。」
「俺もだ~よ。」
全員リタイアしていた。
第一に自らが経験したこともない境地の人間を説得しようということ自体が町がえであった。
「しょうがない!少し苦しいが・・・・あの作戦で行こう」
「なんだ~?その作戦っての~は?」
「ぶっつけ本番作戦、とでも言おうかな?」
「ぶ、ぶっつけ本番やと!?そんなんで説得なんて夢もまた夢や!」
「確かにそう思うかもしれない。だが、考えて見てほしい。紙に書いたような言葉で人の心は動くか?人の心を動かすには人の心から出た言葉じゃないとダメだ、と俺は思う。」
「なるほど・・・・一利ある。ほな、その方法しかないか。口惜しい話やが・・・・」
「大丈夫だ~よ。しっかりと思いを伝えれ~ば、きっと説得でき~るよ!」
「そうと決まれば早速行きますか!」
「ああ!そやな!」
早速『俗屋』に向かった。
「緊張しますね。」
「あ、ああ。足ガックガクや。」
俺たちは客間に案内され、冬果・・・いや藤花を待っていた。
その間、緊張がほぐれることはなかった。
八拳さんの足はガクガクブルブルになっており、俺もまた手汗や冷や汗でダッラダラになっていた。
「お待たせしました。」
「いえいえ!滅相も御座いません!」
「そんなに怖がらないでください。」
「で、では。本題の方に行かせていただきます。
もう一度お聞きします。明日行われる宴会に参加していただきたいのですが、よろしいでしょうか?」
「現時点では"いいえ"です。」
「何故断られるのでしょう?」
「・・・・私は父に捨てられたようなものです。
ろくに話もせずにいつもいつも仕事ばかり選んで、家出をしてみれば探しに来たのは父ではなく
組員の方。そんな愛してない娘が来たって向こうは嬉しくないんじゃないですか。」
「・・・・・・・本当にそう思ってるんですか?
本当にあなたは父親からの愛を受けてない、と断言できるんですか?」
「いえ、それはできませんが・・・・でも!あれから十年も経つのに一回も探していないんですよ!」
「それは違います。」
「え・・・・・」
「血反堂組が今や江戸最大の組織というのはご存じですよね。」
「え、ええ。」
「それは貴方のため、貴方を探すためだったんですよ。貴方を探すために組織を大きく、大きくしようと苦労した、その結果いや、なんなら通過点にあの巨大な組織ができたんです。」
「えっ・・・・」
「あなたは子供の頃、オヤジさんは欲しいものを買い与えてくれましたか?」
「はい。」
「世の中には親から欲しいものなど与えられたこともないような子供がいます。もし、娘のことを愛していたなら物なんて買ってあげますかね?」
「い、いいえ・・・・」
「他にもいろいろ思い出してください。それらの行動には愛はありますか?恐らくあるでしょう。
多分オヤジさんは直接話すのが不得意なんでしょう。ですよね?八拳さん。」
「ああ。オヤジがみんなにしっかりと物を言うなんてここ十年の話だからな。」
「おそらく慣れようとしていたんでしょう。もし、愛しの娘が見つかったとき自分からしっかりと『愛している』と伝えるために・・・・」
その時、藤花の目から涙が溢れてきた。
藤花は気がついたのだろう。自らが愛されていた事を。
「自分の子供、娘を嫌う親なんて最初からいないんですよ。」
「ふぅー。き、緊張したわー」
「もう震えが止まりませんよ。」
「にしてもよく即興であんなに流暢に説得できるなぁ。
「俺のもといたところだとさ、親なのに子供の将来を潰そうというヤツ、子を愛さず子を足枷としか思ってないヤツなんかが一定数いてさ、やっぱりそうゆうのを見るとどうしてもだまってはいられないんだよ。」
「なんと、そんな親がいるのか。けしからん、!」
「まあ、そんな事は置いといて。帰ったら宴会の準備ですね」
「おお。そうだな。さあ!張り切って準備するぞ!」
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